量子力学Ⅰ/電磁気学における光 のバックアップ差分(No.5)

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* 量子論以前の「光」((実際には「相対論以前」の光の説明になっている)) [#h96e3d07]
* 量子論以前の「光」 [#h96e3d07]

電磁気学によれば、光は電磁波である。
電磁気学によれば、光は電磁波である。((以下の説明は実際には「相対論以前」の光の説明になっているが、通常我々が扱う問題においては相対論とも矛盾しない。))

つまり、光が通ればそこに電場 &math(\bm E(\bm r,t)); と磁場 &math(\bm B(\bm r,t)); の波ができる。
電磁波は横波なので、電場や磁場は光の進行方向に垂直な面内にできる。
電磁波は横波なので、電場や磁場は光の進行方向に垂直な面内にできる。電場と磁場も互いに垂直で、その大きさは &math(|\bm E(\bm r,t)|=c|\bm B(\bm r,t)|); の形で比例し、両者は同位相で振動しながら伝わる。

波であるから、干渉や回折、散乱などの''波に特有な性質''を示す。
物理学実験でもレーザー光の回折・干渉現象を学んだ。

電磁波は定数 &math(c=1/\sqrt{\mu_0\varepsilon_0}); を用いた次の「波動方程式」を満たす。

 &math(
\nabla^2 \bm E(\bm r,t)=\frac{1}{c^2}\frac{\PD^2}{\PD t^2}\bm E(\bm r,t)\\
\nabla^2 \bm B(\bm r,t)=\frac{1}{c^2}\frac{\PD^2}{\PD t^2}\bm B(\bm r,t)\\
);

この解は、&math(\bm E); と &math(\bm B); とが光速 &math(c); で伝わる形になる。電場と磁場は互いに垂直で、その大きさは &math(|\bm E(\bm r,t)|=c|\bm B(\bm r,t)|); の形で比例し、両者は同位相で振動しながら伝わる。
この解は、&math(\bm E); と &math(\bm B); とが光速 &math(c); で伝わる形になる。

光の周期 &math(T);、周波数 &math(\nu); (ニュー)、角周波数 &math(\omega); (オメガ)、波長 &math(\lambda); (ラムダ)、波数 &math(k); の関係は、

&math(\nu=1/T);, &math(\omega=2\pi\nu=2\pi/T);, &math(\lambda=cT);, &math(k=2\pi/\lambda=\omega/c);

電場や磁場が運ぶエネルギー流の密度(単位時間、単位面積あたり)は、ポインティングベクトル &math(\bm S=\bm E\times\bm B/2\mu_0); で表わされる。

その時間平均は、電場と磁場の振幅をそれぞれ &math(E_0, B_0); として、

&math(S=\frac{1}{2\mu_0}E_0B_0=\frac{1}{2c\mu_0}E_0^2=\frac{1}{2c\mu_0}(cB_0)^2);

ベクトルポテンシャルで書き直すと、&math(\omega^2); あるいは &math(k^2); に比例する形になる。

&math(S=\frac{\omega^2}{2c\mu_0}A_0^2=\frac{ck^2}{2\mu_0}A_0^2);

空間中のエネルギー密度(単位体積あたり)はこれを &math(c); で割って、

&math(w=S/c=\frac{1}{2c^2\mu_0}E_0^2=\frac{\omega^2}{2c^2\mu_0}A_0^2);

電場や磁場が運ぶ運動量流の密度(単位時間あたり、単位面積あたり)は &math(\bm S/c); であり、
その大きさは光の場合 &math(w); に等しい。

空間中の運動量密度(単位体積あたり)は &math(|\bm S/c^2|=w/c); となる。この、

&math((運動量)=(エネルギー)/c);

という関係は、量子力学でも保たれる。

当然のことながら、このように波動として表わされた光のエネルギーや運動量は振幅 &math(A_0); や &math(E_0, B_0); の2乗に比例して''連続的な値を取りうる''。

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