球対称井戸型ポテンシャル の履歴(No.3)

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量子力学Ⅰ

球形の箱の中の粒子

 &math( V(r)=\begin{cases} 0&(r<=a)\\ V_0&(r>a)\\ \end{cases} );

の場合には、 \chi(r)=rR(r) を考えるよりも R(r) をそのまま扱った方が都合がよい。

  \rho=\sqrt{\frac{2m\varepsilon}{\hbar^2}}r

と置くことにより、箱の内部の方程式は

 &math( \frac{d^2R}{d\rho^2}+\frac{2}{\rho}\frac{dR}{d\rho}+\left\{1-\frac{l(l+1)}{\rho^2}\right\}R=0 );

となる。この解は球ベッセル関数 j_l(\rho) と呼ばれる。

  j_0(\rho)=\frac{\sin\rho}{\rho}

  j_1(\rho)=\frac{\sin\rho}{\rho^2}-\frac{\cos\rho}{\rho}

  j_2(\rho)=\left(\frac{3}{\rho^3}-\frac{1}{\rho}\right)\sin\rho-\frac{3}{\rho^2}\cos\rho

 ...

詳しい導出はこちら

これらの関数は j_0(\rho)=1 であり、 また l\ge 1 では j_l(\rho)=0 となる。

分子の \sin \cos の周期性を反映して j_l(\rho)=0 を満たす根を無限個持つ。

SphericalBesselJ.png

1次元の箱形ポテンシャルのところで学んだのと同様に、 V_0=+\infty の場合には r=a において j_l(\rho(r))=0 が要求されるから、

  j_l\Big(\sqrt{\frac{2m\varepsilon}{\hbar^2}}a\Big)=0

により \varepsilon が決定される。

V_0 が有限の場合にも、 r=a における位相が少しずれるものの、 外部の解と連続かつなめらかに接続する条件から \varepsilon が決定される。

j_l(\rho) の代わりに |\rho j_l(\rho)|^2 をプロットすると下のようになる。 j_l(\rho) 1/\rho に対する最低次は l が偶数の時は \frac{\sin\rho}{\rho} l が奇数の時は \frac{\cos\rho}{\rho} であるから、 \rho j_l(\rho) では 1/\rho^k のかかった項の他に \sin\rho または \cos\rho がそのまま現れる。 \rho の大きいところでは 1/\rho のかかった項は相対的に小さくなり、 \sin\rho あるいは \cos\rho に漸近する。

SphericalBesselJ2.png

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