スピントロニクス理論の基礎/X-4 のバックアップソース(No.1)
更新目次はこちら >> [[スピントロニクス理論の基礎]] #contents * Green 関数について [#bdad9752] ** Green 関数の基礎 [#u6b99619] 与えられた &math(h(x)); に対して、 (X3-1) &math(\hat L_x f(x)=h(x)); を解いて &math(f(x)); を決定する問題を考える。 ここで、&math(\hat L_x); は &math(x); に対する微分や積分を含む線形な演算子。 例えば、 (X3-2) &math(\left( 2\frac{d}{dx}-3\frac{d^2}{dx^2} \right) f(x)=\frac{1}{x^2+1} ); のような問題。 *** 斉次方程式 [#b5094002] 一般に (X3-1) に比べて、&math(h(x)); をゼロとした斉次方程式はずっと楽に解くことができる。 (X3-3) &math(\hat L_x f(x)=0); この解を &math(f_0(x)); としておく。 つまり、 (X3-3) &math(\hat L_x f_0(x)=0); 非斉次方程式 (X1-1) の1つの解を &math(f^*(x)); とすると、 (X3-4) &math(\hat L_x f^*(x)=h(x)); これに斉次方程式の解を加えた &math(f(x)=f^*(x)+a f_0(x)); も (X3-1) の解になるのは有名な話。 (X3-5) &math(\hat L_x\Big( f^*(x)+f_0(x) \Big)=\hat L_x f^*(x)+\hat L_x f_0(x)=h(x)+0=h(x)); *** Green 関数 [#nc7f6d91] もし (X3-1) の &math(\hat L_x); に対して、 (X3-6) &math(\hat L_x g(x,x')=\delta(x-x')); となるような関数 = Green 関数を求めることができれば、 (X3-7) &math( \hat L_x f(x)&=h(x)=\int_{-\infty}^\infty dx' h(x') \delta(x-x')\\ &=\int_{-\infty}^\infty dx' h(x') \hat L_x g(x,x')\\ &=\hat L_x \int_{-\infty}^\infty dx' h(x') g(x,x') ); となる。ここで、&math(\hat L_x); は &math(x); に対する演算子で、 &math(x'); を含まないため、&math(h(x')); や &math(x'); の積分と順序を入れ替えられることに注意。 (X3-7) の右辺を左辺に移項して、 (X3-8) &math(\hat L_x \left[ f(x) - \int_{-\infty}^\infty dx' h(x') g(x,x') \right] = 0); すなわち、[ ] 内は (X3-3) の形の斉次方程式の解となっている。 (X3-9) &math(f(x) - \int_{-\infty}^\infty dx' h(x') g(x,x') = f_0(x)); &math(\therefore f(x) = f_0(x) + \int_{-\infty}^\infty dx' h(x') g(x,x')); このように、ある演算子 &math(\hat L_x); に対して、 その斉次方程式の解 &math(f_0(x)); と Green 関数 &math(g(x,x')); が求まってしまえば、微分・積分方程式 &math(\hat L_x f(x)=h(x)); の解は単に &math(h(x)); を積分するだけで求まってしまう。 ** 今の場合 [#q3e226e5]
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