asyncを使った非同期メソッドの実装 の変更点

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[[公開メモ]]

#contents

* Run ボタンを押している間動作を繰り返す [#x86ee113]

フォームにボタンスタイルのチェックボックスと、結果表示用のリストボックスを配置し、
ボタンを押すと、もう一度押して解除するまでリストボックスにテキストを
追加し続けるアプリケーションを作ってみます。

やりたいことは次のコードのようなことですが、
このような安易なコードではリストボックスにテキストを表示し続けている間に
ボタンの押下を検出できないため、アプリケーションがデッドロックしてしまいます。

 LANG:c#
 // これではうまく動かない
 private void checkBox1_CheckedChanged(object sender, EventArgs e)
 {
     if (!checkBox1.Checked)
         return;
 
     var i = 0;
     while (checkBox1.Checked) {                     // ボタンが解除されるまで
         listBox1.Items.Insert(0, (i++).ToString()); //   1行追加して
         Task.Delay(100).Wait();                     //   100ms 待つ
     }                                               // を繰り返す
 
     // ボタンが解除されたら stop を追加する
     listBox1.Items.Insert(0, "*** stop ***");
 }

昔ながらの方法であれば while 内で Application.DoEvents() 
を呼んでお茶を濁したり、

- ボタンが押されたらスレッドを起動
- サブのスレッド内からは listBox にアクセスできないためWindowsメッセージでやりとりする
- もう一度ボタンが押されたらスレッドを止める

などとしそうなところですが、async, await, Invoke などを使うことで
上記の安易なコードそっくり(?)のコードを問題なく動かせました。

 LANG:c#
 private async void checkBox1_CheckedChanged(object sender, EventArgs e)
 {
     if (!checkBox1.Checked)
         return;
 
     // スレッドを起動し、以降のコードを実行する前に呼び出し元へ戻る
     await Task.Run(()=>{
         var i = 0;
         // checkBox1.Checked を確認するのに Invoke を通す
         while ((bool)Invoke(new Func<bool>(() => checkBox1.Checked))) {
             // listBox1 にテキストを追加するのに Invoke を通す
             Invoke(new Action(() => {
                 listBox1.Items.Insert(0, (i++).ToString());
             }));
             Task.Delay(100).Wait();
         }
     });
 
     // 以下はサブスレッドから戻った後にメインスレッドの
     // コンテキストで実行されるため Invoke は必要ない
     listBox1.Items.Insert(0, "*** stop ***");
 }

ミソとなるのは、
+ 内部で await するメソッドには async を付けておく
+ await Task.Run() によりサブスレッドを作成し実行
+ async メソッドからはサブスレッドを起動した直後に呼び出し元に戻る
+ サブスレッドからメインスレッド上のコントロールにアクセスするためには Invoke を利用する
+ await から戻った後のコードはメインスレッドで実行されるので、
Invoke を使わずにコントロールにアクセス可能

というところになります。

5. が無ければ await Task.Run() の部分を new Thread(()=>{...}).Start() 
としても同じことなので、上記の説明はちょっと冗長なのですが、、、
GUI がらみの非同期処理を書くときの参考になれば、ということで。

* 以下はオフトピック [#r300fd10]

** Invoke を呼ぶ呪文 [#i08157d7]

"(bool)Invoke(new Func<bool>( ()=>... ))" や "Invoke(new Action( ()=>{...} ));" 
が冗長と思う場合には、Form の内部で

 LANG:c#
 T Invoke<T>(Func<T> func) { return (T)base.Invoke(func); }
 void Invoke(Action action) { base.Invoke(action); }

としておけば、それぞれ単純に 
"Invoke(()=>...)" や "Invoke(()=>{...});" で済むようになります。

 LANG:c#
         while ( Invoke(() => checkBox1.Checked) ) {
             // listBox1 にテキストを追加するのに Invoke を通す
             Invoke(() => {
                 listBox1.Items.Insert(0, (i++).ToString());
             });
             Task.Delay(100).Wait();
         }

各 Form に上記定義を加えるのが面倒と思えば、

 LANG:c#
 public static class ControlInvokeExtensions
 {
     public static T Invoke<T>(this Control c, Func<T> func)
     { 
         return (T)c.Invoke(func);
     }
 
     public static void Invoke(this Control c, Action action)
     {
         c.Invoke(action);
     }
 }

のように拡張メソッドを定義することでメンバー関数を用意する必要がなくなるのですが、
これだと "this.Invoke(()=>...)" や "this.Invoke(()=>{...});" のように
"this." を付けて呼ぶことになりますね。。。

** チェックボックスをトグルボタンとして使う [#j69345a5]

C# の Button にはトグル動作のためのプロパティがありません。

代わりに、

 LANG:c#
 checkBox1.Appearance = System.Windows.Forms.Appearance.Button;
 checkBox1.TextAlign = System.Drawing.ContentAlignment.MiddleCenter;
 checkBox1.UseVisualStyleBackColor = true;

とすることでトグル動作するボタンを作れるので、
こちらを使うことが推奨されているようです。

* コメント [#od9a35a8]

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