量子力学Ⅰ/電磁気学における光

(1262d) 更新

量子力学Ⅰ/前期量子論#ade58146

量子論以前の「光」

電磁気学によれば、光は電磁波である。*1以下の説明は実際には「相対論以前」の光の説明になっているが、通常我々が扱う問題においては相対論とも矛盾しない。

つまり、光が通ればそこに電場 \bm E(\bm r,t) と磁場 \bm B(\bm r,t) の波ができる。 電磁波は横波なので、電場や磁場は光の進行方向に垂直な面内にできる。電場と磁場も互いに垂直で、その大きさは |\bm E(\bm r,t)|=c|\bm B(\bm r,t)| の形で比例し、両者は同位相で振動しながら伝わる。

波であるから、干渉や回折、散乱などの波に特有な性質を示す。 物理学実験でもレーザー光の回折・干渉現象を学んだ。

電磁波は定数 c=1/\sqrt{\mu_0\varepsilon_0} を用いた次の「波動方程式」を満たす。

  \nabla^2 \bm E(\bm r,t)=\frac{1}{c^2}\frac{\PD^2}{\PD t^2}\bm E(\bm r,t)\\ \nabla^2 \bm B(\bm r,t)=\frac{1}{c^2}\frac{\PD^2}{\PD t^2}\bm B(\bm r,t)\\

この解は、 \bm E \bm B とが光速 c で伝わる形になる。

光の周期 T 、周波数 \nu (ニュー)、角周波数 \omega (オメガ)、波長 \lambda (ラムダ)、波数 k の関係は、

\nu=1/T , \omega=2\pi\nu=2\pi/T , \lambda=cT , k=2\pi/\lambda=\omega/c

電場や磁場が運ぶエネルギー流の密度(単位時間、単位面積あたり)は、ポインティングベクトル \bm S=\bm E\times\bm B/2\mu_0 で表わされる。

その時間平均は、電場と磁場の振幅をそれぞれ E_0, B_0 として、

S=\frac{1}{2\mu_0}E_0B_0=\frac{1}{2c\mu_0}E_0^2=\frac{1}{2c\mu_0}(cB_0)^2

ベクトルポテンシャルで書き直すと、 \omega^2 あるいは k^2 に比例する形になる。

S=\frac{\omega^2}{2c\mu_0}A_0^2=\frac{ck^2}{2\mu_0}A_0^2

空間中のエネルギー密度(単位体積あたり)はこれを c で割って、

w=S/c=\frac{1}{2c^2\mu_0}E_0^2=\frac{\omega^2}{2c^2\mu_0}A_0^2

電場や磁場が運ぶ運動量流の密度(単位時間あたり、単位面積あたり)は \bm S/c であり、 その大きさは光の場合 w に等しい。

空間中の運動量密度(単位体積あたり)は |\bm S/c^2|=w/c となる。この、

(運動量)=(エネルギー)/c

という関係は、量子力学でも保たれる。

当然のことながら、このように波動として表わされた光のエネルギーや運動量は振幅 A_0 E_0, B_0 の2乗に比例して連続的な値を取りうる

質問・コメント





*1 以下の説明は実際には「相対論以前」の光の説明になっているが、通常我々が扱う問題においては相対論とも矛盾しない。

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