線形代数II/復習:固有値問題

(414d) 更新

線形代数II

内容

  • 行列式
    • 定義・性質
    • 行列の積と行列式の積
         |AB|=|A||B|
    • 逆行列、転置行列の行列式
         A^{-1}=|A|^{-1}, |{}^tA|=|A|
  • 階数
    • 定義
    • 行列の積と階数の低下
      • 行列の積により階数が低下することはあっても増えることはない
           \rank AB\le\rank A,\rank AB\le\rank B
      • 正則行列との積により階数は変化しない
           P,Q が正則なら、 \rank PA=\rank AQ=\rank A
  • トレース
    • 定義
    • 行列の和とトレース
         \tr (A+B)=\tr A+\tr B
  • 固有値問題
  • 相似変換
    • 固有方程式、行列式、階数、トレースを保存する
  • 対角化
    • エルミート行列・対称行列
    • ユニタリ行列・直交行列

演習

(1) \bm e_1=\begin{pmatrix} 1\\0 \end{pmatrix},\bm e_2=\begin{pmatrix} 0\\1 \end{pmatrix} を2辺とする正方形を、 線形写像 f(\bm x)=A\bm x で写した先の平行四辺形の面積が |\det A| で与えられることを示せ。

(2) 次の行列 A の階数及びトレースを求めよ。

A=\begin{pmatrix} 1&2&3\\ -1&0&1\\ 1&1&1 \end{pmatrix}

解答例・解説

(1)

A=\begin{pmatrix} a&b\\c&d \end{pmatrix} と置けば、

\bm e'_1=f(\bm e_1)=\begin{pmatrix} a\\c \end{pmatrix},\bm e'_2=f(\bm e_2)=\begin{pmatrix} b\\d \end{pmatrix} である。

\bm e'_1,\bm e'_2 を2辺とする平行四辺形について、 \bm e'_1 を底辺と見れば高さは |\bm e'_2|\sin\theta と表せる。ただし \theta \bm e'_1,\bm e'_2 のなす角。

z 座標に 0 を加えることで \bm e'_1,\bm e'_2 を 3次元空間に拡張したベクトルを \bm e''_1,\bm e''_2 とすると、 \sin\theta は外積を使って求められる。

\sin\theta&=\frac{|\bm e''_1\times\bm e''_2|}{|\bm e''_1||\bm e''_2|}

したがって、求める面積は

|\bm e'_1||\bm e'_2|\sin\theta&=\left|\bm e''_1\times\bm e''_2\right| =|ad-bc|=|\det A|

これを一般化すれば、 x,y 座標に平行な任意の正方形は A による写像で 面積が |\det A| 倍になる。

さらに、2次元平面上の任意の形状の面積は x,y 座標に平行な微小な正方形の集まりとみなせるから、 任意の形状に対して A は面積を |\det A| 倍にする。

\det A=0 のとき、 A による写像は面積をゼロにする。つまり、元の形状は直線や1点につぶされてしまう。

一般に、 n 次元正方行列 A による写像は、 n 次元空間における「体積」を |\det A| 倍にする。

\det A<0 のとき、形状は「裏返し」になる(鏡像、つまり右手と左手のように、単につぶしたり伸ばしたり傾けたりするだけでは重ならない変形を受ける)。

(2)

掃き出し法を適用すると、

A=\begin{pmatrix} 1&2&3\\ -1&0&1\\ 1&1&1 \end{pmatrix}\sim\begin{pmatrix} 1&2&3\\ 0&2&4\\ 0&-1&-2 \end{pmatrix}\sim\begin{pmatrix} 1&2&3\\ 0&1&2\\ 0&1&2\\ \end{pmatrix}\sim\begin{pmatrix} 1&2&3\\ 0&1&2\\ 0&0&0\\ \end{pmatrix}

より、 \rank A=2

\tr A=a_{11}+a_{22}+a_{33}=1+0+1=2

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