線形代数I/教科書演習/1A−2 のバックアップの現在との差分(No.1)

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[[線形代数I/教科書演習]]
* 教科書演習1A−2 [#c9320d58]

''問''

&math(R^2); で、&math((a, b)); と &math((c, d)); が1次独立であるための
必要十分条件は &math(ad-bc\ne 0); であることを示せ。

''解答''
* 解答 [#t5837c08]

まず十分であること、つまり &math(ad-bc\ne 0); であれば1次独立であることを示そう。

このために、

&math(ax+by&=0\\cx+dy=0);
&math(ax+by&=0\\cx+dy&=0);

の解、&math((x, y)) を求める。
の解、&math((x, y)); を求める。

&math(a \ne 0); のとき、

&math(x=-(b/a)y); ・・・ ①

であり、これを &math(cx+dy=0); に代入することで

&math(-(bc/a)y+dy=0\\(ad-bc)y=0);
&math(-(bc/a)y+dy&=0\\(ad-bc)y&=0);

を得る。&math(ad-bc\ne 0); よりこれは &math(y=0); を表し、① からすぐに &math(x=0); を得る。

一方、&math(a=0); のとき、&math(ad-bc\ne 0); より &math(bc\ne 0); であり、
すなわち &math(c \ne 0); であるから、

&math(x=-(d/c)y); ・・・ ②~
&math(-(ad/c)y+by=0\\-(ad-bc)y=0);

&math(-(ad/c)y+by&=0\\-(ad-bc)y&=0);

となり、&math(a \ne 0); のときと同様に &math(x=y=0); を得る。

すなわち、&math(ad-bc\ne 0); であれば1次独立であることが示された。

次に必要であること、つまり1次独立であれば &math(ad-bc\ne 0); であることを示そう。
次に必要であることを示すが、ここでは背理法を用いることにする。

つまり1次独立であれば &math(ad-bc\ne 0); であることを示すかわりに、~
&math(ad-bc= 0); であれば1次従属であることを示す。

&math(ax+by&=0\\cx+dy&=0); ・・・ ③

(1) &math(a=0); のとき、

&math(ad-bc= 0); であるならば、&math(a=0); は &math(bc=0); を表す。

(1a) さらに &math(b=0); ならば &math(ax+by=0); は自動的に成立し、
&math(cx+dy=0); を満たすすべての &math((x,y)); は③を満たす。

(1b) &math(b\ne 0); ならば &math(c=0); となり、
&math(y=0); であれば x の値に依らず③が成立する。

(2) &math(a\ne 0); のとき

上で見たとおり、&math(x=-(b/a)y); となるすべての &math((x, y)); は
③を満たす。

すなわち &math(ad-bc= 0); であれば &math((a, b)); と &math((c, d)); は
線形従属であることが示された。

以上により与えられた命題は証明された。

* コメント [#waa3d27b]

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