線形代数II/基底の変換 のバックアップ(No.10)

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線形代数Ⅱ?

基底の変換

$\mathbb R^3$ の数ベクトル表現

次の3つのベクトルは \mathbb R^3 の基底を為す。

&math( \bm b_1=\begin{pmatrix}1\\0\\0\end{pmatrix}, \bm b_2=\begin{pmatrix}1\\1\\0\end{pmatrix}, \bm b_3=\begin{pmatrix}1\\1\\1\end{pmatrix} );

つまり、次の2つが成り立つ。

  1. \bm b_1,\bm b_2,\bm b_3 は線形独立である
  2. \bm b_1,\bm b_2,\bm b_3 \mathbb R^3 を張る

1. はほぼ自明

2. は、 \forall \bm x=\begin{pmatrix}x\\y\\z\end{pmatrix}\in \mathbb R^3 を、

\bm x=\bm b_1 x' +\bm b_2 y'+\bm b_3 z'

として表せると言う意味。あるいはこれを満たす x',y',z' を見つけられるという意味。

&math( \bm x=\begin{pmatrix}\bigg.\bm b_1&\bm b_2&\bm b_3\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x'\\y'\\z'\end{pmatrix} =B\bm x');

と書き直すと、1. より B は正則行列であるから、どんな \bm x を与えられたとしても \bm x'=B^{-1}\bm x とすれば \bm x' を見つけられることが分かる。

すなわち、 \mathbb R^3 のベクトル \begin{pmatrix}x\\y\\z\end{pmatrix} の、 基底 \bm b_1,\bm b_2,\bm b_3 に対する数ベクトル表現は、

\begin{pmatrix}x'\\y'\\z'\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}\bm b_1&\bm b_2&\bm b_3\end{pmatrix}^{-1}\begin{pmatrix}x\\y\\z\end{pmatrix}

と書けることが分かる。

実は上記の議論は線形独立な任意の \bm b_1,\bm b_2,\bm b_3 にあてはまる。

基底の変換行列

n 次元線形空間 V に2つの基底を取る

\widetilde A=\set{\bm a_1,\bm a_2,\dots,\bm a_n}

\widetilde B=\set{\bm b_1,\bm b_2,\dots,\bm b_n}

これらの基底に対するベクトル \bm x\in V の表現 \bm x_{\widetilde A}, \bm x_{\widetilde B}\in K^n は、

(1) &math( \bm x=\begin{pmatrix}\bm a_1&\bm a_2&\dots&\bm a_n\end{pmatrix}\bm x_{\widetilde A} );

(2) &math( \bm x=\begin{pmatrix}\bm b_1&\bm b_2&\dots&\bm b_n\end{pmatrix}\bm x_{\widetilde B} );

の関係を満たす。図に表わせば、

基底の変換.png

\bm x_{\widetilde A}\to \bm x および \bm x\to \bm x_{\widetilde B} はともに 線形写像となるから、その合成写像 \bm x_{\widetilde A}\to \bm x_{\widetilde B} も線形写像である。

線形代数I において K^n\to K^n の線形変換は n\times n 行列の積で表せることを学んだ。 すなわち、ある行列 P_{\widetilde B\to \widetilde A} を用いて、

(3)  \bm x_{\widetilde B}=P_{\widetilde B\to \widetilde A}\bm x_{\widetilde A}

と表せる。

このとき、 P_{\widetilde B\to \widetilde A} を 基底 \widetilde B から 基底 \widetilde A への基底の変換行列と呼ぶ。

変換の向き

上記を良く読んで「変換の向きは逆じゃないの?」と思うのは正しい感覚。

どうしてこの向きかというと、

(2) に (3) を代入して、

&math( \bm x=\begin{pmatrix}\bm b_1&\bm b_2&\dots&\bm b_n\end{pmatrix}P_{\widetilde B\to \widetilde A}\bm x_{\widetilde A} );

と (1) とを比べると、

(4) &math( \begin{pmatrix}\bm a_1&\bm a_2&\dots&\bm a_n\end{pmatrix}= \begin{pmatrix}\bm b_1&\bm b_2&\dots&\bm b_n\end{pmatrix}P_{\widetilde B\to \widetilde A} );

となり、 \widetilde B の基底ベクトルを並べて右から P_{\widetilde B\to \widetilde A} を掛けることで \widetilde A の基底ベクトルが得られる。

こう書けば変換の向きは正しく思えるはず。

変換行列 $P_{\widetilde B\to \widetilde A}$ の具体的な形

変換行列の列ベクトルを次のように置けば、

P_{\widetilde B\to \widetilde A}=\begin{pmatrix}\bm p_1&\bm p_2&\dots&\bm p_n\end{pmatrix}

(4) より、

&math( \bm a_i= \begin{pmatrix}\bm b_1&\bm b_2&\dots&\bm b_n\end{pmatrix}\bm p_i );

一方、 \bm a_i \widetilde B に対する表現 \bm a_{i\widetilde B}

&math( \bm a_i= \begin{pmatrix}\bm b_1&\bm b_2&\dots&\bm b_n\end{pmatrix}\bm a_{i\widetilde B} );

であるから、

\bm p_i=\bm a_{i\widetilde B}

すなわち、

P_{\widetilde B\to \widetilde A}=\begin{pmatrix}\bm a_{1\widetilde B}&\bm a_{2\widetilde B}&\dots&\bm a_{n\widetilde B}\end{pmatrix}

となる。

正則性

当然、逆写像も線形写像であるから、

\bm x_{\widetilde A}=P_{\widetilde A\to \widetilde B}\bm x_{\widetilde B}

であり、

P_{\widetilde A\to \widetilde B}=P_{\widetilde B\to \widetilde A}^{-1}

の関係がある。すなわち、基底の変換行列は正則行列である。

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