電磁気学/Faraday の電磁誘導 のバックアップソース(No.6)

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[[電磁気学]]

* 目次 [#q7ae2661]

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* §1−4 Faraday (ファラデー) の電磁誘導 [#c80794c2]

#ref(faraday.png,around,right,25%);

電磁誘導 = 磁束の変化が起電力を生じる

$$
\underbrace{\phi\vphantom{\frac00}}_\text{起電力}=-\frac{d}{dt}\underbrace{N\vphantom{\frac00}}_\text{磁束}
$$

磁束は磁力線の本数のことである。

$$
\underbrace{N}_\text{磁束}=\underbrace{B}_\text{磁束密度}\cdot \underbrace{S}_\text{面積}
$$

起電力は経路に沿って電場を積分したもの。
この場合は回路に沿った閉ループ $C$ が経路となる。

$$
\phi=\oint_C \bm E\cdot d\bm r
$$

回路が複数巻きのコイルである場合には、磁束及び起電力の式に「巻き数$\,n\,$」を乗じる。

* 起電力 = 電位? [#p26a3df7]

次のような疑問が生じるかもしれない。
- 「電位」も電場を線積分したものではなかったか?
- 「起電力」は「電位」とは違うのか?
- 「電位」ならば一周して戻ってくればゼロになるはずだが、電磁誘導の法則はゼロにならないと言っている?!

後にしっかり学ぶように、「電位」は静電場でしか定義されないからここでは考えてはいけない。

「動電磁場」では「ベクトルポテンシャル」や「スカラーポテンシャル」の出番。

上記はあくまで「起電力」である。

* コイルが無くても [#v7faee54]

実はコイルが無くても、変動する磁場の周囲には電場が発生している!
- そこにコイルがあれば抵抗に応じた電流が流れる
- コイルがなければ抵抗が無限大なので電流は流れない
- 起電力も簡単には測れない
- 電場自体は測定可能

* 磁束? [#c543bb63]

#ref(電磁気学/電磁ポテンシャルの導入/ベクトルポテンシャル.png,right,around,33%);

「コイルを貫く磁束」は常に定義可能だろうか?$C$ が平面上にあれば良いけれど、
曲がっているような場合には「面積」はどのように取ればいいのだろう?

ここで、「磁力線は常にループになる」というのが効いてくる。

磁力線の作るループのうち、「閉曲線とからんでいるループの数」が閉曲線を貫く磁力線の本数である、とすれば「コイルを貫く磁束」は「面」を決めることなく明確に定義される。(空間にたくさんの磁力線がループを描いているところを想像せよ。その空間に自由に閉曲線を描き、その閉曲線を仮想的に手でつまんで持ち上げる。閉曲線と絡んだループのみがキーホルダーに下がったキーのように閉曲線に引きずられて取り出されるだろう。その絡んだ磁力線のループの数が「閉曲線を貫く磁束」にあたる。そう考えれば磁束を定義するために閉曲線を縁とする「面」を考える必要はない。)

数式で表す場合には以下のように考えればよい。コイルを表す閉曲線 $C$ に対して、$C$ を&ruby(ふち){縁};とする2つの曲面 $S_1,S_2$ 
を考えれば、両者を貫く磁束は常に等しくなる。

$$
N_C=\int_{S_1}\bm B\cdot\bm ndS=\int_{S_2}\bm B\cdot\bm ndS
$$

なぜなら、$S_1,S_2$ をつなげた閉曲面 $S=S_1-S_2$ およびその中の体積 $V$ を考えれば、

$$
\begin{aligned}
&\int_{S_1}\bm B\cdot\bm ndS-\int_{S_2}\bm B\cdot\bm ndS\\
&=\int_S\bm B\cdot\bm ndS\\
&=\int_V\DIV\bm Bd^3x\\
&=0
\end{aligned}
$$

であるためだ。最後に $\DIV \bm B=0$ を用いた。

磁力線は途中で途切れることなく常にループを描くから、
もし磁力線が $S_1$ を貫くけば、それは必ず $S_2$ も貫くのである。

磁束の値は縁の形状 $C$ のみにより定義され、磁束を積分する面の取り方に依らない事実を数式的にも示せたことになる。

* Faraday の法則(積分形) [#i8f6d08f]

起電力及び磁束を積分で書けば、次式を得る。

$$
\underbrace{\oint_C \bm E\cdot d\bm r}_{\phi}=-\frac{d}{dt}\underbrace{\int_S\bm B\cdot\bm n dS}_{N}
$$

* Faraday の法則(微分形) [#r4c21326]

左辺に [[Stokes の定理>電磁気学/Stokes の定理]] を適用すれば、

$$
\int_S \rot\bm E\cdot \bm n\,dS=-\int_S\frac{\PD\bm B}{\PD t}\cdot\bm n\,dS
$$

$S$ は任意に取れるため、

$$
\rot\bm E(\bm x,t)=-\frac{\PD}{\PD t}\bm B(\bm x,t)
$$

この式を見て、「$\bm E$ を一周積分した起電力が磁束の時間変化に等しい」と読めるように復習しておくこと。

* 質問・コメント [#ta49f604]

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