電磁気学/Faraday の電磁誘導 のバックアップ差分(No.5)
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[[電磁気学]] * 目次 [#q7ae2661] このページはまだ執筆中です。 #contents &katex(); * §1−4 Faraday (ファラデー) の電磁誘導 [#c80794c2] 電磁誘導:磁束の変化で「起電力」が生じる #ref(faraday.png,around,right,25%); 磁束 &math(N=\underbrace{B}_{磁束密度}\cdot \underbrace{S}_{面積}); 電磁誘導 = 磁束の変化が起電力を生じる 起電力 &math(\phi=IR=-\frac{dN}{dt}); $$ \underbrace{\phi\vphantom{\frac00}}_\text{起電力}=-\frac{d}{dt}\underbrace{N\vphantom{\frac00}}_\text{磁束} $$ すなわち、誘導電流は、 - 磁束の時間変化に比例 - 抵抗に反比例 磁束は磁力線の本数のことである。 * 起電力 = 電位? [#p26a3df7] $$ \underbrace{N}_\text{磁束}=\underbrace{B}_\text{磁束密度}\cdot \underbrace{S}_\text{面積} $$ 起電力 &math(\phi=\oint_C \bm E\cdot d\bm r); 起電力は経路に沿って電場を積分したもの。 この場合は回路に沿った閉ループ $C$ が経路となる。 これは「電位」とは違う? $$ \phi=\oint_C \bm E\cdot d\bm r $$ 電位 &math(\phi=-\int \bm E\cdot d\bm r); 回路が複数巻きのコイルである場合には、磁束及び起電力の式に「巻き数$\,n\,$」を乗じる。 「電位」ならば一周すればゼロになるはずだが・・・ * 起電力 = 電位? [#p26a3df7] 「電位」は静電場でしか定義されないから、ここでは考えてはいけない。 次のような疑問が生じるかもしれない。 - 「電位」も電場を線積分したものではなかったか? - 「起電力」は「電位」とは違うのか? - 「電位」ならば一周して戻ってくればゼロになるはずだが、電磁誘導の法則はゼロにならないと言っている?! 後にしっかり学ぶように、「電位」は静電場でしか定義されないからここでは考えてはいけない。 「動電磁場」では「ベクトルポテンシャル」や「スカラーポテンシャル」の出番。 上記はあくまで「起電力」である。 * コイルが無くても [#v7faee54] 実はコイルが無くても、いたるところに電場は発生している! 実はコイルが無くても、変動する磁場の周囲には電場が発生している! - そこにコイルがあれば抵抗に応じた電流が流れる - コイルがなければ抵抗が無限大なので電流は流れない - コイルがあれば抵抗に応じた電流が流れる - 起電力も簡単には測れない - 電場自体は測定可能 * 磁束? [#c543bb63] #ref(電磁気学/電磁ポテンシャルの導入/ベクトルポテンシャル.png,right,around,33%); 「コイルを貫く磁束」は常に定義可能だろうか? 「コイルを貫く磁束」は常に定義可能だろうか?$C$ が平面上にあれば良いけれど、 曲がっているような場合には「面積」はどのように取ればいいのだろう? 実は、コイルを表す閉曲線 &math(C); に対して、&math(C); を&ruby(ふち){縁};とする2つの曲面 &math(S_1,S_2); ここで、「磁力線は常にループになる」というのが効いてくる。 磁力線の作るループのうち、閉曲面と「からんでいるループの数」が閉曲面を貫く磁力線の本数である、とすれば「コイルを貫く磁束」は明確に定義される。 数式で表す場合には以下のように考えればよい。コイルを表す閉曲線 $C$ に対して、$C$ を&ruby(ふち){縁};とする2つの曲面 $S_1,S_2$ を考えれば、両者を貫く磁束は常に等しくなる。 &math(N_C=\int_{S_1}\bm B\cdot\bm ndS=\int_{S_2}\bm B\cdot\bm ndS); $$ N_C=\int_{S_1}\bm B\cdot\bm ndS=\int_{S_2}\bm B\cdot\bm ndS $$ なぜなら、&math(S_1,S_2); をつなげた閉曲面 &math(S=S_1-S_2); およびその中の体積 &math(V); を考えれば、 なぜなら、$S_1,S_2$ をつなげた閉曲面 $S=S_1-S_2$ およびその中の体積 $V$ を考えれば、 &math( $$ \begin{aligned} &\int_{S_1}\bm B\cdot\bm ndS-\int_{S_2}\bm B\cdot\bm ndS\\ &=\int_S\bm B\cdot\bm ndS\\ &=\int_V\DIV\bm Bd^3x\\ &=0 ); \end{aligned} $$ であるためだ。最後に &math(\DIV \bm B=0); を用いた。 であるためだ。最後に $\DIV \bm B=0$ を用いた。 &math(\DIV \bm B=0); であるため、磁力線は途中で途切れることなく、常にループを描く。 したがって、もし磁力線が &math(S_1); を貫くようであれば、それは必ず &math(S_2); も貫くわけである。 磁力線は途中で途切れることなく常にループを描くから、 もし磁力線が $S_1$ を貫くけば、それは必ず $S_2$ も貫くのである。 以上から、磁束の値は縁の形状 &math(C); のみにより定義され、磁束を積分する面の取り方に依らないことが分かった。 以上から、磁束の値は縁の形状 $C$ のみにより定義され、磁束を積分する面の取り方に依らないことが分かった。 * Faraday の法則(積分形) [#i8f6d08f] 起電力及び磁束を積分で書けば、次式を得る。 &math( \underbrace{\oint_C \bm E\cdot d\bm r}_{\phi}&=-\frac{d}{dt}\underbrace{\int_S\bm B\cdot\bm n dS}_{N} ); $$ \underbrace{\oint_C \bm E\cdot d\bm r}_{\phi}=-\frac{d}{dt}\underbrace{\int_S\bm B\cdot\bm n dS}_{N} $$ * Faraday の法則(微分形) [#r4c21326] 左辺に [[Stokes の定理>電磁気学/Stokes の定理]] を適用すれば、 &math( \int_S \rot\bm E\cdot \bm n\,dS&=-\int_S\frac{\PD\bm B}{\PD t}\cdot\bm n dS\\ ); $$ \int_S \rot\bm E\cdot \bm n\,dS=-\int_S\frac{\PD\bm B}{\PD t}\cdot\bm n\,dS $$ &math(S); は任意に取れるため、 $S$ は任意に取れるため、 &math( \rot\bm E=-\frac{\PD\bm B}{\PD t} ); $$ \rot\bm E(\bm x,t)=-\frac{\PD}{\PD t}\bm B(\bm x,t) $$ この式を見て、「&math(\bm E); を一周積分した起電力が磁束の時間変化に等しい」と読めるように復習しておくこと。 この式を見て、「$\bm E$ を一周積分した起電力が磁束の時間変化に等しい」と読めるように復習しておくこと。 * 質問・コメント [#ta49f604] #article_kcaptcha
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