三次元空間での散乱現象 のバックアップ差分(No.8)

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* 概要 [#p54b4c9c]

#contents

* 三次元空間での散乱現象 [#u8667d1b]

実験的に意味のある散乱現象は、静止した粒子に高速で別の粒子が衝突するような過程である。
そのような物理現象を理論的に扱うには重心座標を用いて2粒子の相対運動を記述するのが常套手段となる。
静止した粒子に別の粒子が高速で衝突する過程((加速器などによる素粒子物理学や、放射線による健康被害などに現れる物理現象である))を理論的に扱うには、
重心座標を用いて2粒子の相対運動を記述するのが常套手段となる。
なぜなら静止していた粒子も反跳により動き出すためである。

ここではそのような問題を単純化して、静的で局所的なポテンシャル &math(V(\bm r)); に粒子が入射し、
散乱されるような現象を考える。
ここではそのような問題を単純化して、___静的で局所的な___ポテンシャル &math(V(\bm r)); に粒子が入射し、
散乱される現象を考える。
これは、非常に軽い粒子が重い粒子の作るポテンシャルに散乱される場合の近似となる。
→ 反跳を無視するということ

ポテンシャルは局所的であるから遠く離れた位置では粒子は自由運動する。
入射粒子はそのような遠方において運動量が確定しており、すなわち平面波で表されるとする。
ポテンシャルが局所的と見なせるとき、遠く離れた位置において粒子は自由である。
入射粒子はそのような遠方において運動量が確定しており、すなわち平面波で表されるとしよう。

 &math(\psi_I(\bm r,t)=e^{i(\bm k_0\cdot\bm r-\omega_0t)});

粒子の流量が少ない極限では、散乱波の振幅は入射波の振幅に比例するから、
そのような極限においては入射波の振幅は任意に取ってよい。そこでここでは振幅を1とした。
1粒子問題では散乱波の振幅は入射波の振幅に比例するから、
入射波の振幅を1として計算し、必要に応じて後から振幅をかければよい。

標的となるポテンシャルにより散乱された波は、1次元の場合と異なり標的から3次元的に広がる。
散乱された波は、反射と透過だけ考えれば良かった1次元の場合とは異なり標的から3次元的に広がる。

散乱による入射波以外の成分、つまり散乱波および入射波の減衰を表す波動関数を 
&math(g(\bm r)); とすれば、入射波と散乱波とを合わせた全体としての波動関数は
波動関数が入射波と散乱波からなるとして、後者を &math(g(\bm r,t)); と置けば、

 &math(\psi(\bm r,t)=e^{i\bm k_0\cdot\bm r}+g(\bm r,t));
 &math(\psi(\bm r,t)=e^{i(\bm k_0\cdot\bm r-\omega_0t)}+g(\bm r,t));

のように書ける。
時間を含むシュレーディンガー方程式は

解くべきシュレーディンガー方程式は

 &math(i\hbar\frac{\PD}{\PD t}\psi(\bm r,t)=\left\{-\frac{\hbar^2}{2m}\nabla^2+V(\bm r)\right\}\psi(\bm r,t));

である。定常的な粒子の流れが実現している状況では波動関数の絶対値は時間によらないから、
定常状態についてのシュレーディンガー方程式と同様に変数分離を行い、
であるが、定常的な粒子の流れが実現している状況では確率分布が時間によらないから、

 &math(\left\{-\frac{\hbar^2}{2m}\nabla^2+V(\bm r)\right\}\varphi(\bm r)=\varepsilon\varphi(\bm r));

を解けばよいことになる。
を解けばよい。

* ボルン近似 [#p81b7a92]

ボルン近似では散乱ポテンシャル &math(V(\bm r)); が小さく、
そのため散乱波 &math(g(\bm r)); も小さいものとし、それらの低次の項のみを残して議論を行う。
上式に &math(\varepsilon=\frac{\hbar^2k_0^2}{2m}); を代入すれば、

上記のシュレーディンガー方程式に波動関数を代入して整理すれば、
 &math(
\frac{\hbar^2}{2m}\Big(\nabla^2-k_0^2\Big)\varphi(\bm r)=V(\bm r)\varphi(\bm r)
);

 &math(\left\{-\frac{\hbar^2}{2m}\nabla^2+V(\bm r)-\varepsilon\right\}\left\{e^{i\bm k_0\cdot\bm r}+g(\bm r)\right\}=0);
ボルン近似では散乱ポテンシャル &math(V(\bm r)); が小さく、
そのため散乱波 &math(g(\bm r)); も小さいものとして、
右辺に現れる積 &math(V(\bm r)g(\bm r)); を無視する。
当然得られる解は不正確になるが、問題が解きやすくなる。

このうち2次の微小量となる &math(V(\bm r)g(\bm r)); を落とせば、

 &math(
\left(\frac{\hbar^2}{2m}\nabla^2+\varepsilon\right)g(\bm r)=\left\{\frac{\hbar^2}{2m}k_0^2+V(\bm r)-\varepsilon\right\}e^{i\bm k_0\cdot\bm r}
\frac{\hbar^2}{2m}\Big(\nabla^2-k_0^2\Big)
\big\{\underbrace{e^{i\bm k_0\cdot\bm r}\rule[-4pt]{0pt}{0pt}}_{消える}+g(\bm r)\big\}=V(\bm r)e^{i\bm k_0\cdot\bm r}
);

&math(\varepsilon=\frac{\hbar^2k_0^2}{2m}); を代入すれば、

 &math(
\frac{\hbar^2}{2m}\left(\nabla^2+k_0^2\right)g(\bm r)=V(\bm r)e^{i\bm k_0\cdot\bm r}
\frac{\hbar^2}{2m}\Big(\nabla^2-k_0^2\Big)g(\bm r)=V(\bm r)e^{i\bm k_0\cdot\bm r}
);

となって、左辺の &math(g(\bm r)); が未知の関数、
左辺の &math(g(\bm r)); が求めるべき未知の関数、
右辺は既知の関数である。

* グリーン関数 [#i189bfd3]

上記のような方程式を解くための便利な方法として、グリーン関数を用いる方法がある。

一般に、ある線形な演算子 &math(\hat L); と既知の関数 &math(f(\bm r)); に対して、
一般に、ある線形演算子 &math(\hat L); と既知の関数 &math(f(\bm r)); に対して
次式を満たす &math(g(\bm r)); を求める問題において、

 &math(\hat L g(\bm r)=f(\bm r));

を満たす &math(g(\bm r)); を求めたい場合、もし
代わりに次式を満たす「グリーン関数」((George Green は19世紀のイギリスの物理学・数学者の名前 → [[Wikipedia:ジョージ・グリーン]])) &math(G(\bm r)); を___適切な境界条件のもとで___求められれば、

 &math(\hat L G(\bm r)=\delta^3(\bm r));
 &math(\hat L G(\bm r)=\delta^3(\bm r)=\delta(x)\delta(y)\delta(z));

となるような関数 &math(G(\bm r)); を適切な境界条件のもとで求められれば、
元の方程式の解 &math(g(\bm r)); を、
元の方程式の解 &math(g(\bm r)); は、

 &math(g(\bm r)=\iiint f(\bm r')G(\bm r-\bm r') d\bm r');

と表せる。
として、任意の &math(f(\bm r)); に対して積分のみで求められる。

この &math(g(\bm r)); が元の方程式を満たすことは、

 &math(
\hat L g(\bm r)&=\iiint f(\bm r')\hat LG(\bm r-\bm r') d\bm r'\\
&=\iiint f(\bm r')\delta^3(\bm r-\bm r') d\bm r'\\
&=f(\bm r)
);

として確かめられる。&math(\hat L); は &math(\bm r); の関数に作用する演算子であるから、
&math(\hat L); からすれば &math(\bm r'); や &math(f(\bm r')); 
は単なる定数と見なせることに注意せよ。
として確かめられる。

グリーン関数 &math(G(\bm r)); が求まれば、
任意の &math(f(\bm r)); に対する解を微分方程式を解くことなく、
積分だけで求められることになる。
* 散乱現象におけるグリーン関数 [#vef9ba03]

* 3次元の散乱現象のグリーン関数 [#vef9ba03]

 &math(G(\bm r)=-\frac{1}{4\pi}\frac{e^{ik_0 r}}{r}\hspace{1.5cm}\left(\ne-\frac{1}{4\pi}\frac{e^{i\bm k_0\cdot\bm r}}{r}\right));

と置けば、この関数が

 &math(
\left(\nabla^2+k_0^2\right)G(\bm r)=\delta^3(\bm r)
);

を満たすことを確かめよう。

&math(r); の関数に対して、&math(\frac{\PD}{\PD x}=\frac{\PD r}{\PD x}\frac{d}{dr}=\frac{x}{r}\frac{d}{dr}); であることに注意して、
&math(r); の関数に対して、

 &math(\frac{\PD}{\PD x}=\frac{\PD r}{\PD x}\frac{d}{dr}=\frac{x}{r}\frac{d}{dr}); 

であることなどに注意して、

 &math(\frac{\PD}{\PD x}\frac{e^{ik_0r}}{r}=\frac{x}{r}\left(\frac{ik_0e^{ik_0r}}{r}-\frac{e^{ik_0r}}{r^2}\right));

 &math(
\frac{\PD^2}{\PD x^2}\frac{e^{ik_0r}}{r}=\left[\frac{ik_0e^{ik_0r}}{r^2}-\frac{e^{ik_0r}}{r^3}\right]
+\frac{x^2}{r}\left[\frac{-k_0^2e^{ik_0r}}{r^2}-\frac{2ik_0e^{ik_0r}}{r^3}-\frac{ik_0e^{ik_0r}}{r^3}+\frac{3e^{ik_0r}}{r^4}\right]
+\frac{x^2}{r}\left[\frac{-k_0^2e^{ik_0r}}{r^2}\underbrace{-\frac{2ik_0e^{ik_0r}}{r^3}-\frac{ik_0e^{ik_0r}}{r^3}}+\frac{3e^{ik_0r}}{r^4}\right]
);

 &math(
\nabla^2\frac{e^{ik_0r}}{r}&=\cancel{\frac{3ik_0e^{ik_0r}}{r^2}}-\cancel{\frac{3e^{ik_0r}}{r^3}}
+\cancel{\frac{x^2+y^2+z^2}{r^2}}\left[\frac{-k_0^2e^{ik_0r}}{r}-\cancel{\frac{3ik_0e^{ik_0r}}{r^2}}+\cancel{\frac{3e^{ik_0r}}{r^3}}\right]\\
&=-k_0^2\frac{e^{ik_0r}}{r}
);

したがって、&math(\frac{e^{ik_0r}}{r}); が微分可能な、原点以外においては、
したがって、&math(\frac{e^{ik_0r}}{r}); が微分可能な点において、すなわち原点以外において、

 &math(
\left(\nabla^2+k_0^2\right)G(\bm r)=0
);  (&math(r\ne 0);)
);

であり、この関数がデルタ関数であることと矛盾しない。

これを用いると、
一方で、

 &math(
I&=\iiint\left(\nabla^2+k_0^2\right)\frac{e^{ik_0r}}{r}d\bm r\\
&=\int_0^\infty 4\pi r^2\left(\nabla^2+k_0^2\right)\frac{e^{ik_0r}}{r}dr\\
&=\lim_{\delta\to +0}\int_0^\delta 4\pi r^2\left(\nabla^2+k_0^2\right)\frac{e^{ik_0r}}{r}dr\\
);

&math(r\to 0); において &math(e^{ik_0r}\to 1); であるから、

 &math(
I&=\lim_{\delta\to +0}\int_0^\delta 4\pi r^2\left(\nabla^2+k_0^2\right)\frac{1}{r}dr\\
&\iiint\left(\nabla^2+k_0^2\right)\frac{e^{ik_0r}}{r}d\bm r\\
&=\lim_{\delta\to +0}\int_0^\delta 4\pi r^2\left(\nabla^2+k_0^2\right)\frac{e^{ik_0r}}{r}dr\hspace{2cm}(被積分関数は原点以外でゼロ)\\
&=\lim_{\delta\to +0}\int_0^\delta 4\pi r^2\left(\nabla^2+k_0^2\right)\frac{1}{r}dr
\hspace{2.5cm}(r\to 0 で e^{ik_0r}\to 1)\\
&=\lim_{\delta\to +0}\int_0^\delta 4\pi r^2\bm\nabla\cdot\Big(\bm\nabla\frac{1}{r}\Big)dr
+\lim_{\delta\to +0}\int_0^\delta 4\pi k_0^2r\,dr\\
+\underbrace{\lim_{\delta\to +0}\int_0^\delta 4\pi k_0^2r\,dr}_{=0}\\[-4mm]
&=\int_S \Big(\bm\nabla\frac{1}{r}\Big)\cdot\bm n\,dS
+\underbrace{\lim_{\delta\to +0}\left[2\pi k_0^2r^2\right]_0^\delta}_{=\,0}\\
&=\int_S -\frac{\bm r}{r^3}\cdot\bm n\,dS\\
&=\int_S -\frac{\bm n\cdot\bm n}{r^2}\,dS\\
&= -\frac{1}{r^2}\cdot 4\pi r^2\\
\hspace{4.7cm}(Sは原点中心の微小球面)\\
&=\int_S -\frac{\bm r}{r^3}\cdot\frac{\bm r}{r}\,dS\\
&=\int_S -\frac{1}{r^2}\,dS\\
&=\lim_{r\to +0} \left(-\frac{1}{r^2}\cdot 4\pi r^2\right)\\
&=-4\pi
);

したがって、

 &math(
\left(\nabla^2+k_0^2\right)G(\bm r)=\delta^3(\bm r)
);

が確かめられた。

* 散乱源から遠い個所での振幅 [#n42a9aab]

上で求めた &math(G(\bm r)); を用いれば、

 &math(
g(\bm r)=-\frac{1}{4\pi}\frac{2m}{\hbar^2}\iiint\frac{e^{ik_0|\bm r-\bm r'|}}{|\bm r-\bm r'|}V(\bm r')e^{i\bm k_0\cdot\bm r'}d\bm r'
);

と表せる。

さらに、&math(V(\bm r)); が原点から近くにしか値を持たず、
その散乱源から遠い個所での振幅を求める場合には、
&math(r'\ll r); を仮定してよいから、&math(r'/r); の1次までの近似において、
&math(r'\ll r); を仮定してよいから、

 &math(
|\bm r-\bm r'|=&\sqrt{(\bm r-\bm r')\cdot(\bm r-\bm r')}\\
=&\,\sqrt{r^2-2\bm r\cdot\bm r'-r'^2}\\
=&\,\sqrt{r^2-2\bm r\cdot\bm r'+r'^2}\\
=&\,r\sqrt{1-\frac{2\bm r\cdot\bm r'}{r^2}-\cancel{\frac{r'^2}{r^2}}}\\
\simeq&\,r\left(1-\frac{\bm r\cdot\bm r'}{r^2}\right)\\
);

 &math(
\frac{1}{|\bm r-\bm r'|}\simeq \frac{1}{r}\left(1+\frac{\bm r\cdot\bm r'}{r^2}\right)\simeq\frac{1}{r}\\
);

このとき、

 &math(
g(\bm r)=&-\frac{1}{4\pi}\frac{2m}{\hbar^2}\iiint\frac{e^{ik_0\{r-(\bm r/r)\cdot\bm r'\}}}{r}V(\bm r')e^{i\bm k_0\cdot\bm r'}d\bm r'\\
=&-\frac{1}{4\pi}\frac{2m}{\hbar^2}\frac{e^{ik_0 r}}{r}\iiint V(\bm r')e^{ik_0(\bm k_0/k_0-\bm r/r)\cdot\bm r'}d\bm r'
=&-\frac{1}{4\pi}\frac{2m}{\hbar^2}\frac{e^{ik_0 r}}{r}\underbrace{\iiint V(\bm r')e^{ik_0(\bm k_0/k_0-\bm r/r)\cdot\bm r'}d\bm r'}_{\bm rの方向\bm r/rのみに依存する関数}
);

#ref(scattering_direction.png,right,around,15%);

右辺の積分は &math(\bm r); の方向 &math(\bm r/r); のみに依存する関数となった。

散乱問題では入射波方向 &math(\bm k_0); を軸に、散乱方向 &math(\bm r); 
を球座標を用いて表すと、&math(\theta,\phi); がそのまま散乱角を表すため便利である。

このとき、

 &math(
g(\bm r)=&-\frac{1}{2\sqrt\pi}\frac{e^{ik_0 r}}{r}f(\theta,\phi)
g(\bm r)=&\frac{e^{ik_0 r}}{r}f(\theta,\phi)
);

と書けることになる。

* 散乱断面積 [#o36d97c5]

* ボルン近似(再) [#tde77db0]
&math(
\frac{e^{ik_0 r}}{r}
); は原点から &math(1/r); で減衰しながら___等方的に___広がる球面波である。

比較すると、&math(|f(\theta,\phi)|^2); は原点から広がる波の振幅の___非等方性___を表している。

単位面積・単位時間あたりの流量の &math(r); 方向成分は、

 &math(
S_{gr}
&=\mathrm{Re}\left[g^*(r,\theta,\phi)\frac{\hbar}{im}\frac{\PD}{\PD r}g(r,\theta,\phi)\right]\\
&=\mathrm{Re}\left[\frac{\hbar}{im}\frac{1}{r}\left(-\cancel{\frac{1}{r^2}}+\frac{ik_0}{r}\right)|f(\theta,\phi)|^2\right]\\
&=\frac{\hbar k_0}{mr^2}|f(\theta,\phi)|^2\\
&=\frac{S_I}{r^2}|f(\theta,\phi)|^2\hspace{2cm}(S_I は入射波の流量)\\
);

である。これが &math(\bm r); に置かれた検出器で検出される単位時間あたりの粒子の検出確率に相当する。

この流量を半径 &math(r); の球面で積分すると、

 &math(
I_g&=\int_S S_g\cdot\bm n dS\\
&=\iint\frac{S_I}{\cancel{r^2}}|f(\theta,\phi)|^2\cdot\cancel{r^2}\sin\theta\,d\phi\,d\theta\\
&=S_I\cdot \underbrace{\iint|f(\theta,\phi)|^2\sin\theta\,d\phi\,d\theta}_{\sigma^\mathrm{total}}\\
);

のように &math(r); によらない定数となり、
これが散乱波全体の___単位時間あたりの流量___である。

&math(S_I); は入射波の___単位時間、単位面積あたりの流量___であるから、
&math(\sigma^\mathrm{total}); は面積の次元を持ち、「散乱断面積」と呼ばれる。

入射波のうち、この面積に当たった分に相当する流量だけが散乱波となったと解釈するのである。

また、&math(\sigma^\mathrm{total}); の被積分関数

 &math(
\sigma(\theta,\phi)=|f(\theta,\phi)|^2
=\left(\frac{m}{2\pi\hbar^2}\right)^2\left|\iiint V(\bm r')e^{ik_0(\bm k_0/k_0-\bm r/r)\cdot\bm r'}d\bm r'\right|^2
);

は「微分散乱断面積」あるいは単に「微分断面積」と呼ばれる。

* 質問・コメント [#xf504836]

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