線形代数II/行列の関数 の履歴(No.1)
更新対角行列の性質を確認する。
対角行列の累乗†
対角行列 を
とすれば、
である。
同様に、
となる。
対角行列の多項式†
&math(\alpha D^l+\beta D^m=\alpha \begin{pmatrix}a^l&0\\0&d^l\end{pmatrix}+\beta \begin{pmatrix}a^m&0\\0&d^m\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}\alpha a^l+\beta a^m&0\\0&\alpha d^l+\beta d^m\end{pmatrix});
元の式
と、
結果の対角要素
、
の類似性に注目せよ。
一般の行列の累乗†
を 次の行列として、 により対角化可能とする。
&math(P^{-1}AP=D= \begin{pmatrix} \lambda_1&0&\dots&0\\ 0&\lambda_2&&\vdots\\ \vdots&&\ddots&0\\ 0&\dots&0&\lambda_n \end{pmatrix} );
すると、
&math((P^{-1}AP)^m=P^{-1}APP^{-1}AP\dots P^{-1}AP= P^{-1}A^mP= \begin{pmatrix} \lambda_1^m&0&\dots&0\\ 0&\lambda_2^m&&\vdots\\ \vdots&&\ddots&0\\ 0&\dots&0&\lambda_n^m \end{pmatrix} );
より、
&math(A^m = P \begin{pmatrix} \lambda_1^m&0&\dots&0\\ 0&\lambda_2^m&&\vdots\\ \vdots&&\ddots&0\\ 0&\dots&0&\lambda_n^m \end{pmatrix} P^{-1} );
と表せる。
左辺を普通に計算しようとすれば 回の行列のかけ算が必要になるが、 右辺は数値の 乗と、2回の行列のかけ算で済むため計算量が少なく、 また理論的にも見通しがよい。
一般の行列の多項式†
を任意の多項式として、
を次のように定義する。
(ゼロ次項に単位行列が掛かっていることに注意せよ)
すると、
&math(g(P^{-1}AP)&=a_0I+a_1(P^{-1}AP)+a_2(P^{-1}AP)^2+a_3(P^{-1}AP)^3+\dots\\ &=a_0P^{-1}P+a_1(P^{-1}AP)+a_2(P^{-1}AP)^2+a_3(P^{-1}AP)^3+\dots\\ &=a_0P^{-1}P+a_1P^{-1}AP+a_2P^{-1}A^2P+a_3P^{-1}A^3P+\dots\\ &=P^{-1}(a_0+a_1A+a_2A^2+a_3A^3+\dots)P\\ &=P^{-1}g(A)P\\ &= \begin{pmatrix} g(\lambda_1)&0&\dots&0\\ 0&g(\lambda_2)&&\vdots\\ \vdots&&\ddots&0\\ 0&\dots&0&g(\lambda_n) \end{pmatrix} );
したがって、
&math( g(A)= &= P \begin{pmatrix} g(\lambda_1)&0&\dots&0\\ 0&g(\lambda_2)&&\vdots\\ \vdots&&\ddots&0\\ 0&\dots&0&g(\lambda_n) \end{pmatrix} P^{-1} );
のように、任意の行列の多項式を、対角化を用いて固有値の多項式に関連づけることができる。
行列の超関数†
指数関数のテイラー展開は、
であるから、
&math(ae^{bA}=a\sum_{k=0} \frac{1}{k!}(bA)^k= aP \begin{pmatrix} g(b\lambda_1)&0&\dots&0\\ 0&g(b\lambda_2)&&\vdots\\ \vdots&&\ddots&0\\ 0&\dots&0&g(b\lambda_n) \end{pmatrix} P^{-1});
などとして、「行列の指数関数」を定義できる。
このような関数が量子力学他で利用される。