量子力学Ⅰ/3次元調和振動子 のバックアップソース(No.4)

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#mathjax

* $x,y,z$ 座標形で求めた解と球座標解との対応 [#r859e16f]

3次元調和振動子を &math(x,y,z); 座標で説いた結果得られた解をエネルギーの低いものから並べれば、

|CENTER:|LEFT:|CENTER:|c
|&math(n=n_x+n_y+n_z);|     &math((n_xn_yn_z));     |縮退度|
|0|(0 0 0)|1|
|1|(1 0 0), (0 1 0), (0 0 1)|3|
|2|(2 0 0), (0 2 0), (0 0 2)|6|
|~|(1 1 0), (1 0 1), (0 1 1)|~|
|3|(3 0 0), (0 3 0), (0 0 3)|10|
|~|(2 1 0), (0 2 1), (1 0 2)|~|
|~|(1 2 0), (0 1 2), (2 0 1)|~|
|~|(1 1 1)                  |~|

などとなる。

一方、同じ系を球座標で解けばその角度依存性は先に見たとおり球面調和関数で表され、

|CENTER:60|CENTER:60|CENTER:200|CENTER:60|c
|状態|l|m|縮退度|
|s|0|0|1|
|p|1|-1, 0, +1|3|
|d|2|-2, -1, 0, 1, 2|5|
|f|3|-3, -2, -1, 0, 1, 2, 3|7|

のように、&math(l=0); の解は縮退がなく、&math(l=1); の解は3重に、&math(l=2); は5重に縮退する。
水素原子のところでも見たとおり、ポテンシャルの形状によっては &math(m); 
に対する縮退以外にも、異なる &math(l); を持つ状態が縮退することがある。

したがって、
- 縮退のない &math(n=0); は &math(l=0); の s 状態
- 3重に縮退した &math(n=1); は &math(l=1); の p 状態、あるいは3つの s 状態が縮退した状態(今の場合前者が正解)
- 6重に縮退した &math(n=2); は s 状態と d 状態が1つずつ、あるいは p 状態が2つ、縮退した状態(今の場合前者が正解)
- 10重に縮退した &math(n=3); は p 状態と f 状態の縮退した状態、あるいは・・・

にそれぞれ対応していることが期待され、以下に見るように確かにそのようになっている。

* $n=0$ の解 [#d4bfce50]

 &math(\varphi_{000}(\bm r)=\left(\frac{4\pi m\omega}{\hbar}\right)^{3/4}\exp\left(-\frac{m\omega}{2\hbar}r^2\right));

は &math(\theta,\phi); に依存しておらず、そのような球面調和関数 &math(Y_l{}^m); は 
&math(Y_0{}^0=1/\sqrt{4\pi}); のみである。

すなわち &math(n=0); は s 状態である。

* $n=1$ の解 [#zc579fdf]

 &math(\varphi_{100}(\bm r)=\left(\frac{4\pi m\omega}{\hbar}\right)^{3/4}\sqrt{\frac{2m\omega}{\hbar}}\,x\exp\left(-\frac{m\omega}{2\hbar}r^2\right));

 &math(\varphi_{010}(\bm r)=\left(\frac{4\pi m\omega}{\hbar}\right)^{3/4}\sqrt{\frac{2m\omega}{\hbar}}\,y\exp\left(-\frac{m\omega}{2\hbar}r^2\right));

 &math(\varphi_{001}(\bm r)=\left(\frac{4\pi m\omega}{\hbar}\right)^{3/4}\sqrt{\frac{2m\omega}{\hbar}}\,z\exp\left(-\frac{m\omega}{2\hbar}r^2\right));

ここで、

 &math(
\begin{cases}
x=r\sin\theta\cos\phi\\
y=r\sin\theta\sin\phi\\
z=r\cos\theta
\end{cases}
);

であるから、

 &math(\varphi_{100}(\bm r)\propto \sin\theta\cos\phi\propto (Y_1{}^1-Y_1{}^{-1})/2);

 &math(\varphi_{010}(\bm r)\propto \sin\theta\sin\phi\propto (Y_1{}^1+Y_1{}^{-1})/2i);

 &math(\varphi_{001}(\bm r)\propto \cos\theta\propto=-Y_1{}^0);

これらはすべて &math(l=1); つまり p 状態であることが分かる。

ここから &math(\varphi_{001}); が &math(\hat l_z); の &math(m=0); に対する固有関数であることが分かる。

&math(\varphi_{100},\varphi_{010}); に対してはそのままでは &math(\hat l_z); の固有関数ではないが、

 &math(\varphi_{100}+i\varphi_{010}\propto Y_1{}^1);

 &math(\varphi_{100}-i\varphi_{010}\propto Y_1{}^{-1});

とすることにより &math(\hat l_z); のそれぞれ &math(m=1,-1); の固有関数となることが分かる。

* $n=2$ および $n=3$ の解 [#d984bf3e]

同様な対応により、

- 6重に縮退した &math(n=2); は s 状態と d 状態が1つずつ縮退した状態

- 10重に縮退した &math(n=3); は p 状態と f 状態の縮退した状態

になっていることを確かめられる。[[詳細はこちら>@量子力学Ⅰ/3次元調和振動子/メモ]]

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