はじめての誤差論 のバックアップ(No.1)

更新


概要

以下は、筑波大学応用理工学類の1年生向けに開講されている 「物理学実験」という授業のオリエンテーションをかねて 1時間目に学ぶ「誤差論」の部分の教科書原稿です。

当初の執筆者がどなたか、歴代の担当者がどこをどう手直ししてきたかについて あやふやな部分があるのですが、このたび武内が大幅に改訂してまとめました。

2年生以降の学生さんにもぜひ復習してほしいので、ここに上げておこうと思います。

誤差論

 長さ、時間、温度など、どんな物理量を測定する場合でも、種々の要因によって測定には不確かさが含まれ、 測定値は真の値に一致しない。この測定値真値(しんち)との差を誤差と呼ぶ。

(1.1) (誤差) = (測定値) - (真値)

また、誤差と真値との相対誤差と呼び、次元の異なる物理量の不確かさを比較したり、乗除算による誤差の伝播(でんぱ)を議論する際に用いられる。

(1.2) (相対誤差) = (誤差) / (真値) \sim ( 誤差) / (測定値)

相対誤差との混同を避けるため、式1.1で定義される誤差を絶対誤差と呼ぶこともある。

測定値に含まれる誤差の大きさを正しく見積もることは大変重要である。しかし、実際には真の値は分からないから、正確な誤差の大きさも分からない。そこで、誤差を評価するには測定値から真の値を推定し、また、誤差の大きさを推定することになる。


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