線形独立、基底及び次元/次元の一意性 のバックアップ(No.1)

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線形代数Ⅱ/線形独立、基底及び次元?

次元の一意性を証明する

基底を構成するベクトルの数を線形空間の「次元」と呼ぶ。

ある空間 V について、基底の取り方には任意性があるが、「次元」は一意に決まる。

これは、

  • n 個のベクトルにより張られる空間から、 n 個以上の線形独立なベクトルを取り出すことはできない。

ことからの帰結である。ここから、

  • n 次元空間を n 個以下のベクトルで張ることはできない。
  • n 次元空間に n 個以上の線形独立なベクトルの組を見つけることはできない。

が導けて、これがすなわち次元の一意性を表わす。

$n$ 個のベクトルにより張られる空間から、$n$ 個以上の線形独立なベクトルを取り出すことはできない

m>n として、 \bm a_1,\bm a_2,\dots,\bm a_m がすべて \bm b_1,\bm b_2,\dots,\bm b_n の線形結合で表せるとする。

すなわち、

\bm a_i=\sum_{j=1}^n c_{ij}\bm b_j

である。

\sum_{i=1}^m d_i \bm a_i=\bm 0

に上式を代入すると、

&math( \sum_{i=1}^m d_i \sum_{j=1}^n c_{ij}\bm b_j=\bm 0\\ \sum_{j=1}^n\left(\sum_{i=1}^m d_i c_{ij}\right)\bm b_j=\bm 0\\ );

この式は、すべての j について、

&math( \sum_{i=1}^m d_i c_{ij}= \begin{pmatrix}c_{1j}&&c_{2j}&&\dots&&c_{mj}\end{pmatrix} \begin{pmatrix}d_1\\d_2\\\vdots\\d_m\end{pmatrix}=0 );

を満たせば必ず成り立つ。それらの条件をまとめて書けば、

&math( \begin{pmatrix} c_{11}&&c_{21}&&\dots&&c_{m1}\\ c_{12}&&c_{22}&& &&\vdots\\ \vdots&& &&\ddots&&\vdots\\ c_{1n}&&\dots&&\dots&&c_{mn}\\ \end{pmatrix} \begin{pmatrix}d_1\\d_2\\\vdots\\d_m\end{pmatrix}= \begin{pmatrix}0\\0\\\vdots\\0\end{pmatrix} );


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