量子力学Ⅰ/電子の波動方程式 のバックアップソース(No.3)

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[[private/量子力学I/前期量子論]]

#contents
&mathjax();

* 波動方程式の必要性 [#kd348ff8]

電子の波動方程式を考えなければならない理由を考える。
** 電子の粒子性 [#o89d19a4]

電子は水素原子の約1/1000の重さを持つ粒子として振る舞う。
JJ トムソンの実験などでその粒子的な性質は明らかである。
** 電子の波動性 [#kb350834]

電子線回折などによって、電子が回折現象を起こすこと、加速度により波長が異なること、などが性mされた。
* 波動を表わす関数 [#l6f89798]

** 速度 $v$ で移動する関数 [#o38ae487]

&math(f(x-x_0)); は、&math(f(x)); を &math(x); の正方向に &math(x_0); だけ移動した関数になる。

&math(f(x,t)=f(x-vt,0)); は &math(f(x,0)); を時刻 &math(t); において &math(x); の正方向に &math(vt); 
だけ移動した関数、すなわち、&math(f(x,0)); の関数が形を変えずに &math(x); の正方向に速度 &math(v); 
で伝播する関数になる。

** 位相速度 $v$ で伝播する波(一次元) [#ec3d0c6f]

&math(f(x,0)=\cos(2\pi x/\lambda)=\cos(kx)); と置けば、これは波長 &math(\lambda);、
波数 &math(k=2\pi/\lambda); の正弦波。

&math(f(x,t)=f(x-vt,0)=\cos(2\pi (x-vt)/\lambda)); は、波長 &math(\lambda); の正弦波が速度 
&math(v); で伝播する関数。

&attachref(wave-function.gif);

波数 &math(k); と角振動数 &math(\omega); で書けば、&math(f(x,t)=f(x-vt)=\cos(kx-\omega t)); ただし、
&math(k=2\pi/\lambda);、&math(\omega/k=v); である。

** 位相速度 $v$ で伝播する平面波(三次元) [#ec3d0c6f]

3次元空間で定義された &math(f(\bm x,t)=\cos(k x-\omega t)); という関数は &math(x); 軸方向に進む平面波を表わす。

以下では、3次元空間内で任意の方向に進む平面波を考える。

&math(|\bm e|=1); のとき、&math(\bm e\cdot\bm x); は &math(\bm x); の &math(\bm e); 方向成分の長さ

&math(\bm e\cdot\bm x=d); という方程式は、&math(\bm e); に平行で、原点から &math(\bm e); 方向に 
&math(\bm d); だけ離れた平面を表わす方程式

したがって、&math(f(\bm x)=\cos(2\pi\bm e\cdot\bm x)); は、
&math(\bm e); 方向に波長 &math(1); の正弦波で、
&math(\bm e); に垂直方向には一定値を取る平面的な波を表わす。
(下図は二次元の場合)

&attachref(2d-wave.jpg,,66%);

&math(\bm k\cdot\bm x=|\bm k|\bm e_{\bm k}\cdot x); と書けるから、
これは &math(\bm x); の &math(\bm k); 方向成分に、&math(|\bm k|); をかけた値になる。

すなわち、&math(f(\bm x)=\cos(\bm k\cdot\bm x)=\cos(|\bm k|\bm e\cdot\bm x)); は、
&math(\bm e); 方向に波長 &math(\lambda=2\pi/\bm k);、波数 &math(|\bm k|); の正弦波を表わす。

さらに、&math(f(\bm x,t)=\cos(\bm k\cdot\bm x-\omega t)); とすれば、
&math(f(\bm x,t)=\cos(k\{\bm e_{\bm k}\cdot\bm x-(\omega/k) t\})); より、
波数 &math(\bm k);、周期 &math(\omega);、速度(位相速度) &math(v=\omega/k); で伝播する平面波を表わす。

* 演習:波動方程式(電磁波の場合) [#p878da3f]

平面波 &math(\bm E(\bm x,t)=\bm E_0\cos(\bm k\cdot\bm x-\omega t)); が電磁波の波動方程式

&math(\nabla^2\bm E=\frac{1}{c^2}\frac{\PD^2}{\PD t^2} \bm E);

を満たすことを示したい。

(1) &math(\nabla^2 \bm E=-k^2\bm E); となることを示せ

(2) &math(\frac{\PD^2}{\PD t^2} \bm E=-\omega^2\bm E); となることを示せ

(3) &math(\nabla^2\bm E=\frac{1}{c^2}\frac{\PD^2}{\PD t^2} \bm E); となるためには 
&math(k); と &math(\omega); の間にどのような関係が必要か

(4) より一般に、任意の関数 &math(f(x), g(x)); に対して、&math(\bm E(\bm x,t)=\bm E_1 f(\bm k\cdot\bm x+\omega t)+\bm E_2 g(\bm k\cdot\bm x-\omega t)); が &math(\nabla^2\bm E=\frac{1}{c^2}\frac{\PD^2}{\PD t^2} \bm E); を満たすことを示せ

* 電子の波動方程式 [#mb727caa]

電子の満たすべき波動方程式はどのようなものであろうか?

分かっていることは、

- 運動エネルギーと周期の関係  &math(E=h\nu=\hbar\omega);
- 運動量と波数の関係      &math(\bm p=\hbar\bm k);
- 運動エネルギーと運動量の関係 &math(E=\frac{p^2}{2m});~
    &math(\omega,\bm k); で書き直せば、&math(\omega=\frac{\hbar k^2}{2m});

波を &math(\phi(\bm x,t)=\phi_0\cos(\bm k\cdot\bm x-\omega t)); と置いてみると、

&math(\nabla^2\phi=-k^2\phi_0\cos(\bm k\cdot\bm x-\omega t));

&math(\frac{\PD}{\PD t}\phi=-\omega\phi_0\sin(\bm k\cdot\bm x-\omega t));

となって、波動方程式を組み立てられない・・・

&math(\cos); や &math(\sin); が微分により形が変わってしまうのが問題。

微分で形の変わらない関数を使えば波動方程式が作れそう。→ &math(\phi(\bm x,t)=\phi_0e^{i(\bm k\cdot\bm x-\omega t)}); と置く

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