量子力学Ⅰ/一次元の散乱現象 のバックアップソース(No.2)
更新[[量子力学Ⅰ]] * 障壁よりもエネルギーが高い場合の散乱 [#rfcec45a] 先に行った一次元の箱形ポテンシャルによるトンネル現象で行った計算は、 障壁よりも粒子のエネルギーが高い場合にそのまま適用できる。 障壁よりも粒子のエネルギーが高い場合、 障壁内部の波動関数は外と同様に振動的になるが、 ポテンシャルエネルギーの分だけ波長は長くなる。 同様に、障壁が負のエネルギーを持つ場合、 すなわち井戸になっている場合の評価もそのまま行える。 この場合には井戸内の波長は外部に比べて短くなる。 &attachref(scatter-wall.png,,25%); &attachref(scatter-well.png,,25%); 計算上は &math(\kappa); とした部分が虚数となり、 &math(\kappa\to ik'); &math(\sinh\kappa a=-i\sin k'a); &math(\cosh\kappa a=\cos k'a); などとすればよい。 このとき、 &math(|T|^2=\frac{1}{1+Y^2}); &math(Y^2=\frac{V_0^2}{4\epsilon|\epsilon-V_0|}\sin^2 k'a); であるから、&math(\sin k'a=0); すなわち &math(\sqrt{\frac{2m}{\hbar^2}(\varepsilon-V_0)}a=n\pi); &math(n=0,1,2,\dots); のとき &math(|T|=1); すなわち 100% 透過する。 この条件の意味は、 &math(\sqrt{\frac{2m}{\hbar^2}(\varepsilon-V_0)}\cdot 2a=2n\pi); と書きなおすと良くわかる。 この条件は障壁中を往復するだけの距離進むと位相が元に戻る条件になっている。 このとき起きる現象は &math(V_0>0); の場合と &math(V_0<0); の場合とで少し異なる。 - &math(V_0>0); の障壁の場合には ++ 入射波が井戸の左端で反射する際には位相は反転しない ++ 井戸の内部を進む波が右端で反射する際には位相が反転する ++ 井戸の内部を戻る波は左端で元の波と反対の位相を持つ ++ i. の波と iii. の波が打ち消しあう - &math(V_0<0); の井戸の場合には ++ 入射波が井戸の左端で反射する際に位相が反転する ++ 井戸の内部を進む波が右端で反射する際には位相は変化しない ++ 井戸の内部を戻る波は左端で元の波と同じ位相を持つ ++ i. の波と iii. の波が打ち消しあう &attachref(scatter-vs-v0.gif); ~ &attachref(scatter-vs-v0.png,,75%); * デルタ関数による散乱 [#z7763207]
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