量子力学Ⅰ
$x,y,z$ 座標形で求めた解と球座標解との対応†
3次元調和振動子を
座標で説いた結果得られた解をエネルギーの低いものから並べれば、
| n_x | n_y | n_z |
| 0 | 0 | 0 | 0 |
| 1 | 1 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 0 |
| 0 | 0 | 1 |
| 2 | 2 | 0 | 0 |
| 0 | 2 | 0 |
| 0 | 0 | 2 |
| 1 | 1 | 0 |
| 0 | 1 | 1 |
| 1 | 0 | 1 |
などとなる。
一方、同じ系を球座標で解けば、
| l | m |
| 0 | 0 |
| 1 | -1 |
| 0 |
| 1 |
| 2 | -2 |
| -1 |
| 0 |
| 1 |
| 2 |
のように、
の解は縮退がなく、
の解は3重に、
は5重に縮退していることが期待される。
したがって、
- 縮退のない
は
の s 状態
- 3重に縮退した
は
の p 状態
- 6重に縮退した
は2つの p 状態、あるいは s 状態と d 状態が1つずつ、縮退した状態*1実際にはこの場合は後者である
にそれぞれ対応していることが期待され、以下に見るように確かにそのようになっている。
$n=0$ の解†
は
に依存しておらず、そのような
は
のみである。
すなわち
は s 状態である。
$n=1$ の解†
ここで、
&math(
\begin{cases}
x=r\sin\theta\cos\phi\\
y=r\sin\theta\sin\phi\\
z=r\cos\theta
\end{cases}
);
であるから、
これらはすべて
つまり p 状態であることが分かる。
ここから
が
の
に対する固有関数であることが分かる。
に対してはそのままでは
の固有関数ではないが、
とすることにより
のそれぞれ
の固有関数となることが分かる。