電磁気学/Gauss の定理 のバックアップの現在との差分(No.4)
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[[電磁気学]] * Gauss の定理 [#i2e8a98e] &katex(); ** 基本 [#d04c8f8e] 任意の滑らかなベクトル場 &math(\bm E(\bm x)); に対して、 ある体積 &math(V); を囲む閉曲面 &math(S); からの発散が、 &math(\DIV \bm E); の体積積分で表わされるという定理。 任意の滑らかなベクトル場 $\bm E(\bm x)$ に対して、 ある体積 $V$ を囲む閉曲面 $S$ からの湧き出しが、 $\bm E$ の発散(ダイバージェンス divergence) $\DIV \bm E=\bm\nabla\cdot\bm E$ の体積積分で表わされるという定理。 &math(\int_S \bm E\cdot\bm n \,dS=\int_V\DIV\bm E\,d^3x); $$\begin{aligned}\int_S \bm E\cdot\bm n \,dS=\int_V\DIV\bm E\,d^3x\end{aligned}$$ 発散が次の2つの性質を持つことがこの定理の基礎となる。 湧き出しが次の2つの性質を持つことから導かれる。 + 微小領域からの発散は体積に比例する + 全体の発散は微小領域の発散を積算することで求められる + 微小領域からの湧き出しはその領域の体積に比例する + 領域全体からの湧き出しは部分領域の湧き出しを足し合わせることで求められる ** 微小量域の発散は体積に比例する [#j0fcf317] ** 微小領域からの湧き出しはその体積に比例する [#j0fcf317] &math((x,y,z)); に存在する &math(dx,dy,dz); を辺とする微小な直方体領域に、 &math(x); 軸方向の電場 &math(\bm E(x,y,z)=(E_x(x,y,z),0,0)); が存在する状況を考える。 #ref(divergence.png,right,around,33%); &attachref(divergence.png,,33%); $(x,y,z)$ に存在する $dx,dy,dz$ を辺とする微小な直方体領域に、 $x$ 軸方向の電場 $\bm E(x,y,z)=(E_x(x,y,z),0,0)$ が存在する状況を考える。~ (電場と $x$ 軸が平行になるような座標軸で考える、ということ) それぞれの面から外へ出る発散量を考えると、&math(y); 方向、&math(z); 方向の 電場成分はゼロだから、 それぞれの面から___外へ出る湧き出し量___を考えると、$y$ 方向、$z$ 方向の 電場成分はゼロであり、内向きの量には負号を付ければ良いから、 &math( &\int_\mathrm{small} \bm E\cdot\bm n\,dS\\ &=\bm e_x\cdot \bm E(x+dx,y,z) dy\,dz - \bm e_x\cdot \bm E(x,y,z) dy\,dz \\ &+\bm e_y\cdot \bm E(x,y+dy,z) dz\,dx - \bm e_y\cdot \bm E(x,y,z) dz\,dx \\ &+\bm e_z\cdot \bm E(x,y,z+dz) dx\,dy - \bm e_z\cdot \bm E(x,y,z) dx\,dy \\ &=\{E_x(x+dx,y,z)-E_x(x,y,z)\}dy\,dz\\ &=\frac{\PD E_x}{\PD x}dx\,dy\,dz\\ &\propto dx\,dy\,dz ); $$ \begin{aligned} \int_{dx\,dy\,dz} \bm E\cdot\bm n\,dS &=\big\{E_x(x+dx)-E_x(x)\big\}dy\,dz\\ &=\underbrace{\frac{\partial E_x}{\partial x}}_\text{比例係数} \underbrace{dx\,dy\,dz\vphantom{\frac00}}_\text{体積}\\ \end{aligned} $$ すなわち、 - &math(E_x(x+dx)-E_x(x)); が &math(dx); に比例する - 面積が &math(dy\,dz); に比例する - $E_x(x+dx)-E_x(x)$ が $dx$ に比例する - 面積が $dy\,dz$ に比例する が合わさって、全体として「体積」に比例することになる。 任意軸方向の電場が存在する時は $x$ 方向ではなく任意軸方向に電場が存在する時にはこの「比例係数」が $\DIV\bm E$ となる。 &math( \int_\mathrm{small} \bm E\cdot\bm n\,dS =\Big\{\frac{\PD E_x}{\PD x}+\frac{\PD E_y}{\PD y}+\frac{\PD E_z}{\PD z}\Big\}dx\,dy\,dz ); $$\begin{aligned} \DIV\bm E=\frac{\partial E_x}{\partial x}+\frac{\partial E_y}{\partial y}+\frac{\partial E_z}{\partial z}=\bm\nabla\cdot\bm E \end{aligned}$$ となり、この「比例係数」を &math(\DIV\bm E); と書く。 ** 領域全体の湧き出しは部分領域の湧き出しを積算することで求められる [#j633a789] &math( \frac{\PD E_x}{\PD x}+\frac{\PD E_y}{\PD y}+\frac{\PD E_z}{\PD z}=\DIV\bm E=\bm\nabla\cdot\bm E ); #ref(gauss.png,right,around,33%); ** 全体の発散は微小量域の発散を積算することで求められる [#j633a789] 興味ある空間を複数の小領域に分割し、それぞれの小領域について湧き出しを求めたとすると、 全体の湧き出しはそれらすべてを加えた物となる。 興味ある空間を無数の微小な領域に分割し、それぞれの領域について発散を求めたとすると、 全体の発散はそれらすべてを加えた物となる。 この理由を下図を用いて説明しよう。 &attachref(gauss.png,,50%); 図に見るように、各小領域からの湧き出しは、 図に見るように、各小領域からの発散は、実際に領域外に出る成分(図中ではCOLOR(red){赤矢印}で表わされる)と、 隣合う小領域に入る成分(図中ではCOLOR(green){緑矢印}で表わされる)に分けられる。 - 実際に領域外に出る成分 = COLOR(red){赤矢印} - 隣合う小領域に入る成分 = COLOR(green){緑矢印} このうち、隣合う小領域に入る成分については、隣の小領域の発散に符号を変えて同じ量が含まれるため、総和を取る際に打ち消し合う。 に分けられる。 この結果、小領域の総和は注目領域を囲む閉曲面からの外向きの発散に等しくなる。 このうち、隣合う小領域に入る成分については、隣の小領域の湧き出しに符号を変えて同じ量が含まれるため、総和を取る際に打ち消し合う。 この結果、小領域の総和は注目領域を囲む閉曲面からの外向きの湧き出しに等しくなる。 ** 上記2つを合わせることにより [#obb736a6] &math(\int_S \bm E\cdot\bm n \,dS=\int_V\DIV\bm E\,d^3x); $$\begin{aligned}\int_S \bm E\cdot\bm n \,dS=\int_V\DIV\bm E\,d^3x\end{aligned}$$ を得る。 体積 &math(V); は閉曲面 &math(S); に囲まれる領域である。 体積 $V$ は閉曲面 $S$ に囲まれる領域である。 * 質問・コメント [#h5867b88] #article_kcaptcha
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