量子力学Ⅰ/平均場近似 のバックアップ差分(No.1)
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[[量子力学Ⅰ]] * 平均場近似による1体問題化 [#gab67a11] 前述のように1粒子状態を複数集めて多粒子状態を作るためには、 「粒子間の相互作用がないこと」を仮定しなければならない。 しかし、それでは興味のある問題は1つも解けないことになってしまう。 そこで、「擬似的に相互作用をなくすため」他の粒子との相互作用を平均化して、 ポテンシャル &math(V); に含めてしまう平均場近似が行われる。 * ハートリーの方法 [#i288001d] 粒子間の相互作用が2体相互作用の重ね合わせで書けるとすれば、 多体問題のポテンシャルは次のように表せる。 &math( V(\bm r_1,\bm r_2,\dots,\bm r_n)= \underbrace{\sum_{j=1}^n V_j(\bm r_j)}_{1粒子ポテンシャル}+ \underbrace{\sum_{j=1}^n\sum_{k=j+1}^n V_{j,k}(\bm r_j,\bm r_k)}_{2粒子ポテンシャル} ); 例えば粒子 &math(j); の感じるポテンシャルは他の粒子の位置により変化するのであるが、 これを "平均場" で置き換えよう。 &math( v_j(\bm r_j) &=V_j(\bm r_j)+\sum_{k\ne j} V_{j,k}(\bm r_j,\bm r_k)\\ &\sim V_j(\bm r_j)+\sum_{k\ne j} \overline{ V_{j,k}(\bm r_j)}\\ ); ただし、 &math(\overline{ V_{j,k}(\bm r_j)}=\int V_{j,k}(\bm r_j,\bm r_k)\,|\varphi_k(\bm r_k)|^2\,d\bm r_k); であり、 この &math(v_j(\bm r_j)); に対する「1体問題のシュレーディンガー方程式」を解いた解を &math(\varphi_j(\bm r_j)); としている。 &math( \left[-\frac{\hbar^2}{2m_j}\nabla_{r_j}^2+v_j(\bm r_j)\right]\varphi_j(\bm r_j)=\varepsilon_j\varphi_j(\bm r_j) ); &math(v_j(\bm r_j)); を求めるのに &math(\varphi_j(\bm r_j)); が必要で、~ &math(\varphi_j(\bm r_j)); を求めるのに &math(v_j(\bm r_j)); が必要なので、~ この方程式はそのままでは解けない。 始めに適当な &math(v_j(\bm r_j)); を仮定して &math(\varphi_j(\bm r_j)); を求め、~ そこから新しい &math(v_j(\bm r_j)); を求め、、、、などと繰り返して、 「全体としてつじつまの合う(セルフコンシステント)」解 &math(\varphi_j(\bm r_j)); を 得るような手順が必要となる。
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