5-2 スピン波励起 †
の運動を決める主要部は後半の
のかかった部分であるそうだ。
というのも、その部分がちょうどハミルトニアンなので、当然と言えば当然な感じ。
次の方程式を満たす固有関数を用いることでその部分を対角化できる。
(5.12)
(5.11) で
だった部分が
になっているのは、
であるため。
最低の固有値は
であり、対応する固有関数は
(5.13)
である。
その他の固有値は連続で、パラメータ
を用いて
(5.14)
と表される。対応する固有関数は、
(5.15)
である。
は固有値がゼロであるためゼロモードと呼ばれる。
この
は、定常磁壁解の
を使って、
と書けるという重要な性質を持っている。
というのも、元々
の
依存性は (4.43) で与えられ、
であった。
したがって、
を得る。
他の固有状態はもちろんこのゼロモードと直交している。
まあ、エルミートな線形演算子の異なる固有値に対する固有関数が直交するのは線形代数の基礎的知識な訳だけれど、一応確認する?
実部は奇関数なので見るまでもないとして、
虚部は偶感数なのでゼロから無限大までの積分がゼロになる必要がある。
上記のように、Mathematica に聞く限りはゼロになるらしいけれど、
解析的にやると、
部分積分により、
を
にして、
を
にすると、
確かに答えはゼロになる。
については直交基底をなしている。
で
なので、
この第2項は
で振動するが、これを無視すると正規直交ということらしい。
スピントロニクス理論の基礎/X-3#m357fd20 でやったように、正負の領域に分けた上で別々に
を導入して、最後にゼロに持って行けば第2項もゼロにできるように思うけれど、
このあたりの扱いはまだよく分かっていない。
ゼロモードの正規化 †
が正規化されていないのが気になる。
とすれば正規化できる?
→ というのではなく、内積の定義に
を含めて、
というのが正しいっぽい。
5-3 の (5.18)' を参照。