線形写像の行列表現と階数 のバックアップ(No.11)
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- 線形代数II/線形写像の行列表現と階数 へ行く。
線形写像の行列表現 †
線形写像 を考える。ただし、
すなわち に対して
の基底
の基底
を考えれば、 や の表現を定められる。
これらの関係は図のようになる。
、 、 はそれぞれ線形写像なので、 それらの合成写像である も線形写像となる。
すなわち、 行列 を使って、
と表せる。この行列 を、線形写像 の行列表現と呼ぶ。
$T_{BA}$ の具体的な形 †
を で移した を考えると、 その による表現 は、
として求められる。
ここで現れた は、基底ベクトル の に対する表現で、
&math(\bm a_i &=\begin{pmatrix}\bm a_1&\bm a_2&\dots&\bm a_n\end{pmatrix} \begin{pmatrix}0\\\vdots\\1\\\vdots\\0\end{pmatrix}\begin{matrix}\phantom 0\\\phantom 0\\←\,i\,行目\\\phantom 0\\\phantom 0\end{matrix}\\ &=\begin{pmatrix}\bm a_1&\bm a_2&\dots&\bm a_n\end{pmatrix}\bm a_{iA} );
より、
&math( \bm a_{iA} =\begin{pmatrix}0\\\vdots\\1\\\vdots\\0\end{pmatrix}\begin{matrix}\phantom 0\\\phantom 0\\←\,i\,行目\\\phantom 0\\\phantom 0\end{matrix} );
したがって、 と置くと、
すなわち、
&math(T_{BA}= \begin{pmatrix}T(\bm a_1)_B&T(\bm a_2)_B&\dots&T(\bm a_n)_B\end{pmatrix} );
線形写像の行列表現は、
元となる空間の基底ベクトルに線形写像を施して、
先となる空間の基底で表現したものを列ベクトルとする。
基底の変換行列との関係 †
先にやった基底の変換行列 は、 上記 を恒等変換 に置き換えた形と等しい( )
すなわち、
行列表現の基底変換 †
から あるいは から といった基底の変換を考える。
&math( &\bm y_B=T_{BA}\bm x_A\\ &\phantom{\bm y_B}=T_{BA'}\bm x_{A'}\\ &\bm x_A=P_{A\to A'}\bm x_{A'} より、\\ &T_{BA'}=T_{BA}P_{A\to A'} ); &math( &\bm y_B=T_{BA}\bm x_A\\ &\bm y_{B'}=T_{B'A}\bm x_A\\ &\bm y_B=P_{B\to B'}\bm y_{B'} より、\\ &T_{B'A}=(P_{B\to B'})^{-1}T_{BA} );
両者を合わせると、
特に、 すなわち「線形変換」であるときは なので、このとき と書けば、
すなわち、 と とは 線形代数I で学んだ 「相似」の関係にあることになる。
と、
&math( \bm y_{A'}&=T_{A'}\bm x_{A'}\\ &=\underbrace{(P_{A\to A'})^{-1}}_{P_{A'\to A}}\ \underbrace{T_A\ \underbrace{(P_{A\to A'})\bm x_{A'}}_{\bm x_A}}_{\bm y_A});
とを見比べて理解したい。
トレース、行列式、固有値 †
相似な行列 では、
- トレース:
- 行列式:
- 階数:
- 固有方程式:
が等しくなることを1年生で学んだ。
すなわち線形変換 を定めれば、基底を指定しなくてもこれらの値が定まることになる。
したがって、線形変換の トレース 、デターミナント 、 階数 、固有値 を具体的な基底を与えることなく定義できる。
線形写像の階数と行列表現の階数 †
という定義と
(ただし
は適当な基底)という定義と、
2つが出てきたが、実は両者は一致する。
証明は時間があれば戻って行うこととして、とりあえず省略。