箱の中の自由粒子/メモ のバックアップ(No.5)

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目次

概要

量子力学I/箱の中の自由粒子? のページの補足です。

演習:1次元の箱の中の自由粒子

解答

(1) 箱の内部では V(x)=0 であるから、シュレーディンガー方程式は

 &math(

  • \frac{\hbar^2}{2m}\frac{d^2}{dx^2}\psi(x)=E\psi(x) );

(2) 与式を代入すれば、

 &math(

  • \frac{\hbar^2}{2m}\frac{d}{dx}(ikAe^{ikx}-ikBe^{-ikx})=E\psi(x) );

 &math(

  • \frac{\hbar^2}{2m}(-k^2Ae^{ikx}+k^2Be^{-ikx})=E\psi(x) );

 &math( \frac{\hbar^2k^2}{2m}\psi(x)=E\psi(x) );

常に \psi(x)=0 では解にならないから \frac{\hbar^2k^2}{2m}=E すなわち k=\frac{\sqrt{2mE}}{\hbar} と求まる。

(3) V(x)=+\infty の点で \psi(x)\ne 0 であれば右辺は有限値、 左辺は \infty となり方程式を満たさないため。

(4) 境界条件は \psi(0)=\psi(a)=0 であるから、

  \psi(0)=A+B=0 すなわち B=-A

  \psi(a)=A(e^{ika}-e^{-ika})=2iA\sin(ka)=0

A=0 では解にならないから \sin(ka)=0 すなわち n を任意の整数として ka=n\pi つまり

  k=k_n=n\pi/a

であるときに限り境界条件を満たす。

ここで、 n=0 k=0 、 すなわち \psi が定数となり、境界条件から \psi(x)=0 となってしまい、解にはならない。 また、 n -n とは解の符号が変わるのみであるから、 独立な解にならない。

そこで、 n を自然数に限ることにより、異なる n がそれぞれ独立な固有関数を表わす。

(5) (2) の式を E について解くことにより、

  E_n=\frac{\hbar^2 k_n^2}{2m}=\frac{\hbar^2 \pi^2}{2ma^2}n^2

(6) 固有関数は \psi_n(x)=A\sin(n\pi x/a) の形になる。

 &math( \int_0^a|\psi(x)|^2\,dx &=\int_0^a\big[A\sin(n\pi x/a)\big]^2\,dx\\ &=|A|^2\int_0^a\frac{1-\cos(2n\pi x/a)}{2}\,dx\\ &=\frac{|A|^2}{2}\Big[x-\frac{a}{2n\pi}\sin(2n\pi x/a)\Big]_0^a\\ &=\frac{a|A|^2}{2}\\ &=1\\ );

より、例えば A=\sqrt{2/a} と置けば良く、

  \psi_n(x)=\sqrt{2/a}\sin(n\pi x/a)

を得る。

この波動関数に、絶対値が1となるような任意の定数を掛けてもやはり規格化された解を与えることに注意せよ。

(7) \Psi_n(x,t)=e^{-i\omega_n t}\psi_n(x)

ただし、 \hbar\omega_n=E_n=\frac{\hbar^2 \pi^2}{2ma^2}n^2 より、

  \Psi_n(x,t)=\sqrt{\frac{2}{a}}\exp\Big(-i\underbrace{\frac{\hbar n^2\pi^2}{2ma^2}}_{\omega_n}t\Big)\sin\Big(\underbrace{\frac{n\pi}{a}}_{k_n} x\Big)

波動関数の形:偶関数と奇関数

x=0 に対して対称なポテンシャルに対するエネルギーの固有関数は必ず偶関数あるいは奇関数となる。

縮退のない場合、すなわちある固有値 E_k に対して一次独立な固有関数が それぞれ1つだけしか無い場合については以下のように簡単に証明できる。

まず、

  \left(-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{\PD^2}{\PD x^2}+V(x)\right)\varphi_k(x)=E_k\varphi_k(x)

とし、ポテンシャルが原点に対して対称、つまり V(-x)=V(x) とする。

上の式の x x\to -x と変数変換すると、

\frac{\PD}{\PD x}\to -\frac{\PD}{\PD x} \frac{\PD^2}{\PD x^2}\to \frac{\PD^2}{\PD x^2} V(x)\to V(-x)=V(x) より、

  \left(-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{\PD^2}{\PD x^2}+V(x)\right)\varphi_k(-x)=E_k\varphi_k(-x)

を得る。すなわち、 \varphi_k(-x) も固有値 E_k に属する固有関数である。

縮退していない場合、 \varphi_k(-x)=A\varphi_k(x) と書けることになるが、 同様に \varphi_k(-(-x))=A\varphi_k(-x) であるから、

  \varphi_k(x)=\varphi_k(-(-x))=A\varphi_k(-x)=A^2\varphi_k(x)

となって、 A=\pm 1 でなければならない。

これは \varphi_k(-x)=\pm\varphi_k(x) を意味しており、 エネルギー固有関数が必ず偶関数あるいは奇関数となることを意味している。

E_k が縮退している場合にも、証明は単純ではないが、 縮退する複数の固有関数の一次結合により、 偶関数および奇関数の独立な解を得ることが可能である。

非定常状態の解

Mathematica ソース

LANG:mathematica
Sum[(1/n!)^2, {n, Infinity}]
(* output: -1 + BesselI[0, 2] *)

psi[x_, t_] := Sqrt[2/(BesselI[0, 2] - 1)] Sum[Exp[I n^2 t] Sin[n Pi x]/n!, {n, 50}]

Module[{t = 0},
  Show[{
    Plot[ Abs[psi[x, t]]^2, {x, 0, 1}, 
      BaseStyle -> {FontSize -> 18}, ImageSize -> Large, PlotRange -> {0, 3}],
    Graphics[Text["t = " <> ToString[t], {0.8, 2.8}, {-1, 0}]]
  }]
]

anim = Table[
  Show[{
    Plot[ Abs[psi[x, t]]^2, {x, 0, 1}, 
      BaseStyle -> {FontSize -> 18}, ImageSize -> Large, PlotRange -> {0, 3}],
    Graphics[Text["t = " <> ToString[t], {0.8, 2.8}, {-1, 0}]]
  }], {t, 0, 10, 0.02}
];
Export["time-dependent.gif", anim, "GIF"]

Show[{
  DensityPlot[ Abs[psi[x,t]]^2, {x, 0, 1}, {t, 0, 10}, 
    PlotPoints -> 100, ImageSize -> Large],
  ParametricPlot[
    { NIntegrate[x Abs[psi[x, t]]^2, {x, 0, 1}], t}, 
    {t, 0, 10}, PlotPoints -> 40, ImageSize -> Large, PlotStyle -> {Thick, Red}]
}, BaseStyle -> {FontSize -> 18}]

1次元の箱の中の自由粒子(有限ポテンシャル)

詳しい導出過程

#ref(): File not found: "continuous.png" at page "量子力学I/箱の中の自由粒子"

k=\sqrt{2mE}/\hbar k'=\sqrt{2m(V-E)}/\hbar に対して、

  • 箱の左: \psi_1(x)=Ce^{k'x}
  • 箱の中: \psi_2(x)=Ae^{ikx}+Be^{-ikx}
  • 箱の右: \psi_3(x)=De^{-k'x}

境界条件は、

  • \psi_1(0)=\psi_2(0) \psi_1'(0)=\psi_2'(0)
  • \psi_2(a)=\psi_3(a) \psi_2'(a)=\psi_3'(a)

代入すると、

C=A+B k'C=ik(A-B) より \frac{A-B}{A+B}=\frac{k'}{ik}

Ae^{ika}+Be^{-ika}=De^{-k'a} ik(Ae^{ika}-Be^{-ika})=-k'De^{-k'a} より \frac{Ae^{ika}-Be^{-ika}}{Ae^{ika}+Be^{-ika}}=-\frac{k'}{ik}

したがって、

  -\frac{A-B}{A+B}=\frac{Ae^{ika}-Be^{-ika}}{Ae^{ika}+Be^{-ika}}

  -(A-B)(Ae^{ika}+Be^{-ika})=(A+B)(Ae^{ika}-Be^{-ika})

  A^2e^{i2ka}=B^2

  B=\pm Ae^{ika}

これを上の式に代入すれば、

  C=A(1\pm e^{ika})

  D=Ae^{k'a}(e^{ika}\pm 1)

であり、さらに k'C=ik(A-B) より

  k'(1\pm e^{ika})=ik(1\mp e^{ika})

を得る。

 &math( \psi_2(x)&=A(e^{ikx}\pm e^{ka}e^{-ikx})\\ &=Ae^{ka/2}(e^{ik(x-a/2)}\pm e^{-ik(x-a/2)})\\ &=2Ae^{ka/2}\frac{e^{ik(x-a/2)}\pm e^{-ik(x-a/2)}}{2}\\ );

  C=2Ae^{ka/2}\frac{e^{-ika/2}\pm e^{ika/2}}{2}

  D=2Ae^{ka/2}\,e^{k'a}\frac{e^{ika/2}\pm e^{-ika/2}}{2}

  (k'a/2)\frac{e^{-ika/2}\pm e^{ika/2}}{2}=i(ka/2)\frac{e^{-ika/2}\mp e^{ika/2}}{2}

より 2Ae^{ka/2}=A' と置いて、

[複号の上を取れば]

  \psi_1(x)=A'\cos(-ka/2)e^{k'x}

  \psi_2(x)=A'\cos\big(k(x-a/2)\big)

  \psi_3(x)=A'\cos(ka/2)e^{-k'(x-a)}

  (k'a/2)\cos(ka/2)=(ka/2)\sin(ka/2)

[複号の下を取れば]

  \psi_1(x)=iA'\sin(-ka/2)e^{k'x}

  \psi_2(x)=iA'\sin\big(k(x-a/2)\big)

  \psi_3(x)=iA'\sin(ka/2)e^{-k'(x-a)}

  -(k'a/2)\sin(ka/2)=(ka/2)\cos(ka/2)

のように、それぞれ x=a/2 を中心に \cos 的、 \sin 的な波動関数となる。

k,k' についての条件式の両辺を二乗した上で k'^2+k^2=\frac{2mV}{\hbar^2} の関係を使って書き直せば、

[ \cos 的な関数について]

  (ka/2)^2(1+\tan^2(ka/2))=\frac{mVa^2}{2\hbar^2} ただし \tan(ka/2)>0

[ \sin 的な関数について]

  (ka/2)^2(1+\cot^2(ka/2))=\frac{mVa^2}{2\hbar^2} ただし \tan(ka/2)<0

を得る。

Mathematica ソース

LANG:mathematica
Plot[{x^2,
    If[Tan[x] < 0, Infinity, x^2 (1 + Tan[x]^2)],
    If[Cot[x] > 0, Infinity, x^2 (1 + Cot[x]^2)]
  }, {x, 0, 14}, PlotRange -> {0, 200}, 
  PlotLegends -> Placed[{"連続限界", "cos 的", "sin 的"}, Above],
  BaseStyle -> {FontSize -> 18}, ImageSize -> Large,
  PlotStyle -> {{Gray, Dashed}, Blue, Purple},
  Filling -> {1 -> Axis}, FillingStyle -> {1 -> {Black, Opacity[0.05]}},
  AxesLabel -> {ka/2, mVa^2/(2 \[HBar]^2)}
]

NSolve[x^2 (1 + Tan[x]^2) == 50 && Tan[x] > 0 && 0 < x < 10, x, WorkingPrecision -> 15]
(* {{x -> 1.37508316964374}, {x -> 4.09477807780528}, {x -> 6.63585976688118}} *)

NSolve[x^2 (1 + Cot[x]^2) == 50 && Cot[x] < 0 && 0 < x < 10, x, WorkingPrecision -> 15]
(* {{x -> 2.74319088650076}, {x -> 5.41164383515459}} *)

coslike[x_, k_] := Module[{k2 = Sqrt[4 50 - k^2]},
  Sign[k] If[x < 0, Cos[k/2] Exp[k2 x], 
     If[x < 1, Cos[k (x - 1/2)], Cos[k/2] Exp[-k2 (x - 1)]]] 10 + k^2
 ]

sinlike[x_, k_] := Module[{k2 = Sqrt[4 50 - k^2]},
  If[x < 0, -Sin[k/2] Exp[k2 x], 
     If[x < 1, Sin[k (x - 1/2)], Sin[k/2] Exp[-k2 (x - 1)]]] 10 + k^2
]
 
Plot[{
 coslike[x, 2 1.37508316964374341419334462792217407823`15.],
 sinlike[x, -2 2.74319088650075787031867823175879453346`15.],
 coslike[x, -2 4.0947780778052791609523226938312581713`15.],
 sinlike[x, 2 5.41164383515459114436056269363192749999`15.],
 coslike[x, 2 6.63585976688118310914259741089030967404`15.]
 },
 {x, -0.5, 1.5}, PlotRange -> {0, 300}, ImageSize -> Large, 
  BaseStyle -> {FontSize -> 20},
  Axes -> {True, False}, 
  PlotStyle -> {Thick, Thin, Thin, Thin, Thin, Thin},
  AspectRatio -> 1
]

sin[x_, n_] := If[x < 0, 0, If[x > 1, 0, Sin[n Pi x]]] 10 + (n Pi)^2

Plot[{If[x < 0, 500, If[x < 1, 0, 500]],
 sin[x, 1], sin[x, 2], sin[x, 3], sin[x, 4], sin[x, 5] },
 {x, -0.5, 1.5}, PlotRange -> {0, 300}, ImageSize -> Large, 
 BaseStyle -> {FontSize -> 20},
 Axes -> {True, False}, 
 PlotStyle -> {Thick, Thin, Thin, Thin, Thin, Thin}, 
 AspectRatio -> 1
]

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