線形代数II/連立線形微分方程式 のバックアップソース(No.1)

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[[線形代数Ⅱ]]

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* 概要 [#rd73f160]

行列の対角化を利用して、連立線形微分方程式を解く。

* 1階連立線形微分方程式 [#f6af6a12]

** 例題 [#c8f38900]

未知の関数 &math(x_1(t),x_2(t)); が次の連立微分方程式を満たす時、

 &math(\left\{
\begin{matrix}
\displaystyle\frac{dx_1(t)}{dt}=\dot x_1(t)=ax_1(t)+bx_2(t) \\
\displaystyle\frac{dx_2(t)}{dt}=\dot x_2(t)=cx_1(t)+dx_2(t) 
\end{matrix}
\right.);

この方程式はベクトル関数 &math(\bm x(t)=\begin{pmatrix}x_1(t)\\x_2(t)\end{pmatrix});、
行列 &math(A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix}); を用いて、

 &math(\frac{d\bm x(t)}{dt}=\dot{\bm x}(t)=A\bm x(t));

と表せる。

もし &math(A); を &math(P^{-1}AP=D=\begin{pmatrix}\lambda_1&\\&\lambda_2\end{pmatrix});
の形にできるなら、

 &math(
\bm x(t)=P\bm y(t)=P\begin{pmatrix}y_1(t)\\y_2(t)\end{pmatrix}
);

の変数変換により、

 &math(
\dot{\bm x}(t)=\frac{d}{dt}\{P\bm y(t)\}=P\frac{d\bm y(t)}{dt}=A\bm x(t)=AP\bm y(t)
);

すなわち、

 &math(\dot{\bm y}(t)=P^{-1}AP\bm y(t)=D\bm y(t));

が得られ、これは

 &math(\left\{
\dot y_1(t)=\lambda_1y_1(t)\\
\dot y_2(t)=\lambda_2y_2(t) 
\right.);

という方程式を表わす。したがってこの解は、

 &math(\left\{
y_1(t)=y_1(0)e^{\lambda_1t}\\
y_2(t)=y_2(0)e^{\lambda_2t}\\
\right.); あるいは
 &math(\bm y(t)=\begin{pmatrix}e^{\lambda_1t}\\&e^{\lambda_2t}\end{pmatrix}\bm y(0));

と解くことができる。

&math(\bm x(t)=P\bm y(t)); および &math(\bm y(0)=P^{-1}\bm x(0)); を使うと、

 &math(\bm x(t)=P\bm y(t)
=P\begin{pmatrix}e^{\lambda_1t}\\&e^{\lambda_2t}\end{pmatrix}\bm y(0)
=P\begin{pmatrix}e^{\lambda_1t}\\&e^{\lambda_2t}\end{pmatrix}P^{-1}\bm x(0)
);

が得られ、これが初期条件 &math(\bm x(0)); が与えられた際に &math(\bm x(t)); を求めるための式となる。

この式は、

 &math(\bm x(t)=e^{tA}\bm x(0));

と書くこともできて、この表式から、

 &math(\dot{\bm x}(t)=\frac{d}{dt}\left\{e^{tA}\bm x(0)\right}
=\left\{\frac{d}{dt}e^{tA}\right}\bm x(0)
=Ae^{tA}\bm x(0)
=A\bm x(t)
);

のように与えられた微分方程式を満たすことを確認できる。

通常の微分方程式

 &math(\frac{dx(t)}{dt}=ax(t));

の解を

 &math(x(t)=\left(e^{at}\right)x(0));

と表せることと対比して理解せよ。

* 2階連立線形微分方程式 [#b5cf68c1]

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