電磁気学/Stokes の定理 のバックアップソース(No.2)
更新[[電磁気学]] #contents * Stokes の定理 (ストークスの定理) [#y8a9e0bf] 任意の滑らかなベクトル場 &math(\bm E(\bm x)); に対して、 ある面積 &math(S); を囲む閉曲線 &math(C); に沿った回転が、 &math(\ROT \bm E); の面積分で表わされるという定理。 &math( \oint_C\bm E\cdot d\bm r=\int_S\ROT \bm E\cdot\bm n\,dS ); 回転が次の3つの性質を持つことがこの定理の基礎となる。 - 微小量域の回転は面積に比例する - 比例定数は面の法線方向に依存する - 全体の回転は部分の回転の和で表せる ** 微小量域の回転は面積に比例する [#u44c8afe] 一例として、&math(dx,dy); を辺とする微小正方領域において、 &math(y); 軸方向の場が存在する場合、&math(\bm E(x,y,z)=(0,E_y(x,y,z),0)); &attachref(rot.png,,33%); その周囲 &math(C=C_1+C_2+C_3+C_4); を巡る線積分は、 &math( \oint_C\bm E\cdot d\bm r&=\int_{C_1}\bm E\cdot d\bm r+\int_{C_2}\bm E\cdot d\bm r+\int_{C_3}\bm E\cdot d\bm r+\int_{C_4}\bm E\cdot d\bm r\\ &=E_y(x+dx,y,z)\cdot dy+0\cdot dx-E_y(x,y,z)\cdot dy-0\cdot dx\\ &=\{E_y(x+dx,y,z)-E_y(x,y,z)\}\cdot dy\\ &=\frac{\PD E_y}{\PD x}\,dx\,dy ); のように面積 &math(dx\,dy); に比例する。 &math(\bm E); の &math(x); 方向成分も考えれば、 &math( \oint_C\bm E\cdot d\bm r=\Big\{\frac{\PD E_y}{\PD x}-\frac{\PD E_x}{\PD y}\Big\}\,dx\,dy ); となる。 ** 比例定数は面の法線方向に依存する [#l6d85ad1] 微小量域の回転は面積に比例する物の、向きによって値が異なる。 すなわち、比例係数は法線方向に依存する。 詳細は省くが正しい係数は法線ベクトルを &math(\bm n); として、 &math( \ROT \bm E\cdot \bm n ); ただし、 &math( \ROT \bm E=\bm \nabla\times\bm E=\begin{pmatrix} \frac{\PD E_z}{\PD y}-\frac{\PD E_y}{\PD z}\vspace{2mm}\\ \frac{\PD E_x}{\PD z}-\frac{\PD E_z}{\PD x}\vspace{2mm}\\ \frac{\PD E_y}{\PD x}-\frac{\PD E_x}{\PD y}\\ \end{pmatrix} ); である。面が &math(z); 軸に垂直すなわち &math(\bm n=\begin{pmatrix}0\\0\\1\end{pmatrix}); のとき、上で見たとおり比例係数が &math(\Big\{\frac{\PD E_y}{\PD x}-\frac{\PD E_x}{\PD y}\Big\}); となることを確認せよ。 ** 全体の回転は部分の回転の和で表せる [#y56bf111] 閉曲面を多数の小領域に分割し、それぞれについて回転を求めれば、 外周を回る回転はそれら小領域の回転の総和と等しい。 &attachref(stokes.png,,50%); 例えば図中でCOLOR(red){赤で示した小領域}の回転は、その一辺のみが外周に沿ったものであり、 残りの三辺は隣り合う領域との境界に沿ったものになっている。 しかしこれら隣り合う領域との境界に沿った成分は、 隣の領域の回転に符号を変えて同じ値が現れるため、 総和を取る際に打ち消し合う。 結果的に、総和を取った際に残るのは、注目領域の外周を回る回転となる。 ** 上記を総合することで [#v4a427ed] &math( \oint_C\bm E\cdot d\bm r=\int_S\ROT \bm E\cdot\bm n\,dS ); を得る。
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