線形代数I/連立一次方程式 のバックアップ差分(No.1)

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[[線形代数I]]

* 連立一次方程式 [#vdbf36fb]
** 連立一次方程式とは [#t281aa54]

- 一次方程式:最大で一次の項からなる方程式
- 連立:複数ある

一次の項?

-0次:&math(0, 3, \sqrt{5}, a, b, \cdots);
-一次:&math(x, y, z, w, \cdots );
-二次:&math(x^2, y^2, xy, \cdots);
-三次:&math(x^3, xy^2, xyz, \cdots);
-・・・

そして

-項:+やーで繋がれたもの~
&math(x+a+(c+d)); なら &math(x); や &math(a); の他、&math((c+d)); を項と呼ぶことも
-因子:積や商で繋がれたもの~
&math(ax); なら &math(a); や &math(x);

「最大で一次の項からなる方程式が複数ある」

** 一次方程式の例 [#xb29f4b3]

&math(\left\{\begin{array}{l} x+2y=-1 \\ 3x+y=2 \end{array}\right .); 
&math(\left\{\begin{array}{l} x=1 \\ y=-1 \end{array}\right .);

** 必ずしも解けるわけではない [#i7ba83b0]

- 解がたくさん出てくる
- 解が1つもない

*** 解がたくさん出てくる [#q5322b43]

&math(\left\{\begin{array}{l} x+2y=-1 \\ 2x+4y=-2 \end{array}\right .); 
&math(\left\{\begin{array}{l} x=-2k-1 \\ y=k \end{array}\right .);~
任意の &math(k); について解になる。

*** 解が1つもない [#pd098cf0]

&math(\left\{\begin{array}{l} x+2y=-1 \\ 2x+4y=-3 \end{array}\right .); 

下の式から上の式の2倍を引くと、

&math(0=-1);~

どんな &math(x,y); を持ってきてもこの式を満たすことはできない。

したがって、「解無し」

** 連立方程式の一般系 [#f80b9588]

&math(\left\{\begin{array}{c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c} a_{11}x_1&+&a_{12}x_2&+\cdots+&a_{1n}x_n&=&b_1 \\ a_{21}x_1&+&a_{22}x_2&+\cdots+&a_{2n}x_n&=&b_2 \\ \vdots&&\vdots&&\vdots&&\vdots\\ a_{m1}x_1&+&a_{m2}x_2&+\cdots+&a_{mn}x_n&=&b_m \\ \end{array}\right .);

&maht(x_1,x_2,\cdots,x_n); が変数~
&maht(a_{11},\cdots,a_{mn}); が定数(係数)~
&maht(b_1,b_2,\cdots,b_m); も定数

変数に使う文字:~
変数が3つまでであれば、&math(x,y,z); が使われるし、~
変数が4つまでであれば、&math(x,y,z,w); が使われる事が多い。

それ以上の時は、&math(x_i); の形で表すとよい。

** 連立方程式とベクトル方程式 [#x6e4aead]

&math(A=\begin{bmatrix}a_{11}&a_{12}&\cdots&a_{1n}\\a_{21}&a_{22}&\cdots&a_{2n}\\\vdots&\vdots&\ddots&\vdots\\a_{m1}&a_{m2}&\cdots&a_{mn}\end{bmatrix});、
&math(\bm x = \begin{bmatrix}x_1\\x_2\\\vdots\\x_n\end{bmatrix});、
&maty(\bm b = \begin{bmatrix}b_1\\b_2\\\vdots\\b_m\end{bmatrix});~
係数行列、変数ベクトル、定数ベクトル

と置くと、連立一次方程式は次の形のベクトル方程式に書ける。

&math(A\bm x=\bm b);

** 方程式の解 [#b237ac88]

先の例と同様に、

- 1つだけに決まる
- たくさんある
- 1つもない

のいずれにもなりうる。

&math(A\bm x=\bm b); なら &math(\bm x=A^{-1}\bm b); 
だから、かならず解は1つだけ求まるんじゃないの?~
というのはちょっと甘い。

- &math(A); が正則でない場合もあるし
- そもそも &math(A); が正方行列にならない場合も考えないと

** 実際の問題では [#a586c4b6]

物理学やその他のシミュレーションでは、
何万、何十万の変数を持つ連立一次方程式を
計算機を使って解かなければならない問題がたくさんある。

- 大きな次数の計算では「行き当たりばったり」の計算方法では困る
- 方程式の性質自体を行列を使って理解したい

というのが、以降で行う内容。

** 連立一次方程式の例 [#r5b2dfab]

&math(\left\{\!\begin{array}{r@{\,}c@{\,}r@{\,}c@{\,}r@{\,}c@{\,}r@{\ \ \ \ \ \ \ }c}x&-&2y&+&3z&=&1&\MARU{1}\\3x&+&y&-&5z&=&-4&\MARU{2} \\-2x&+&6y&-&9z&=&-2&\MARU{3}\end{array}\right .);

を解こう。

&math(\begin{array}{r@{\,}c@{\,}r@{\,}c@{\,}r@{\,}c@{\,}r@{\ \ \ \ \ \ \ }ll}\phantom{-2x}&\phantom{-}&7y&-&14z&=&-7&\MARU{2}-3\times\MARU{1}&=\MARU{4}\\&&2y&-&3z&=&0&\MARU{3}+2\times\MARU{1}&=\MARU{5} \\&&y&-&2z&=&-1&\MARU{4}/7&=\MARU{6}\\x&&&-&z&=&-1&\MARU{1}+2\times\MARU{6}&=\MARU{7}\\&&&&z&=&2&\MARU{5}-2\times\MARU{6}&=\MARU{8}\\x&&&&&=&1&\MARU{7}+\MARU{8}&=\MARU{9}\\&&y&&&=&3&\MARU{6}+2\times\MARU{8}&=\MARU{10}\\\end{array});

∴&math(\MARU{9}\MARU{10}\MARU{8});より &math(x=1,\ y=3,\ z=2);

あるいは、

&math(\begin{bmatrix}x\\y\\z\end{bmatrix}=\begin{bmatrix}1\\3\\2\end{bmatrix});

** どうやったか? [#k3cc2a39]

連立方程式の解を変化させずに以下の式変形が可能:
- ある式を定数倍(&math(\neq 0);)する
- ある式を定数倍して別の式に加える
- (ある式を別の式を入れ替える) ←必要なら

与えられた式に上記の操作を繰り返して、最終的に

&math(\left\{\begin{array}{c@{\ }c@{\ }c@{\ }c@{\ }c}x&&&=&?\\&y&&=&?\\&&z&=&?\end{array}\right .);

の形にした。

** 係数だけ取り出して考える [#ca5d7a2b]

&math(\left\{\!\begin{array}{r@{\,}c@{\,}r@{\,}c@{\,}r@{\,}c@{\,}r@{\ \ \ \ \ \ \ }c}x&-&2y&+&3z&=&1&\MARU{1}\\3x&+&y&-&5z&=&-4&\MARU{2} \\-2x&+&6y&-&9z&=&-2&\MARU{3}\end{array}\right .);

のような連立一次方程式に対して、係数行列と定数ベクトルを並べてできる次のような行列を「拡大係数行列」と呼ぶ。

&math(A^*=[\,A\ \bm b\,]=\begin{bmatrix}1&-2&3&1\\3&1&-5&-4\\-2&6&-9&-2\end{bmatrix});

この行列に対して、
- ある行を定数倍(&math(\neq 0);)する
- ある行を定数倍して別の行に加える
- ある行を別の式を入れ替える

を行っても、対応する方程式の解は変わらない。

これら3つの変形は「(行に対する)基本変形」と呼ばれる。

行列が解けて、解が1つだけ定まる場合には、上記の拡大係数行列に変形を繰り返すことで、

&maht(\left[\begin{array}{ccccl}1&0&\cdots&0&b_1^\prime\\
0&1&&\vdots&\vdots\\\vdots&&\ddots&0&b_{m-1}^\prime\\0&\cdots&0&1&b_m^\prime\end{array}\right]=[\,I\ \bm b^\prime\,]);

のように、単位行列の右側に(はじめとは異なる)定数ベクトルが並ぶ形にできる。

この式は、

&math(\left\{\begin{array}{c@{\ }c@{\ }c@{\ }c@{\ }c}x&&&=&b_1^\prime\\&y&&=&b_2^\prime\\&&z&=&b_3^\prime\end{array}\right .);

のような式に対応していることから、

&math(\bm x=\bm b^\prime);

が解となる。

** ガウスの消去法(掃出し法) [#ua199d37]

先の問題を、拡大係数行列を変形する方法で解いてみる。

ここで採用する方法は「ガウスの消去法」あるいは「掃出し法」と呼ばれる。


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