無料ソフト・サービスを使って複数PCで情報を共有

(5420d) 更新


公開メモ

お断り

以下はだれでも無料で利用できるサービスの紹介になっていますが、 それらの多くは商用サービスです。

私はこれらのサービスを提供している会社との個人的なつながりは無く、 あくまで便利なツールを探す利用者の視点で有用と感じた事実を述べて いるものです。

これらのサービスの広告を行う意図の無いことをお断りしておきます。

目的

無料のソフトやWebサービスを利用して、 複数のPC上の情報を共有し、どのPCからでも 最新の情報にアクセス可能な環境を作りたい。

共有したい情報:

  • 受信メール
  • アドレス帳(メール)
  • カレンダー
  • TODO
  • ブックマーク(Web)
  • メモ情報(Webクリップ・覚書)

解決すべき問題

普段から仕事に使うPCには、 自分で作成した文書ファイルや測定データなどのほか、 受け取ったメールや予定表情報(カレンダーやTODOリスト) などの情報がどんどん蓄積されていきます。

これらの情報は普通、そのPC内部のハードディスクに 保存されているため、自宅や実験室などで他のPCを使って 作業していると、普段当たり前のように参照する情報に 手が届かず、歯がゆい思いをすることが良くあります。

ワープロ文書や測定データなど、 ファイルの形で保存されている情報は、 USBスティックやリムーバブルディスクに入れて 持ち歩くこともできますし、 Windowsのフォルダ共有機能や、 ftp あるいは SSH によるファイル転送機能を 使うことで、インターネット経由で取り寄せることも 可能です。

これに対して、ブラウザのブックマークや、 予定表情報(カレンダーやTodoリスト)、 メールソフトのアドレス帳などは、 複数PCで情報を共有することが難しいです。

これは、これらの情報が文書ファイルの形で 保存されているものでないことが1つの理由ですが、 より本質的な問題はこれらの情報の更新頻度が非常に 高いことにあります。

たとえば、あるPCでアドレス帳に新しいアドレスを 登録した後、この変更を反映しないまま、別のPCの アドレス帳に他のアドレスを登録してしまうようなことが 頻繁に起こります。

そうなると、もはや一方のアドレス帳でもう一方を 上書きするというような簡単な方法では最新の情報を 両方のPCで共有することができなくなってしまうわけです。

解決法:データを常にサーバー上に置いておく

このように頻繁に変更を受けるデータを複数PCで共有するためには、 データそのものを1つのサーバに置いて、各PCからはそのサーバの 情報を参照・変更する形が最適です。

最新のフリーソフトウェアや無料のWebサービスを組み合わせることで、 そのような使い方が簡単にできるようになりました。

具体的に、私は下記の組み合わせを使っています。

これらは、[使用ソフト] ⇔ [Webサービス] の形で書いてあります。

使用ソフトにはアドオン(機能拡張)を追加しなければならない場合があり、 その場合には、[メインのソフト] + [機能拡張] の形で書いてあります。

以下でこれらについて詳しく説明します。

個々の詳しい情報

受信メール

一般的に使われているほとんどのメールサーバは、POP3 と呼ばれる形式で メールソフト(メーラー)と通信を行っています。

このようなサーバー(POP3 サーバー)では、サーバーはメーラーでメールを受信するまで 一時的にメールを保管しますが、受信後はサーバーからメールが消えてしまいます。

したがって、あるPCでメールを受信してしまうと、他のPCからサーバーにアクセス したときにはすでにサーバーにメールは無く、メールを読むことができません。

メーラーには、「受信後もメールをサーバーに残す」設定ができるものがあり、 この設定をONにしておけば、同じメールを複数のPCへダウンロードすることが できます。しかし、いつかサーバーからメールを消さないと、 サーバーにはどんどんメールが溜まっていくことになります。

もともとPOP3サーバーはこのような使い方(サーバーに多数のメールをためておく) を想定して作られていませんので、数百通もメールが溜まってしまうと、サーバーに 非常に大きな負担がかかり、場合によっては同じサーバーを使う他のユーザーを 巻き込んで、サーバーの不具合を起こしてしまうようなことが起こってしまいます。

これに対して、IMAP という形式でメーラーとやり取りする、新しいタイプのメール サーバーが考案されました。

この IMAP 形式のサーバーは、もともとメールをすべてサーバーに置いておき、 必要に応じてダウンロードして読む使い方を想定して作られたもので、サーバー 上に何万通のメールがあろうが軽快に動作するのは当然として、サーバー上に 複数のフォルダを作成して、メールを分類するような機能も持っています。

Microsoft の Outlook や Mozilla の Thunderbird はこの IMAP 形式の サーバーに対応しているため、POP3 ではなく IMAP 形式のサーバーを使うだけで、 複数PCで受信メールを共有したいという目的は、フォルダ分けなどの状態も 含めて完全な形で実現可能です。

ただ、今でも多くのメールサーバーは POP3 形式しか受け付けませんので、 自分で IMAP 形式のメールサーバーを立ち上げられる人以外は、この恩恵を 受けるのが難しいのがこれまででした。(私自身、しかたなく自分の 管理するサーバにIMAPサーバーを立てて利用していました)

ところが、最近 Google Mail が IMAP に対応しため、誰でも気軽に IMAP によるメール管理が可能になったのだそうです。

Thunderbirdを究極のGmail IMAPクライアントにする:
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0805/14/news112.html

設定方法などは上記のリンクをたどればそれほど難しくなく できると思います。

リンク:

アドレス帳

Thunderbird に Addressbooks Synchronizer というプラグインを入れると Thunderbird 上のアドレス帳情報を IMAP サーバーの特定フォルダに 保存することができます。

Addressbooks Synchronizer

設定は以下の手順で行います。

  1. [ツール]-[アドオン] から Addressbooks Synchronizer を選択します。
  2. [同期] タブの下部で [IMAP] タブを選択します
  3. [IMAP フォルダと同期] ラジオボタンをチェックします
  4. [IMAP フォルダ] で、アドレス帳情報を格納する IMAP フォルダを選択します
    事前に、適当な名前のフォルダを作成しておくと良いです
  5. [起動時に自動ダウンロード], [終了時に自動ダウンロード] は外しておいた方が無難です
  6. [タイマーによるダウン・アップロード] で適当な時間間隔を指定します
  7. [設定] タブにて [常にステータスバーを使用する] を選ぶと、余計なメッセージが出ません

カレンダー

まずは Google Calender にアカウントを取ります。

Google Calender 使いこなし! - mediologic.com/blog
http://www.mediologic.com/weblog/archives/001068.html

あたりが参考になります。

祝日の表示

Google Calendar のページの左下に [他のカレンダー] というのがあって、 ここから [追加]-[公開のカレンダー]-[一覧から探す] として、 [日本の祝日] を追加します。

同様に [月の位相] とか、[天気] とかも入れておくと便利です。

カレンダーに天気予報を表示するには、キーワード検索に [天気] と入れて 出てきた中から自分の興味ある地方の天気を選択します。

Thunderbird の設定

次に、Thunderbird に LighteningProvider for Google Calender をインストールします。

Lightening がインストールされると Thunderbird の左下に画面切り替えのボタンが 出ますので、カレンダーを選択します。

そのままだとカレンダー情報は自分のPCに保存されるだけなので、 以下の手順で Google Calendar と同期するカレンダーを作ります。

  1. [カレンダー]-[新しいカレンダー]
  2. [ネットワークのサーバーに保存する] [次へ]
  3. [Google カレンダー] を選択
  4. [場所] の欄に記入する文字列を得るために、ブラウザで Google Calender にアクセス
  5. 左下の [マイカレンダー] の右の矢印をクリックして [カレンダー設定]
  6. [非公開 URL:] の [XML] の上で右クリックして [リンクのURLをコピー]
  7. Lightening の設定に戻って [場所] に貼り付け
  8. [次へ]
  9. カレンダーに適当な名前と表示色を付けて [次へ]
  10. アカウント情報を聞いてきたら Google に登録したメールアドレスとパスワードを設定

これでカレンダーが作成されます。

祝日情報用のカレンダーも同様にして作れば Lightening 上に表示できます。

元からあったローカルPCに保存するカレンダーは削除してしまってかまいません。

誕生日情報をカレンダーに表示する

MoreFunctionsForAddressBook を使うとアドレス帳に誕生日の欄を追加でき、 ThunderBirthDay を使うとその誕生日を カレンダーにも表示できます。

TODO

Thunderbird + Lightening + Provider for Remember the Milk ⇔ Remember the Milk

以前はこれでうまく行っていたのだけれど、最近 Lightening から Todo を書き換えられなくなってしまいました。何かもっと良い方法があればよいのですが・・・

そもそも Lightening には複数のカレンダーを表示する機能はありますが、

  • Calendar を Google Calendar に
  • Todo は別のサービスに

といった使い分けができるようになっていないみたいです。

Calendar のページで Google Calendar が選ばれていると、 ToDo の入力部分に「このカレンダーでは ToDo を使用できません」の 文字が表示されます。

この点を何とかしないと ToDo は使いにくい感じです。

Webブックマーク

Firefox + Delicious Bookmarks ⇔ Delicious

これは非常にうまく行っています。

ブックマークにタグを付けて整理できるので、数が増えても必要なブックマークにたどり着きやすいです。

メモ情報(Webクリップ・覚書)

Firefox + Googleノートブック機能拡張 ⇔ Google Notebook

これも優れた組み合わせです。

特に、自分でいろいろ書き込むメモに最適です。

Web クリップ用途つまり、有用な情報を含むウェブページの内容を丸ごとor一部保存して おきたいという用途には、Firefox アドオンの ScrapBook も使っています。リンクや Google に頼っていると、 いつかそのページがなくなってしまったときに困るので。


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