線形写像・像・核・階数 のバックアップ(No.22)

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写像

通常、関数 f(x) と言えば実数を実数に、あるいは複素数を複素数に変換する規則のことである。 例えば複素関数 f(z)=3z+1 は「 z 3z+1 に変換する」という規則なので、 f によって複素数 1+i f(1+i) =3(1+i)+1 =4+3i に変換される。

この考え方を拡張して、ベクトルをベクトルに変換する関数を考えることができる。

例えば2次元列ベクトルを3次元列ベクトルに変換する関数

  f(\bm x)=\begin{pmatrix}1&0\\0&1\\1&-1\end{pmatrix}\bm x+\begin{pmatrix}1\\2\\3\end{pmatrix}

は、 \bm x=\begin{pmatrix}1\\2\end{pmatrix} を、

 &math( f(\bm x)=\begin{pmatrix}1&0\\0&1\\1&-1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}1\\2\end{pmatrix}+\begin{pmatrix}1\\2\\3\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}1\\2\\-1\end{pmatrix}+\begin{pmatrix}1\\2\\3\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}2\\4\\2\end{pmatrix} );

のように、 \begin{pmatrix}2\\4\\2\end{pmatrix} に変換する。

この f(\bm x) は2次元列ベクトル空間から3次元列ベクトル空間への「写像」である。

一般に、「集合 U から U' への写像 f(x) 」と言えば、 ある集合 U の要素を別の集合 U' の要素に変換する規則のことである。 このことを、

  f: U \to U'

と書く。このとき、

  \forall \bm x\in U に対して f(\bm x)\in U'

となる。 f \bm x f(\bm x) に変換する規則であるため、

  f:\bm x\mapsto f(\bm x)

という書き方も良く行われる。

例:

先の例であれば f:\mathbb{R}^2\to\mathbb{R}^3 であり、

  f: \bm x\mapsto \begin{pmatrix}1&0\\0&1\\1&-1\end{pmatrix}\bm x+\begin{pmatrix}1\\2\\3\end{pmatrix}

と書ける。これを

  f: \begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}\mapsto \begin{pmatrix}x+1\\y+2\\x-y+3\end{pmatrix}

のように書くことも多い。

例:
集合 U, U' は任意に取れるから、例えば f:P^2[x]\to P^1[x] を、

  \bm x\in P^2[x] に対して f(\bm x)=\frac{d}{dx}\bm x

と定義すれば、

  f:ax^2+bx+c\mapsto 2ax+b

である。

線形写像

V,V' を線形空間として、 f:V\to V' が次の条件を満たすとき、 f は「線形である」と言う。

  • f(a\bm x+b\bm y)=af(\bm x)+bf(\bm y) ( \forall\bm x,\bm y\in V , \forall a,b\in K )

すなわち、線形写像ではベクトル和やスカラー倍を行ってから f で変換しても、 f で変換してからベクトル和やスカラー倍を行っても、同じ結果が得られる。

演習:
(1) 実数関数 f(x)=3x は線形か? → つまり、 f(ax+by) af(x)+bf(y) は常に等しいか?
(2) 実数関数 f(x)=3x+1 は線形か?
(3) 実数関数 f(x)=x^2 は線形か?
(4) A n\times m 実行列であれば、 f(\bm x)=A\bm x f:\mathbb{R}^m\to\mathbb{R}^n の写像となる。この写像は線形か?

線形の条件は、 T:V\to V' として、

  • T(\bm x+\bm y)=T\bm x+T\bm y
  • T(c\bm x)=cT\bm x

と書いても同値である。

線形写像を大文字のアルファベットで表わすとき、 写像の括弧を省略して行列 T とのかけ算のように書くこともよく行われる。

例:
先のように \bm x\in P^2[x] に対して T\bm x\equiv\frac{d}{dx} \bm x と定義すれば、これは線形写像になる。

&math( \because T(a\bm x+b\bm y)=\frac{d}{dx}(a\bm x+b\bm y)=a\frac{d}{dx}\bm x+b\frac{d}{dx}\bm y=aT\bm x+bT\bm y );

微分や積分は 典型的な線形写像 として以後頻出する

T\bm x のように括弧を省略する書き方は \frac{d}{dx} \bm x のような書き方と対応している。 こういう場合、 T を 「線形演算子」とも呼ぶ。

例:
2次以下の x の多項式の集合を P^2[x] として、 T:P^2[x]\to P^2[x]

T:f(x)\mapsto f(x+1) ただし f(x)\in P^2[x]

と定義すれば、これは線形写像になる。

\because T(af(x)+bg(x))=af(x+1)+bg(x+1)=aTf(x)+bTg(x)

例:
多項式と数ベクトル表現との間の変換、例えば

  • T:P^2[x]\to \mathbb R^3 ただし T:ax^2+bx+c\mapsto \begin{pmatrix}a\\b\\c\end{pmatrix}
  • T':\mathbb R^3\to P^2[x] ただし T':\begin{pmatrix}a\\b\\c\end{pmatrix}\mapsto ax^2+bx+c

もそれぞれ線形写像になる。

練習

問: T が線形写像であれば、 T(\bm 0)=\bm 0 となることを示せ。

答: T(\bm 0)=T(0\bm 0)=0T(\bm 0)=\bm 0

(最後の部分で、任意の \bm x について 0\bm x=\bm 0 となることを使った)

像 $\Image T$

写像 T:V\to V' の「像」は、

\Image T\equiv\set{\bm x'\in V'|\exists \bm x\in V, \bm x'=T\bm x}

として定義される。

「ある \bm x\in V に対して \bm x'=T\bm x が成り立つような V' の元 \bm x' を集めた集合」 と読む。 「任意の \bm x'\in V' には、そこに移ってくる元 \bm x\in V が存在して、 T\bm x=\bm x' が成り立つ」ということ。

像は T(V) とも書かれる。当然、 \Image T\subset V' である。

高校で関数について定義域、値域を考えたが、その値域にあたる。

image.png

線形写像の像は線形空間となる

線形空間の部分集合が部分空間となることを示すには、 その集合が演算に対して閉じていることを確かめればよかった。

\forall\bm x',\forall\bm y'\in \Image T に対して、 \bm x'=T\bm x, \bm y'=T\bm y となるような \bm x,\bm y\in V が存在するから、

&math( a\bm x'+b\bm y'&=aT\bm x+bT\bm y\\ &=T(a\bm x+b\bm y)\in \Image T );

すなわち \forall\bm x',\forall\bm y'\in \Image T\Rightarrow a\bm x'+b\bm y'\in \Image T であり、 \Image T\subset V' はベクトル和とスカラー倍について閉じている。

したがって、 \Image T は部分空間となる。

階数

ある線形写像 T:V\to V' の「階数」は、

\rank T\equiv\dim (\Image T)

として定義される。すなわち像の次元。

行列の階数との関係は後述する。

例:

f:\mathbb R\to\mathbb R^2 f:a\mapsto\begin{pmatrix}2a\\-a\end{pmatrix} ならば、 \Image f=\Big[\begin{pmatrix}2\\-1\end{pmatrix}\Big] であり、 \rank f=1 である。

f:\mathbb R^2\to\mathbb R^2 f:\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}\mapsto\begin{pmatrix}x\\0\end{pmatrix} ならば、 \Image f=\Big[\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}\Big] であり、 \rank f=1 である。

性質:

T: V\to V' のとき、

\dim (\Image T)\le \dim V

\dim (\Image T)\le \dim V'

となる。

解説:

前者は、 \dim V の任意の基底 \bm b_1,\bm b_2,\dots,\bm b_n に対して T\bm b_1,T\bm b_2,\dots,T\bm b_n \Image T を張ることと、 (次元)=(基底の数)=(線形独立なベクトルの数)<(生成元の数) であることから証明される。

後者は \Image T V' の部分空間であることから自明。

全射(上への写像)

写像 T:V\to V' \Image T=V' を満たすとき、上への写像あるいは全射であるという。 (教科書の「全写」は間違い)

これは、任意の \bm x'\in V' に対して、 そこに移ってくる \bm x\in V, T\bm x=\bm x' を必ず見つけられること、 と同義である。

上への写像.png

例えば、 T:a\mapsto\begin{pmatrix}2a\\-a\end{pmatrix} T:\mathbb R\to\mathbb R^2 なら全射ではないが、
T:\mathbb R\to\Big[\begin{pmatrix}2\\-1\end{pmatrix}\Big] なら全射である。 (矢印の右側の大括弧 [ ] はベクトルが張る空間を表わす記号だった)

単射(1対1写像)

一般の写像では異なるベクトルが同じ値に移される場合があるが、 \bm x\ne \bm y であれば必ず T(\bm x)\ne T(\bm y) であるとき、 T は単射である、あるいは、1対1写像である、という。

写像.png

  • V \Image T との間に1対1対応を生む
  • V V' との間の1対1ではないことに注意せよ

全単射(上への1対1写像)

単射かつ全射であることをいう。

V' の元の1つ1つに V の元が1つ1つ対応することになる。

このときに限り、「逆写像 T^{-1}:V'\to V 」が定義できる。

T^{-1}:T(\bm x)\mapsto\bm x

  • 全単射でないと逆写像は定義できないことに注意せよ
    • 1対1でないと、ある v'\in V' に複数の v\in V が対応してしまう
    • 上への写像でないと、ある v'\in V' に対応する v\in V が存在しない場合がある
  • 逆写像も全単射になり、逆写像の逆写像は元の写像である

練習

問:
線形写像の逆写像 T^{-1} は線形写像であることを示せ

答:
\bm x'=T(\bm x), \bm y'=T(\bm y) とすると、 \bm x=T^{-1}(\bm x'),\bm y=T^{-1}(\bm y')

一方、

T(a\bm x+b\bm y)=aT(\bm x)+bT(\bm y)=a\bm x'+b\bm y'

の両辺に T^{-1} を作用させると

a\bm x+b\bm y=T^{-1}(a\bm x'+b\bm y')

この左辺は aT^{-1}(\bm x')+bT^{-1}(\bm y') と等しいことから、 T^{-1} が線形であることが示される。

同型(どうけい)

2つの線形空間 V V' の間に 全単射の線形写像 T を定義できるとき、 V V' は同型であるといい、 V\simeq V' と書く。

このとき、 T を同型写像と呼ぶ。

注)同型である2つの線形空間の間には無数の異なる同型写像を定義可能であるが、 1つでも同型写像を定義できれば同型と呼ぶ。

同型の空間は非常に似た構造を持つ。

  • \bm a+\bm b=\bm c なら T(\bm a)+T(\bm b)=T(\bm c)
  • k\bm a=\bm b なら kT(\bm a)=T(\bm b)
  • \bm b_1,\dots,\bm b_n V の基底なら、
    T(\bm b_1),\dots,T(\bm b_n) V' の基底となる
  • などなど

特に、すべての K 上の n 次元ベクトル空間は K^n に同型であるため、1年生でやった数ベクトル空間が、 任意の(有限次元の)線形空間を理解するための基礎となる。

V の元から数ベクトル表現への写像が同型写像となる。

同値関係

線形空間の「同型」は同値関係の公理を満たす。すなわち、

  1. V\simeq V    : 反射律 (恒等写像による同型)
  2. V\simeq V'\to V'\simeq V  : 対称律 (逆写像による同型)
  3. V\simeq V' \wedge V'\simeq V''\to V\simeq V'' : 推移律 (合成写像による同型)

一方を調べればもう一方が分かる例

V\to V' の同型写像を T(\bm x) とすると、

\bm a, \bm b, \bm c\in V が線形独立であれば、
T(\bm a), T(\bm b), T(\bm c)\in V' も線形独立である。

対偶を証明する。証明するのは、
T(\bm a), T(\bm b), T(\bm c)\in V' が線形従属ならば、
\bm a, \bm b, \bm c\in V も線形従属である。」

T(\bm a), T(\bm b), T(\bm c)\in V' は従属なので、 すべてがゼロではない3つのスカラー \alpha,\beta,\gamma に対して

\alpha T(\bm a)+\beta T(\bm b)+\gamma T(\bm c)=\bm 0

が成立する。 T は線形なので、

(左辺)=T(\alpha \bm a+\beta \bm b+\gamma \bm c)=\bm 0

ここで両辺に T^{-1} を掛けると、 T^{-1}(\bm 0)=\bm 0 より、

\alpha \bm a+\beta \bm b+\gamma \bm c=\bm 0

\alpha,\beta,\gamma はすべてがゼロではないから、 \bm a, \bm b, \bm c は線形従属。

同型写像の階数

同型写像 f:V\to V' の階数は

  \rank f=\dim(V)=\dim(V')

である。

(かく) $\Kernel T$

線形写像 T:V\to V' の核 (Kernel):

\Kernel T\equiv\set{\bm x\in V|T\bm x=\bm 0}

T でゼロベクトルに移されるベクトルの集合」のこと。

核はゼロを含む

\because T\bm 0=\bm 0'

核は線形空間となる

\forall\bm x,\forall\bm y\in \Kernel T に対して、

&math( T(a\bm x+b\bm y)=aT\bm x+bT\bm y=a\bm 0+b\bm 0=\bm 0+\bm 0=\bm 0 );

より、 a\bm x+b\bm y\in \Kernel T となる。

すなわち、 \Kernel T\in V はベクトル和とスカラー倍に対して閉じており、 部分空間となる。

1対1写像の条件

\Kernel T=\set{\bm 0} T が1対1写像であるための必要十分条件となる。

なぜなら、

\Kernel T\supsetneq \set{\bm 0} なら複数の元が \bm 0 に移る。

逆に、 \bm x\ne \bm y かつ T\bm x=T\bm y ならば T(\bm x-\bm y)=\bm 0 より \bm x-\bm y\in \Kernel T かつ \bm x-\bm y\ne \bm 0 より \Kernel T\ne\set{\bm 0}

次元定理

上記をまとめると下図のようになる。

次元定理.png

  1. \Kernel T V の、 \Image T V' の、部分空間である
  2. \Kernel T に含まれる元は \bm 0 に移る
  3. V-\Kernel T に含まれる元は \Image T-\set{\bm 0} に移る

線形写像の次元定理とは、次の関係のことである。
(イメージ的には上の 3. そのまま)

\rank T=\dim(\Image T)=\dim V-\dim(\Kernel T)

略証明:

\Kernel T の基底を \bm a_1,\bm a_2,\dots,\bm a_n として、 これにいくつかベクトルを加えた \bm a_1,\bm a_2,\dots,\bm a_{\dim V} V の基底となるようにできる。(本当は証明が必要)

つまり、 n=\dim(\Kernel T) である。

\bm a_1,\bm a_2,\dots,\bm a_n T によってすべて \bm 0 に移る一方、 \bm a_{n+1},\bm a_{n+2},\dots,\bm a_{\dim V} \Image T に移り、 T(\bm a_{n+1}),T(\bm a_{n+2}),\dots,T(\bm a_{\dim V}) \Image T の基底を為す。

すなわち、

\dim(\Image T)=\rank T=\dim V-n=\dim V-\underbrace{\dim(\Kernel T)}_{退化次数}

退化次数

もともと \dim V の次元を持つ線形空間が、 T で移されることにより \dim(\Kernel T) だけ次元が減ってしまうため、 \dim (\Kernel T) を退化次数と呼ぶ。

練習

T:\mathbb R^3\to\mathbb R^4

&math( \bm x'=\begin{pmatrix}x'\\y'\\z'\\w'\end{pmatrix}=T\bm x=\begin{pmatrix}3&0&0\\0&1&0\\0&0&0\\0&1&0\end{pmatrix} \begin{pmatrix}x\\y\\z\end{pmatrix} );

&math(\mathbb R^3= \Bigg[\begin{pmatrix}1\\0\\0\end{pmatrix},\begin{pmatrix}0\\1\\0\end{pmatrix},\begin{pmatrix}0\\0\\1\end{pmatrix}\Bigg]= \Bigg[\begin{pmatrix}1\\1\\0\end{pmatrix},\begin{pmatrix}1\\1\\1\end{pmatrix},\begin{pmatrix}1\\-1\\0\end{pmatrix}\Bigg]= \Bigg[\begin{pmatrix}1\\1\\0\end{pmatrix},\begin{pmatrix}1\\1\\1\end{pmatrix},\begin{pmatrix}1\\-1\\0\end{pmatrix},\begin{pmatrix}3\\2\\1\end{pmatrix}\Bigg] );

\dim \mathbb R^3=3

\dim \mathbb R^4=4

&math(\Image T =\Bigg[ \begin{pmatrix}3\\0\\0\\0\end{pmatrix}, \begin{pmatrix}0\\1\\0\\1\end{pmatrix}, \begin{pmatrix}0\\0\\0\\0\end{pmatrix} \Bigg] =\Bigg[ \begin{pmatrix}3\\0\\0\\0\end{pmatrix}, \begin{pmatrix}0\\1\\0\\1\end{pmatrix} \Bigg]);

\dim(\Image T)=2

&math(\Kernel T =\Bigg[ \begin{pmatrix}0\\0\\1\end{pmatrix} \Bigg]);

\dim(\Kernel T)=1

\dim \mathbb R^3=\dim(\Image T)+\dim(\Kernel T)

行列による線形写像の階数

上で見たように、 T:\bm x\mapsto A\bm x の時、

\Image T=\Big[ \bm a_1,\bm a_2,\bigg.\dots,\bm a_m \Big]

(右辺は \{\bm a_i\} が張る空間)であるから、 \rank T=\dim (\Image T) A の列ベクトルが張る空間の次元となる。

そしてこれは次に見るとおり \rank A に等しい。

すなわち \rank T=\rank A

略証明

まず任意の行列 A は、ある正則行列 P により階段化可能であり、 その「段数」が \rank A であった。

&math( PA=\left[\begin{array}{c@{\,}c@{\,}ccc@{\,}c@{\,}ccc@{\,}c@{\,}cccccc@{\,}c@{\,}c}0&\cdots&0&1&*&\cdots&*&0&*&\cdots&*&0&*&{\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ }&0&*&\cdots&*\\\vdots&&\vdots&0&0&\cdots&0&1&*&\cdots&*&0&*&&\vdots&\vdots&&\vdots\\\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&0&0&\cdots&0&1&*&\cdots&\vdots&\vdots&&\vdots\\\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&0&0&&\vdots&\vdots&&\vdots\\\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&&\vdots\\\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&0&\vdots&&\vdots\\\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&1&*&\cdots&*\\\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&\cdots&0&0&\cdots&0\\\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&\vdots&&\vdots&\vdots&&\vdots\\0&\cdots&0&0&0&\cdots&0&0&0&\cdots&0&0&0&&0&0&\cdots&0\\\end{array}\right]\ \begin{split}\left\}\phantom{\begin{matrix}\\ \\ \\ \\ \\ \\ \\\\\end{matrix}}\ \rank A\right .\\\begin{matrix}\\ \\ \\\end{matrix}\end{split} );

階段形から、 PA の列ベクトルが張る空間の次元が \rank A に等しいことはすぐに分かる。

すなわち T':\bm x\mapsto PA\bm x に対して \rank T'=\dim (\Image T')=\rank A

さらに、 P は、 \Image T \Image T' との間の同型写像を定義する。

なぜなら、任意の \bm y=T(\bm x)=A\bm x\in\Image T に対して \bm y'=T'(\bm x)=PA\bm x=P\bm y\in\Image T' であり、さらにこの線形写像は正則つまり逆写像を持つ(全単射である)。

同型な空間の次元は等しいため、 \dim\Image T=\dim\Image T'=\rank A

すなわち、 \rank T=\rank A

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