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表面構造解析

背景

例えば、Si は現在の半導体技術を支える非常に重要な物質です。

重川研究室では、このSiをはじめとし、無機・有機材料の固体表面構造や表面上で起こる各種相転移、化学反応、ナノスケールでの構造形成・制御などについて、さまざまな研究を行っています。

超高分解能STM/STS
極低温Si(100)表面構造
STM探針の影響
低密度欠陥Si(001)表面の作成
O2/Si(111)
希ガス/Si(111)
希ガス/Si(100)
電荷移動錯体表面の構造緩和

超高分解能STM/STS







極低温Si(100)表面構造

Si の (100) 面の表面構造が極低温において不思議な振る舞いをすることを発見し、その全容を解明すべく STM/AFM/LEED による観察を行っています









STM探針の影響

物理計測は、外部から何かしらの摂動を加え、その応答を観ることによって対象とする試料の特性を解析します。これはどんな場合にも当てはまり、何かしらの計測をする場合、肝に銘じておかねばならない重要なことです。STM観察では、バイアス電圧を加え流れるトンネル電流をプローブとしますが、非弾性トンネル分光の項目の化学反応制御に観られるように、こうした(1)バイアス電圧、(2)トンネル電流、(3)探針ー試料間の相互作用、といった測定の条件が外欄として試料の状態を変化させ、結果に大きな影響を及ぼすことを理解しておくことが大切です。

低密度欠陥Si(001)表面の作成

Si(100)表面は基礎的にも応用上も非常に大切な表面ですが、欠陥が少ない表 面を作るのは大変でした。本研究室ではSTM像に見られるように、超低密度 の欠陥しか存在しない表面を作る技術を開発しています。



O2/Si(111)

表面の酸化は、基礎的に大切であるだけでなく、応用上も非常に重要な問題を含んでいます。 本研究室では、低温STMを用い、電子状態が異なる幾つかの原子をユニット内に持つSi(111)-7x7構造に酸素を吸着させて、表面酸化・素過程の詳細を調べています。 吸着サイトに依存した新しい吸着構造が見出されるとともに、温度変化により原子レベルで複雑な電荷移動が現れることなどが明らかになってきました。







希ガス/Si(111)

Si(111) 面へ希ガスを吸着させ、その吸着構造について格子ガスモデルによる熱力学的解析を行っています。Si基板を通じて、ファンデアワールス力とは異なる長距離の相互作用が働き、複雑な吸着構造が形成されることが明らかになってきました。



希ガス/Si(100)

Si(100) 面へ希ガスを吸着させ、吸着による基板構造の変化を観察しています






電荷移動錯体表面の構造緩和

固体表面は片側の結合が無いため、エネルギー的に不安定になり、固体内部とは異なる構造(表面構造)を形成して安定化する。例えば、Si(100)表面では、2つの原子が対になりダイマー列を形成する。有機材料の場合は要素が分子であるため、分子間の緩和に加え分子内緩和が誘起される可能性がある。BEDT-TTF系の低次元有機伝導体表面において、こうした構造が発現していることが確認された。