線形代数I/教科書問/1.6 のバックアップ(No.5)

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問1.6

R^3 の原点を通る平面状に2組の基底 \bm{a}_1,\bm{a}_2;\bm{b}_1,\bm{b}_2 をとる。

\bm{b}_1=b_{11}\bm{a}_1+b_{12}\bm{a}_2

\bm{b}_2=b_{21}\bm{a}_1+b_{22}\bm{a}_2

と表すとき、行列 \left[\begin{array}{cc}b_{11}&b_{12}\\b_{21}&b_{22}\end{array}\right] は 逆行列を持つことを示せ。

回答

与式を変形し、行列が逆行列を持たない場合、つまり b_{11}b_{22}-b_{21}b_{12}= 0 のときに \bm{b}_1,\bm{b}_2 が線形従属となり、基底を為すとした仮定と矛盾することを導く。

(1) b_{11}\ne 0 のとき、

\bm{a}_1= (1/b_{11})\bm{b}_1 - (b_{12}/b_{11})\bm{a}_2

\bm{b}_2=(b_{21}/b_{11})\bm{b}_1 - (b_{21}b_{12}/b_{11})\bm{a}_2 +b_{22}\bm{a}_2

(b_{11}b_{22}-b_{21}b_{12})\bm{a}_2=-b_{21}\bm{b}_1+b_{11}\bm{b}_2

となり、 b_{11}b_{22}-b_{21}b_{12}= 0 のときこの式は

-b_{21}\bm{b}_1+b_{11}\bm{b}_2=\bm{o}

で、 \bm{b}_1,\bm{b}_2 が一次従属であることを示す。

(2) b_{11}=0 のとき、

\bm{b}_1=b_{12}\bm{a}_2

さらに場合分けして、(2.1) b_{12}\ne 0 のとき、

\bm{b}_2=b_{21}\bm{a}_1+(b_{22}/b_{12})\bm{b}_1

b_{21}b_{12}\bm{a}_1=b_{12}\bm{b}_2-b_{22}\bm{b}_1

となる。

ここで b_{11}b_{22}-b_{21}b_{12}= 0 と置くと、 b_{11}=0 より b_{21}b_{12}= 0 となって、

b_{12}\bm{b}_2-b_{22}\bm{b}_1=\bm{o}

が導かれる。

(2.2) b_{12}= 0 のとき、 \bm{b}_1=\bm{o} となるが、 ゼロベクトルを含むベクトルの組は明らかに線形従属となる。

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