反射率・透過率とエバネッセント波 のバックアップ(No.3)

更新


公開メモ

概要:2つの界面が連続して存在する構造の反射率を計算してみる

メモなので全体的に説明不足ですがあしからず。しかもまだ勉強中で、不完全な内容、誤った内容のオンパレードです。

準備:1つの界面での反射率、透過率

こちらのサイトの内容をほぼそのままたどっています:
http://eman-physics.net/electromag/fresnel.html
http://eman-physics.net/electromag/wave.html

平面 z=0 を境に z>0 を領域1, z<0 を領域2と呼ぶ。

それぞれの領域の誘電率、透磁率が \varepsilon,\mu \varepsilon',\mu' であるとする。

領域 1 から入射波

  \bm E(\bm r,t)=\bm E_0e^{i(\bm k\cdot\bm r-\omega t)}

が入射角 \theta で入射するとすれば、

  k_x=|\bm k|\sin\theta k_y=0 k_z<0

が成り立つ。

以下、反射波、透過波の電場を、

  \bm T(\bm r,t)=\bm T_0e^{i(\bm k'\cdot\bm r-\omega' t)}

  \bm R(\bm r,t)=\bm R_0e^{i(\bm k''\cdot\bm r-\omega'' t)}

と置き、マクスウェル方程式に立ち戻って計算することにより、反射率、透過率および その他のよく知られた関係式を求めたい。

屈折角を \theta' 、反射角を \theta'' とすれば、

  k_x'=|\bm k'|\sin\theta' k_z'<0

  k_x''=|\bm k''|\sin\theta'' k_z''>0

波動方程式

マクスウェル方程式より、

  \bm\nabla\times \bm E+(\partial/\partial t)\bm B=\bm 0
  \bm\nabla\times \bm H+(\partial/\partial t)\bm D=\bm 0

第2式を変形して、

  (1/\mu)\bm\nabla\times \bm B=-\varepsilon(\partial/\partial t)\bm E

 &math( &(\partial/\partial t)(1/\mu)\bm\nabla\times \bm B =\varepsilon(\partial/\partial t)^2\bm E\\ &=(1/\mu)\bm\nabla\times (\partial/\partial t)\bm B =-(1/\mu)\bm\nabla\times \bm\nabla\times \bm E =-(1/\mu)\bigl[\bm\nabla(\underbrace{\bm\nabla\cdot\bm E}_{=0})-\nabla^2\bm E\bigr] =(1/\mu)\nabla^2\bm E );

したがって、

 &math( \mu\varepsilon(\partial/\partial t)^2\bm E=\nabla^2\bm E );

これが電磁波の満たすべき波動方程式である。

波数・振動数の関係

上記のような平面波を仮定すれば、

  \mu\varepsilon\omega^2=|\bm k|^2

が得られ、すなわち、

  \sqrt{\mu\varepsilon}\omega=|\bm k|

を満たす限り、上記のような平面波は電磁波の波動方程式の解となることが分かる。

平面波の位相速度

平面波の位相部分を、

 &math( \exp\bigl[i(\bm k\cdot \bm r-\omega t)\bigr]= \exp\bigl[ik\{\bm e_k\cdot \bm r-(\omega/k) t\}\bigr]= \exp\bigl[ik\{\bm e_k\cdot (\bm r-\underbrace{(\omega/k)\bm e_k}_{\displaystyle\bm v} t)\}\bigr] );

のように書き直せば、平面波は \bm k 方向に速度 \omega/k で移動することが分かる。

上記の関係式より、この速度は

  v=\frac{\omega}{|\bm k|}=\frac{1}{\sqrt{\mu\varepsilon}}

と表せる。

ここで、屈折率は真空中と媒質中との速度の比であるから、

  n=\frac{c}{v}=\frac{\sqrt{\mu\varepsilon}}{\sqrt{\mu_0\varepsilon_0}}

を得る。

電場・磁場・波数の関係

マクスウェル方程式より、

  \frac{\partial}{\partial t}\bm B=-\bm\nabla\times\bm E
  i\omega\bm B=-i\bm k\times\bm E
  \bm B=\underbrace{-\frac{1}{\omega}\bm k\times\bm E_0}_{\bm B_0}e^{i(\bm k\cdot\bm r-\omega t)}

が導かれ、また、

  \bm\nabla\cdot\bm B=\bm k\cdot\bm B=0

  \bm\nabla\cdot\bm D=\varepsilon\bm k\cdot\bm E=0

より、 \bm B_0\perp\bm k \bm E_0\perp\bm k である。

境界条件

z=0 での境界条件は、

  1. \bm\nabla\cdot\bm B=0 より、 \bm B の面直成分は連続
  2. \bm\nabla\cdot\bm D=0 より、 \bm D の面直成分は連続
  3. \bm\nabla\times\bm E+(\partial/\partial t)\bm B=\bm 0 より、 \bm E の面内成分は連続
  4. \bm\nabla\times\bm H-(\partial/\partial t)\bm D=\bm 0 より、 \bm H の面内成分は連続

である。

$\bm E$ の面内成分連続より、$k_x,k_y,\omega$ は共通

3. より、

  E_{0x}e^{i(\bm k\cdot\bm r-\omega t)}+R_{0x}e^{i(\bm k''\cdot\bm r-\omega'' t)}=T_{0x}e^{i(\bm k'\cdot\bm r-\omega' t)}

  E_{0y}e^{i(\bm k\cdot\bm r-\omega t)}+R_{0y}e^{i(\bm k''\cdot\bm r-\omega'' t)}=T_{0y}e^{i(\bm k'\cdot\bm r-\omega' t)}

これらの式は z=0 を満たす限り任意の x,y,t に対して成り立たなければならない。

ここで、 E_{0x}=E_{0y}=0 では \bm E z 軸に平行であることになってしまい、 \bm E\perp\bm k より、 \bm k z 成分がゼロとなって k_z<0 の仮定に反する。

つまり、少なくとも E_{0x},E_{0y} のどちらかはゼロではない。

すると、そのゼロでない方の条件式を x の関数として見ると次の形をしている。

  Ae^{ik_xx}+Be^{ik_x''x}=Ce^{ik_x'x}

変形して、

  A+Be^{i(k_x''-k_x)x}=Ce^{i(k_x'-k_x)x}

z=0 である限り、この条件式は任意の x で成り立たたなければならない。 そこで両辺を x で微分すると、

  i(k_x''-k_x)Be^{i(k_x''-k_x)x}=i(k_x'-k_x)Ce^{i(k_x'-k_x)x}

  i(k_x''-k_x)B=i(k_x'-k_x)Ce^{i(k_x'-k_x'')x}

この左辺は定数であるが、右辺は (k_x'-k_x)C=0 あるいは k_x'=k_x'' でない限り x とともに変化してしまう。

k_x'=k_x'' であれば、微分する前の条件式に代入して、

  A+Be^{i(k_x'-k_x)x}=Ce^{i(k_x'-k_x)x}

  A=(C-B)e^{i(k_x'-k_x)x}

この左辺は非ゼロの定数であるが、右辺がそのような定数となるためには k_x'=k_x でなければならず、 k_x=k_x'=k_x'' が得られる。

一方、 (k_x'-k_x)C=0 であるなら (k_x''-k_x)B=0 であるが、 B=C=0 では A=0 となってしまい条件を満たさないから、 少なくとも k_x'=k_x あるいは k_x''=k_x のどちらかが 成り立たなければならない。このとき上と同様にして、 k_x=k_x'=k_x'' が得られる。

いずれの場合にも k_x=k_x'=k_x'' となるから、 x 軸方向の波数成分はすべて等しいことが分かる。

同様の議論から、 k_y=k_y'=k_y''=0 \omega=\omega'=\omega'' が得られ、 透過波、反射波とも入射面内を進むこと、角振動数が等しいこと、が分かる。

スネルの法則

k_x が共通であることと、 k_x=|\bm k|\sin\theta などの関係から、

  |\bm k|\sin\theta=|\bm k''|\sin\theta''

であるが、 \sqrt{\mu\varepsilon}\omega=|\bm k| の関係式より、 同じ媒質中を進む入射波と反射波の角振動数が同じであれば、その波数も等しいことが分かり、 |\bm k''|=|\bm k| であるから、

  \sin\theta=\sin\theta''

すなわち、入射角と反射角とは等しいことが分かる。

一方で、

  |\bm k|\sin\theta=|\bm k'|\sin\theta'

  \sqrt{\mu\varepsilon}\cancel\omega\sin\theta=\sqrt{\mu'\varepsilon'}\cancel{\omega'}\sin\theta'

  \frac{\sqrt{\mu\varepsilon}}{\sqrt{\mu_0\varepsilon_0}}\sin\theta=\frac{\sqrt{\mu'\varepsilon'}}{\sqrt{\mu_0\varepsilon_0}}\sin\theta'

  n\sin\theta=n'\sin\theta'

これはスネルの法則と呼ばれる。

偏波成分

電場係数を s 偏光成分と p 偏光成分とに分ける。

  \bm E_0=(E_p\cos\theta,E_s,E_p\sin\theta)

  \bm T_0=(T_p\cos\theta',T_s,T_p\sin\theta')

  \bm R_0=(R_p\cos\theta,R_s,-R_p\sin\theta)

すると、

 &math( &\bm B_0=-\frac{1}{\omega}\bm k\times\bm E_0=-\frac{k}{\omega}\bm e_k\times\bm E_0\\ &\bm e_k\times\bm E_0=\begin{pmatrix} \sin\theta\\0\\-\cos\theta \end{pmatrix}\times \begin{pmatrix} E_x\\E_y\\E_z \end{pmatrix}= \begin{pmatrix} E_y\cos\theta\\

  • E_x\cos\theta-E_z\sin\theta\\ E_y\sin\theta \end{pmatrix}= \begin{pmatrix} E_s\cos\theta\\
  • E_p\\ E_s\sin\theta \end{pmatrix}\\ &\bm B_0=\frac{k}{\omega}\begin{pmatrix}
  • E_s\cos\theta\\ E_p\\
  • E_s\sin\theta \end{pmatrix} );

ただし、

 &math( &\bm e_{k''}\times\bm R_0=\begin{pmatrix} \sin\theta\\0\\\cos\theta \end{pmatrix}\times \begin{pmatrix} R_x\\R_y\\R_z \end{pmatrix}= \begin{pmatrix}

  • R_y\cos\theta\\ R_x\cos\theta-R_z\sin\theta\\ R_y\sin\theta \end{pmatrix}= \begin{pmatrix}
  • R_s\cos\theta\\ R_p\\ R_s\sin\theta \end{pmatrix}\\ );

境界条件を解く

1. \bm B の面直成分連続より、

 &math(

  • \frac{k}{\omega}E_s\sin\theta
  • \frac{k}{\omega}R_s\sin\theta =
  • \frac{k'}{\omega}T_s\sin\theta' );

k\sin\theta=k'\sin\theta' より、

  -E_s-R_s=-T_s

2. \bm D の面直成分連続より、

 &math( \varepsilon E_p\sin\theta

  • \varepsilon R_p\sin\theta = \varepsilon' T_p\sin\theta' );

3. \bm E の面内成分連続より、

 &math( E_p\cos\theta

  1. R_p\cos\theta = T_p\cos\theta' );

  E_s+R_s=T_s

4. \bm H の面内成分連続より、

 &math(

  • \frac{k}{\mu\omega}E_s\cos\theta
  1. \frac{k}{\mu\omega}R_s\cos\theta =
  • \frac{k'}{\mu'\omega}T_s\cos\theta' );

 &math( \frac{k}{\mu\omega}E_p

  • \frac{k}{\mu\omega}R_p = \frac{k'}{\mu'\omega}T_p );

全て合わせると、

 &math( \begin{cases} \varepsilon \sin\theta(E_p-R_p)=\varepsilon' T_p\sin\theta'\\ \cos\theta(E_p+R_p)=T_p\cos\theta'\\ \frac{k}{\mu}(E_p-R_p)=\frac{k'}{\mu'}T_p\\ E_s+R_s=T_s\\ \frac{k}{\mu}\cos\theta(-E_s+R_s)=-\frac{k'}{\mu'}T_s\cos\theta'\\ \end{cases} );

k\sin\theta=k'\sin\theta' より、 \omega\sqrt{\mu\varepsilon}\sin\theta=\omega\sqrt{\mu'\varepsilon'}\sin\theta' を使うと1番目の式は、

 &math( \sqrt{\frac{\varepsilon}{\mu}}(E_p-R_p)=\sqrt{\frac{\varepsilon'}{\mu'}}T_p );

\omega=\frac{k}{\sqrt{\mu\varepsilon}} より、 \frac{k}{\mu}=\omega\sqrt{\frac{\varepsilon}{\mu}} を使うと3番目の式は、

 &math( \sqrt{\frac{\varepsilon}{\mu}}(E_p-R_p)=\sqrt{\frac{\varepsilon'}{\mu'}}T_p );

で同じ式になる。

\cos\theta=\frac{-k_z}{k} などを使うと、

  \frac{-k_z}{k}(E_p+R_p)=T_p\frac{-k_z'}{k'}

これと3番目の式を連立させて、

  \mu k'^2k_z(E_p+R_p)=\mu'k^2k_z'(E_p-R_p)

  R_p=\frac{-\mu k'^2k_z+\mu'k^2k_z'}{\mu k'^2k_z+\mu'k^2k_z'}E_p

3番目の式へ代入して、

 &math( &\frac{k}{\mu}\left(1-\frac{-\mu k'^2k_z+\mu'k^2k_z'}{\mu k'^2k_z+\mu'k^2k_z'}\right)E_p=\frac{k'}{\mu'}T_p\\ &T_p=\frac{\mu'k}{\cancel\mu\cancel{k'}}\frac{2\cancel\mu k'^{\cancel{2}}k_z}{\mu k'^2k_z+\mu'k^2k_z'}E_p\\ &T_p=\frac{2\mu'kk'k_z}{\mu k'^2k_z+\mu'k^2k_z'}E_p\\ );

同様に、5番目の式から

 &math( \frac{\cancel k}{\mu}\frac{k_z}{\cancel k}(-E_s+R_s)=-\frac{\cancel k'}{\mu'}\frac{k_z'}{\cancel k'}T_s\\ );

4番目の式と連立させて、

  \mu'k_z(-E_s+R_s)=-\mu k_z'(E_s+R_s)

  R_s=\frac{\mu'k_z-\mu k_z'}{\mu'k_z+\mu k_z'}E_s

4番目の式へ代入して、

 &math( &\left(1+\frac{\mu'k_z-\mu k_z'}{\mu'k_z+\mu k_z'}\right)E_s=T_s\\ &T_s=\frac{2\mu'k_z}{\mu'k_z+\mu k_z'}E_s\\ );

まとめると、

 &math( &R_p=\frac{\mu'k^2k_z'-\mu k'^2k_z}{\mu'k^2k_z'+\mu k'^2k_z}E_p\\ &T_p=\frac{2\mu'kk'k_z}{\mu'k^2k_z'+\mu k'^2k_z}E_p\\ &R_s=\frac{\mu'k_z-\mu k_z'}{\mu'k_z+\mu k_z'}E_s\\ &T_s=\frac{2\mu'k_z}{\mu'k_z+\mu k_z'}E_s\\ );

さらに k^2=\mu\varepsilon\omega^2 を使えば、

 &math( &R_p=\frac{\varepsilon k_z'-\varepsilon'k_z}{\varepsilon k_z'+\varepsilon'k_z}E_p\\ &T_p=\frac{k'}{k}\frac{2\varepsilon k_z}{\varepsilon k_z'+\varepsilon'k_z}E_p\\ &R_s=\frac{\mu'k_z-\mu k_z'}{\mu'k_z+\mu k_z'}E_s\\ &T_s=\frac{2\mu'k_z}{\mu'k_z+\mu k_z'}E_s\\ );

を得る。

エネルギーおよび運動量の保存

振幅反射率 r_s=R_s/E_s
振幅透過率 t_s=T_s/E_s

などと置くと、

  r_s^2+t_s^2\ne 1

  r_p^2+t_p^2\ne 1

となっている。

これは、エネルギーフラックス密度や運動量密度が |E|^2 ではなく、 \bm E\times\bm H に比例するためである。

 &math(\bm H_0=-\frac{1}{\omega\mu}\begin{pmatrix} E_s k_z\\-E_p\\-E_s k_x \end{pmatrix} );

より、

 &math( |\bm E\times\bm H|= \left|-\frac{1}{\omega\mu k}\begin{pmatrix}

  • E_p k_z\\E_sk\\-E_pk_x \end{pmatrix}\times\begin{pmatrix}
  • E_s k_z\\-E_pk\\-E_s k_x \end{pmatrix}\right|= \frac{1}{\omega\mu k}\begin{vmatrix}
  • E_s^2k_xk-E_p^2k_xk\\ \cancel{-E_pE_sk_xk_z}+\cancel{E_pE_sk_xk_z}\\ E_p^2k_zk+E_s^2k_zk \end{vmatrix}= \frac{k}{\omega\mu}(E_p^2+E_s^2) );

すなわち、

  \frac{k}{\mu}r^2+\frac{k'}{\mu'}t^2=\frac{k}{\mu}

が、正しいエネルギー&運動量保存の式となる。

透磁率が共通の場合

 &math( &R_p=\frac{k^2k_z'-k'^2k_z}{k^2k_z'+k'^2k_z}E_p\\ &T_p=\frac{2kk'k_z}{k^2k_z'+k'^2k_z}E_p\\ &R_s=\frac{k_z-k_z'}{k_z+k_z'}E_s\\ &T_s=\frac{2k_z}{k_z+k_z'}E_s\\ );


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