ラグランジュの未定係数法 のバックアップソース(No.2)

更新

[[量子力学Ⅰ]]

* 概要 [#f4d9cac4]

&math(f(x_1,x_2,\dots,x_n)); について、

拘束条件 &math(g_i(x_1,x_2,\dots,x_n)=0\ \ \ (i=1\dots m)); ただし &math((m<n))); の下での停留点を探したい。

** キモ [#x9a84277]

&math(\bm x=(x_1,x_2,\dots,x_n)); を &math(n); 次元空間のベクトルと考えると、
&math(\bm x); は拘束条件を満たす方向にしか動かせないので、
そのような方向へ動かした際に &math(\Delta f=0); となることが
「拘束条件下での停留点」の意味するところである。

拘束条件を満たさない方向へ動かしたときに &math(\Delta f\ne 0); となっても構わないということ。

* ラグランジュの未定係数法 [#v1fe15da]

未定係数 &math(\lambda_i); を用いて

&math(L(x_1,x_2,\dots,x_n)=f(x_1,x_2,\dots,x_n)+\sum_i \lambda_i g_i(x_1,x_2,\dots,x_n));

を構成し、

&math(\frac{\partial L}{\partial x_1}=\frac{\partial L}{\partial x_2}=\dots=\frac{\partial L}{\partial x_n}=0);

&math(\frac{\partial L}{\partial \lambda_1}=\frac{\partial L}{\partial \lambda_2}=\dots=\frac{\partial L}{\partial \lambda_m}=0);

を満たす点 &math(\bm x); およびその点における係数 &math(\lambda_i); を見つければ、
その点が停留点となる。

また逆に、全ての停留点に対して上記の条件式を満足する係数 &math(\lambda_i); が存在する。

** 条件式の意味 [#h726f0a8]

&math(x_j); での微分は、

&math(\frac{\partial L}{\partial x_j}=\frac{\partial f}{\partial x_j}+\sum_i \lambda_i\frac{\partial g}{\partial x_j}=0);

などとなるから、ベクトル表記を使えば &math(n); 本の条件をまとめて、

&math(\bm \nabla L=\bm \nabla f+\sum_i \lambda_i \bm \nabla g_i=\bm 0);

と書ける。

&math(\lambda_i); での微分からは元の拘束条件が現れるのみである。

* 停留点の十分条件となっていること [#j4fbf759]

ベクトル &math(\bm x); を &math(\Delta \bm x); だけ動かしたときの &math(L); の変化は、

&math(
\Delta L=\bm \nabla L\cdot\Delta \bm x
&=\bm \nabla f\cdot \Delta \bm x+\sum_i \lambda_i \bm \nabla g_i\cdot \Delta \bm x\\
&=\Delta f+\sum_i\lambda_i\Delta g_i\\
&=\bm 0);

と書ける。

&math(\Delta \bm x); がすべての &math(g_i); の値を変化させない方向であった場合、
&math(\Delta g_1=\Delta g_2=\dots=\Delta g_m=0); であるから、&math(\Delta L=0); 
の条件はそのまま &math(\Delta f=0); の条件と一致する。

すなわち、ラグランジュの未定係数法により見つかった点は必ず停留点となることが分かる。

* 停留点の必要条件となっていること [#e0c73b69]

逆に、停留点であれば必ずラグランジュの未定係数法の条件式を満たす &math(\lambda_i); 
が存在するだろうか?

流れ:

+ 重複する条件を取り除く &math((m\to m'));
+ &math(n-m'); 次元の &math(\Delta f=0); となる空間が存在する
+ 1つの &math(\Delta g_i); のみが変化する方向に動かして &math(\lambda_i); を決めると、
その方向を加えた空間で &math(\Delta L=0); にできる
+ &math(m'); 個全てについて行えば、全 &math(n); 次元空間で &math(\Delta L=0); にできる

制約条件を満たすある停留点からの変位 &math(\Delta\bm x); を &math(n); 次元ベクトル空間 &math(K^n); 
から選ぶことを考える。

移動先で制約条件が満たされている条件は &math(\bm\nabla g_i\cdot\Delta\bm x=0); だから、
1つの制約条件を与えると、制約条件を満たす変位の作る空間 &math(V_\mathrm{meet}); 
の次元は1つ減る。

&math(m); 個すべての &math(\bm\nabla g_i); が線形独立であれば、
すべての制約条件を満たす変位の作る空間は &math(n-m); 次元となるが、
いくつかが線形従属である場合にはそれらを取り除いて独立な条件を &math(m'); 個残す。

すると、&math(\dim V_\mathrm{meet}=n-m'); となる。

&math(\Delta\bm x\in V_\mathrm{meet}); に対しては &math(\Delta L=\Delta f); であるから、
停留点の条件 &math(\Delta f=0); によりラグランジュの未定係数法の条件式は成立する。

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