ウォーム&ウォームホイール の履歴(No.6)

更新


工作/Fusion360歯車スクリプト

概容

Fusion360歯車スクリプト を使ってウォームとウォームホイールを作り、組み合わせて動かしてみます。

ただし、このスクリプトでウォームホイールを作るにはいろいろ制約がありますのでご注意ください。

スクリプトのダウンロード、インストール、基本的な使い方は上のリンクをたどって下さい。

worm_wheel5.gif

目次

ウォームの生成

ウォームはラックを回転させることで生成しています。

Rack/Worm タブで Num. Spiral (条数)を 1 以上にするとラックではなくウォームが生成されます。

worm3.png worm4.jpg

条数は、ウォームを1回転させたときに軸方向に進むピッチ数のことです。 ウォームの断面を見たときに円周状に並ぶ歯の数でもあります。

図は同じピッチ、同じ基準円直径で条数を1,2,3,4と変化させて生成したウォーム形状です。

ウォームホイールの生成

Flat Gear タブの Worm Wheel にチェックを入れ、
Worm Diameter にウォームの基準円直径を、
Worm Spiral にウォームの条数を入力すると生成できるのですが・・・

ここで生成されるウォームはそのままでは利用できません!

worm_wheel1.png

そのままの状態でウォームとかみ合う(あるいは半ピッチ分回転が必要かも)ように生成されるため、 なぜこれがそのまま使えないかは干渉を調査してみると一目瞭然です。

worm_wheel2.jpg

ウォームホイールの歯先をウォームの歯溝へ出し入れする際に歯先同士が干渉してしまうのです。

これを防ぐにはウォームホイールの歯先をトリミングしてやる必要があるのですが、 この計算をまじめにやろうとするとかなり大変です。。。

ウォームを切削具として使って Fusion360 内でトリミングの計算を行う

上記のように生成したウォームホイールと、バックラッシュを負に設定した切削用のウォームを組み合わせて少しずつ動かしながら、ウォームホイール形状からウォーム形状を引き算することにより、実際にウォームホイールが切削により切り出される際と同様の加工を行えます。

ただこれ、手作業ではやってられないのでスクリプトでやりたいところ。
一応頑張って動かしたのがこれです:(スクリプトの紹介はこちら→ 工作/Fusion360歯車切削スクリプト

worm_wheel3.gif

単にモーションリンクで動かしているだけのように見えますが、これ実はかなりの時間がかかっていて、ウォームを18度回すごとにウォームホイールからウォーム形状を切り取る作業をウォームホイールが1ピッチ進むまで繰り返しています。

で、切ったウォームホイール形状を切る前のウォームホイール形状から引き算したのがこちら:

worm_wheel4.jpg worm_wheel5.jpg

かなりがっつり削られていますね。

この切り欠き部分を円周上のパターンにして引き算すれば、そして始めに用意するウォームのバックラッシュを負にしておけば、ウォームホイール歯先部分のトリミングを行えることになるのですが・・・面倒だし、計算重いし、もっとうまくできる方法はないものか???

worm_wheel6.jpg

ウォームを太くウォームホイールを大きくしてみた

ウォームを太くして 60 mm に、ウォームホイールも大きくして 24 枚にしたのがこちら。

worm_wheel7.gif

計算を軽くするため上図のように歯を2枚だけ取り出して計算し、後で1枚分ずらして重ね合わせ共通部分を取ることでトリミングされた1枚の歯形を得た。このときウォームホイールはバックラッシュを 0.05 mm に、ウォーム側はバックラッシュを負の値にして -0.05 mm にした。

トリミング前との差を取るとこんな感じ。

worm_wheel8.gif worm_wheel9.jpg

トリミングされた厚さはそれほどないものの、トリミング前の面が出ているのは中央のごく一部のみに限定されている。

トリミング前後を比べると、中央部分はほぼ一致していてそこからトリミング前よりも大きな半径で切り取られているように見える。

これは https://www.khkgears.co.jp/gear_technology/pdf/gijutu.pdf#page=38 こちらの資料で、

(3)ウォームギヤのクラウニング

ウォームギヤにおいては、他の歯車と比較して、クラウニングが非常に大切です。このクラウニングをすることによって歯車の組立誤差などによる歯面の片当りを防ぐとともに、油膜を形成するために必要な、入口すきまを確保することができます。

(中略)

ウォームホイールの歯にクラウニングをする方法としては、次のような方法があります。

(a)ウォームより大きい基準円直径のホブでウォームホイールを歯切りする方法

と書かれていて、ウォームホイールの歯を切るときに本来組み合わせて使おうとしているウォームよりも太いウォームを使って歯切りすることが行われると書かれていて、上の様子を見る限りその方法で干渉を除去できるのではないかという気がしてきます???

半径の大きなウォームを仮定して作成したものと比較してみる

直径 100 mm のウォームに合わせて切ったウォームホイール(紫)を、
上で作成した 60 mm のウォームに合わせて切ったウォームホイールをトリミングしたもの(青)と比較してみました。

worm_wheel10.jpg

曲率としては近いものが得られましたが、はすばのねじれ角的なものがずれてしまっていて、この方法で近似するのは難しいようです。

これは、仮想ウォームの直径を大きくしてしまうとより小さな動きでウォームホイールの厚さ方向に歯が動くため、その分だけはすばのねじれ角が小さくなってしまうということのようですね。

仮想直径と本来の直径の比率分だけ直進成分を速めてやれば合わせることができそうです?

ねじれ角を合わせられるようにした

ウォーム直径と、加工用ホブ直径倍率を別々に入力する形にして、
加工用ホブ断面の直進速度を本来のウォーム直径に合わせて調整する処理を入れてみました。

ホブ直径倍率 = 1.7 のとき:
裏と表とそれぞれから見た絵がこれ↓ 少し歯が細くなりすぎてはいるものの、近似歯形としては悪くない類似度が得られている。

worm_wheel11.jpg worm_wheel12.jpg worm_wheel13.jpg

ホブ直径倍率 = 1.5 のとき:

worm_wheel14.jpg

片側はまだ内側に入っているのにもう片側は外側に出てしまっている。
ねじれ角さえ合っていれば歯の厚み的にはこのあたりがジャストに見えるのだけれど・・・

さしあたり

ホブ直径倍率をいい感じに選んで干渉がなくなるようにしてやればまあ使えないことはなさそう。

はすば角度をもっとうまく一致させる方法がないかは引き続き考えてみたい?

もっと正しい形を得るには 工作/Fusion360歯車切削スクリプト を使って切った歯形に 工作/Fusion360曲面生成スクリプト を適用する?

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