ベクトル空間と線形写像 の変更点

更新


[[線形代数I]]

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&katex();

培風館「教養の線形代数(五訂版)」に沿って行っている授業の授業ノート(の一部)です。

* ベクトルとは? [#lddf658e]

- 数ベクトル(縦):$\begin{bmatrix}a_1\\a_2\\\vdots\\a_n\end{bmatrix}$ 
- 数ベクトル(横):$\begin{bmatrix}a_1&a_2&\cdots&a_n\end{bmatrix}$
- 幾何ベクトル:$\overrightarrow{\rm AB}$
- そのほかにも様々なものをベクトルと見なせる

直交座標の成分表示で幾何ベクトルを数ベクトルと1対1に対応させられる。

* ベクトル空間とベクトル [#g900c89e]

$n$ 次元数ベクトルのように、

- $k\bm a$ (スカラー倍)
- $\bm a+\bm b$ (和)

が内部で定義されている集合を「ベクトル空間」と言い、~
その要素を「ベクトル」と言う。

詳しい定義は線形代数学IIで学ぶことになる。

** 集合について [#xe9fe451]

集合とは : 「要素」を含む物

集合については、ある要素を含むか、含まないか、が主な興味となる。

$A,B$ を集合、$x$ を要素とすると、

- $A=\{x_1,x_2,x_3\}$ : $A$ は $x_1,x_2,x_3$ の3つの要素からなる集合である
- $A=\set{x|xに対する条件}$ : $A$ は、「条件」を満たすような $x$ をすべて集めた集合である
- $x \in A$ : $x$ が $A$ に含まれる
- $A \subseteq B$ : $x \in A$ なら $x \in B$ である
-- すなわち $A$ が $B$ に含まれる
-- あるいは $A$ が $B$ の部分集合である
- $A = B$ : $A \subseteq B$ かつ $B \subseteq A$
- $A \subset B$ : $A \subseteq B$ と同じ意味。$A \subseteq B$ かつ $A\ne B$ を表すには $A \subsetneq B$ と書く。

** 演算が「内部で定義されている」ということ [#z8cc3db5]

たとえば、$A=\left\{\begin{bmatrix}1\\2\end{bmatrix}, \begin{bmatrix}-1\\3\end{bmatrix}\right\}$ という集合を考える。

これは2つのベクトルを含む「ベクトルの集合」であるが、スカラー倍や和に対して「閉じていない」。

例:$\begin{bmatrix}1\\2\end{bmatrix}+ \begin{bmatrix}-1\\3\end{bmatrix} \notin A$

したがって、こういう集合はベクトル空間とは言わない。

* $n$ 次元数ベクトル空間 [#y894dd16]

- 実数の集合を $\mathbb{R}$
- $n$ 次元(縦)実数ベクトル空間を $\mathbb{R}^n$

と書くことにする。

以下では主に実数ベクトル空間について学ぶが、これらを

- 複素数の集合 $\mathbb C$
- $n$ 次元複素数の集合 $\mathbb C^n$

に置き換えても、(ほぼ)すべての定理が成立することに注意せよ。((内積が絡んでくると違いが出る))

* 1次結合(線形結合) [#q7562ea7]

ベクトル $\bm a_1, \bm a_2, \dots, \bm a_r$ に適当な係数をかけて足し合わせた、

$$c_1\bm a_1+c_2 \bm a_2+ \dots+c_r \bm a_r = \sum_{k=1}^r c_k\bm a_k$$

の形を $\bm a_1, \bm a_2, \dots, \bm a_r$ の「一次結合」と言う。

例1:

$\bm a, \bm b$ の一次結合: $3\bm a+\bm b$, $\bm a-\bm b$, $-2\bm a$

例2:

$\bm b$ を $\bm a_1, \bm a_2, \dots, \bm a_r$ の一次結合で表せるか?という問題は、

$\bm b=x_1\bm a_1+x_2 \bm a_2+ \dots+x_r \bm a_r = \Bigg[\bm a_1\ \bm a_2\ \dots\ \bm a_r\Bigg]\begin{bmatrix}x_1\\x_2\\\vdots\\x_r\end{bmatrix}=A\bm x$

を満たす $\bm x$ は存在するか?という問題と同値である。

例3:

任意のベクトル $\bm a=\begin{bmatrix}a_1\\a_2\\\vdots\\a_n\end{bmatrix}\in \mathbb R^n$ は、
基本ベクトル 
$
\bm e_1=\begin{bmatrix}1\\0\\\vdots\\0\end{bmatrix}, \bm e_2=\begin{bmatrix}0\\1\\\vdots\\0\end{bmatrix}, \dots, \bm e_n=\begin{bmatrix}0\\0\\\vdots\\1\end{bmatrix}
$
の一次結合として、

$$\bm a=\sum_{k=1}^ra_k\bm e_k$$

と表せる。これを「成分表示」と呼ぶ。

* 一次結合により生成される空間 [#v85dcbc2]

この項はかなり厳密性を欠く議論になっている。~
ベクトル空間の詳細や次元の概念については線形代数IIで詳しく学ぶ。

** 1つのベクトル [#v24a633d]

1つのベクトル $\bm a$ の一次結合として表せるベクトルの集合

$$\{\bm p\,|\,\bm p=s\bm a\}$$

($\bm p$ ただし、$\bm p$ は $s\bm a$ として表される、と読む)

は原点を通り $\bm a$ に平行な直線となる。

例外: $\bm a = \bm o$ だとそうならない

** 2つのベクトル [#f6e0ae26]

2つのベクトル $\bm a,\bm b$ の一次結合なら、

$\{\bm p\,|\,\bm p=s\bm a+t\bm b\}$

原点を通り $\bm a,\bm b$ に平行な平面となる。

例外: $\bm a= \bm o$ あるいは $\bm b= \bm o$ あるいは $\bm a \parallel \bm b$ 
だとそうならない

** 3つのベクトル [#p85665d2]

3つのベクトル $\bm a,\bm b,\bm c$ なら

$\{\bm p\,|\,\bm p=s\bm a+t\bm b+u\bm c\}$

は3次元空間を満たす。

例外: $\bm a= \bm o$, $\bm c= c_1\bm a+c_2\bm b$ その他いろいろ

** 張る空間 [#i12f5a45]

上で見たような $\bm a_1,\bm a_2,\dots,\bm a_n$ の一次結合で表せるベクトルの集合を
これらのベクトルが張る空間と呼ぶ。

和やスカラー倍について閉じているので、これはベクトル空間になる。

例:
$\bm p_1=s\bm a+t\bm b$, 
$\bm p_2=s'\bm a+t'\bm b$ のとき、

$\bm p_1+\bm p_2=(s+s')\bm a+(t+t')\bm b$~
$k\bm p_1=ks\bm a+kt\bm b$

なので、和やスカラー倍は、やはり $\bm a,\bm b$ の一次結合で表せる。

$n$ 本のベクトルは多くの場合 $n$ 次元空間を張るが、例外もある。

「例外」をうまく表現するために「一次独立」の概念を導入する。

* 一次独立 [#n9fdd841]

「$\bm a_1, \bm a_2, \dots, \bm a_r$ が1次独立である」とは、
$c_1\bm a_1+c_2 \bm a_2+ \dots+c_r \bm a_r = \bm o$
となるのが、$c_1=c_2=\dots=c_n=0$ の時しかありえない、
という性質である。

- どんなベクトルが与えられても
$c_1=c_2=\dots=c_n=0$ なら条件を満たすこと
- 与えられたベクトルによっては
$c_1=c_2=\dots=c_n=0$ でなくても条件を満たすこと

に注意せよ。

例:
$2\begin{bmatrix}1\\2\end{bmatrix}+(-1)\begin{bmatrix}2\\4\end{bmatrix}+4\begin{bmatrix}0\\0\end{bmatrix}=\bm o$

「張る空間」との関係:

- $n$ 本のベクトルが一次独立であれば、それらは $n$ 次元を張る
- 一次独立でなければ、張られる空間は $n$ 次元未満になる(上の「例外」に相当)
* 一次従属 [#i67b37db]

一次独立でないことを「一次従属である」と言う。

例:$\bm a,\bm b,\bm c$ は一次独立か、一次従属か?

例:$\bm a,\bm b,\bm c$ が一次従属であるとき・・・

* 一次独立と行列の階数 [#m34ed33c]

$\bm a_1,\bm a_2,\dots,\bm a_n$ は一次独立である、というのと、

$\Bigg[\bm a_1\ \bm a_2\ \dots\ \bm a_n\Bigg]\bm x=\bm o$ の解は 
$\bm x=\bm o$ しか存在しない、というのは書き方を変えただけで同じ意味である。

後者の方程式において $\bm x=\bm o$ は必ず解になるから、その一般解は
- $\bm x=\bm o$ のみ
- $\bm x=a\bm x_1+b\bm x_2+\dots$ のようにパラメータを含む

のどちらかである。

したがって、~
与えられたベクトルが一次従属である、という条件と~
上の方程式の一般解が1以上の自由度(パラメータの数)を持つ、という条件は同値である。

さらに、
- $\mathrm{rank}$:掃き出せた列の数
- 解の自由度:掃き出せなかった列の数

であったことを思い出そう。すなわち、

(解の自由度) = ($A$ の列数)−($\mathrm{rank}\, A$)

であるから、

- $\bm a_1, \bm a_2, \dots, \bm a_r$ が一次独立
- 方程式 $A\bm x=\bm o$ の解の自由度がゼロ
- $A$ の階数が列の数 $n$ (ベクトルの本数)と等しい $(\mathrm{rank}\, A=n)$

が同値な条件となる。

与えられたベクトルが一次独立かどうかを調べるには、
ベクトルを並べて作った行列の $\mathrm{rank}$ を求め、ベクトルの数と等しいかどうか見ればよい。~
↑これが言いたかったこと

例:
$\begin{bmatrix}1\\2\\2\end{bmatrix},\begin{bmatrix}2\\1\\2\end{bmatrix},\begin{bmatrix}2\\2\\a\end{bmatrix}$ が一次独立になる条件を求めよ。

$\begin{bmatrix}1&2&2\\2&1&2\\2&2&a\end{bmatrix}\sim\begin{bmatrix}1&2&2\\0&-3&-2\\0&-2&a-4\end{bmatrix}\sim\begin{bmatrix}1&2&2\\0&1&-2a+6\\0&-2&a-4\end{bmatrix}\sim\begin{bmatrix}1&2&2\\0&1&-2a+6\\0&0&-3a+8\end{bmatrix}$

したがって、$a=8/3$ の時に一次従属であり、そうでなければ一次独立となる。

** あたりまえ? [#kf8f5398]

一次独立・従属に関して以下を当たり前と思えるようになってほしい:

- $n$ 次元ベクトルをランダムに $m$ 本集めれば一次独立になることがほとんどである($m\le n$ のとき)
- たまたまおかしなベクトルを選んだ時のみ一次従属になる。
- $n$ 次元ベクトルを $n$ 本よりたくさん集めれば必ず一次従属になる

* $A$ が正方の時 [#p53f7b35]

以下の条件は同値である。

- $\bm a_1,\bm a_2, \dots,\bm a_n$ が一次独立
- $A\bm x=\bm o$ の解が $\bm x=\bm o$ のみ
- $\mathrm{rank}\, A=n$
- $A$ が正則
- $|A|\ne 0$

一次独立かどうかを調べるには $|A|$ を計算すればよい。

* 一次独立の重要な性質 [#v39c977c]

● ゼロベクトルを1つでも含めば一次従属

● $\bm a_1,\bm a_2,\dots,\bm a_n$ が一次従属なら、そこにいくつかベクトルを加えた
$\bm a_1,\bm a_2,\dots,\bm a_n,\bm a_{n+1},\dots,\bm a_{m}$ も一次従属である

∵はじめの $n$ 列のうち1列でも掃き出せなければ、
全体の $\mathrm{rank}$ が列数よりも小さくなるため。

(別)$c_1\bm a_1+c_2\bm a_2+\dots+c_n\bm a_n=\bm o$ となる非ゼロの係数が存在するなら、~
$c_1\bm a_1+c_2\bm a_2+\dots+c_n\bm a_n+0c_{n+1}+\dots+0c_m=\bm o$ であり、
この係数は全てがゼロではないから、全体も一次従属となる。

● $\{\bm a_1,\bm a_2,\dots,\bm a_n\}$ が一次独立なら
その部分集合も一次独立である

∵上の定理の対偶になっている

● $n$ 次元ベクトルを $n+1$ 本以上集めたら必ず一次従属になる

∵対応する行列 $A$ のランクは行数 $n$ より大きくならないから。

● 一次独立と「張る空間」

- $n$ 本のベクトルが一次独立ならば、その一次結合は $n$ 次元空間を張る
- 一般には $\mathrm{rank}\, A$ と等しい次元の空間を張る~
→ 一次従属なら次元が $n$ より小さくなる

* 線形空間(ベクトル空間) [#a3d996bb]

線形代数IIで詳しく学ぶ。線形代数Iでは上で扱った程度にとどめる。

* 写像 [#b96978d0]

$\bm a\in \mathbb R^n$ を与えると $\bm a'\in \mathbb R^m$ を返すような関数
$f:\mathbb R^n\rightarrow\mathbb R^m$ を考える。

すなわち $\bm a'=f(\bm a)$

$f$ は様々な物が考えられるが、任意の $\bm a\in \mathbb R^n$ に対して、
必ず1つだけ $\bm a'$ が決まることが重要である。

このように、ある集合 $V$ の任意の元 $\bm x$ に対して集合 $W$ の元を1つ $f(\bm x)\in W$ 対応させるような演算規則 $f$ のことを集合 $V$ から集合 $W$ への写像と呼び $f:V\to W$ と書く。
$\bm x$ を $f(\bm x)$ に対応させることを強調するときは $f:\bm x\mapsto f(\bm x)$ とも書く(矢印の形が異なることに注意)。

例:

$\bm a=\begin{bmatrix}x\\y\end{bmatrix}\in \mathbb R^2$, $\bm a'=\begin{bmatrix}x'\\y'\\z'\end{bmatrix}\in \mathbb R^3$
の時、例えば

$\begin{bmatrix}x'\\y'\\z'\end{bmatrix}=f(\bm a)=\begin{bmatrix}2+x\sin y\\2^y\\-1\end{bmatrix}$

として定義される $f$ は、$x,y$ を1組決めれば $x',y',z'$ が決まるため、$\mathbb R^2\rightarrow\mathbb R^3$ の写像となる。

* 線形写像 [#t0ef2d8b]

ある写像 $f$ が線形であるとは、任意の $\bm a, \bm b\in \mathbb R^n$ および 
$c\in \mathbb R$ に対して、

- $f(\bm a+\bm b)=f(\bm a)+f(\bm b)$
- $f(c\bm a)=cf(\bm a)$

が成り立つことを言う。

すぐ分かるように $f$ が線形なら

- $f(\bm o)=\bm o$~
$\because f(\bm o)=f(0\bm o)=0f(\bm o)=\bm o$
- $f(-\bm a)=-f(\bm a)$

となる。

- $f$ がベクトルの次元を変えないとき、すなわち 
$\mathbb R^n\rightarrow\mathbb R^n$ 
のとき、線形変換(一次変換)と呼ぶこともある

* 線形写像は $f(\bm x)=A\bm x$ の形に書ける [#va8ffb2b]

スカラー関数 $f(x)$ が線形ならば、
$f(x)=f(x\cdot 1)=xf(1)=f(1)x$ であるから、
$f(1)=A$ と置くことで $f(x)=Ax$ の形に書けることが分かる。

同様に、$f(\bm x)$ が線形なら、ある行列 $A$ を用いて 
$f(\bm x)=A\bm x$ と書ける。

∵ 任意のベクトル $\bm x$ を 

$$\bm x=\begin{bmatrix}x_1\\x_2\\\vdots\\x_n\end{bmatrix}=\sum_{i=1}^nx_i\bm e_i$$

として基本ベクトルの一次結合で表せば、

$$f(\bm x)=f(\sum_{i=1}^nx_i\bm e_i)=\sum_{i=1}^nx_if(\bm e_i)$$

そこで、$\bm a_i=f(\bm e_i)\in \mathbb R^m$ と置けばこれは定数ベクトルである。
これを並べて $A$ を作れば、

$$f(\bm x)=\sum_{i=1}^nx_i\bm a_i=\Bigg[\begin{matrix}\bm a_1&\bm a_2&\cdots&\bm a_n\end{matrix}\Bigg]\bm x=A\bm x$$

となる。また逆に $f(\bm x)=A\bm x$ と書ければこれは必ず線形となる。

- $A$ を $f$ の表現行列と呼ぶ
- $f(\bm x)=A\bm x$ を $A$ の定める線形写像と呼ぶ

例:

次の条件を満たす線形写像 $f(\bm x)$ の表現行列を求めよ。

$f\left(\begin{bmatrix}3\\2\end{bmatrix}\right)=\begin{bmatrix}-1\\3\end{bmatrix}$、
$f\left(\begin{bmatrix}1\\1\end{bmatrix}\right)=\begin{bmatrix}4\\2\end{bmatrix}$

(解答)

$\left\{\begin{matrix}A\begin{bmatrix}3\\2\end{bmatrix}=\begin{bmatrix}-1\\3\end{bmatrix}\\A\begin{bmatrix}1\\1\end{bmatrix}=\begin{bmatrix}4\\2\end{bmatrix}\end{matrix}\right.$

より、

$A\begin{bmatrix}3&1\\2&1\end{bmatrix}=\begin{bmatrix}-1&4\\3&2\end{bmatrix}$

$A=\begin{bmatrix}-1&4\\3&2\end{bmatrix}\begin{bmatrix}3&1\\2&1\end{bmatrix}^{-1}$
$=\frac{1}{3\cdot 1-1\cdot 2}\begin{bmatrix}-1&4\\3&2\end{bmatrix}\begin{bmatrix}1&-1\\-2&3\end{bmatrix}$
$=\begin{bmatrix}-9&13\\-1&3\end{bmatrix}$

* 合成写像 [#l38b65dd]

$f(\bm x):\mathbb R^n\rightarrow\mathbb R^m$

$g(\bm y):\mathbb R^m\rightarrow\mathbb R^l$

のとき、その合成写像を定義できる。

$h(\bm x)=g\!\circ\!f(\bm x)=g\left(f(\bm x)\right):\mathbb R^n\rightarrow\mathbb R^l$

($h=g\!\circ\!f$ などと書く)

その表現行列は、

$f(\bm x)=A\bm x,g(\bm y)=B\bm y$ であれば、
$g\!\circ\!f(\bm x)=BA\bm x$ より $BA$ である。

例:

2次元ベクトル $\bm x\in \mathbb R^2$ をx座標方向に3倍してから
反時計回りに45度回転する線形写像を考える。

x方向に3倍する:$f(\bm x)=\begin{bmatrix}3&0\\0&1\end{bmatrix}\bm x$

45度回転する:$g(\bm x)=\begin{bmatrix}1/\sqrt{2}&-1/\sqrt{2}\\1/\sqrt{2}&1/\sqrt{2}\end{bmatrix}\bm x$

合成すると、

$g\!\circ\!f(\bm x)=\begin{bmatrix}1/\sqrt{2}&-1/\sqrt{2}\\1/\sqrt{2}&1/\sqrt{2}\end{bmatrix}\begin{bmatrix}3&0\\0&1\end{bmatrix}\bm x=\begin{bmatrix}3/\sqrt{2}&-1/\sqrt{2}\\3/\sqrt{2}&1/\sqrt{2}\end{bmatrix}\bm x$

* 線形代数とは [#ceb38bf4]

もともと線形代数とは線形写像を扱うための学問である。

「線形」の定義には和とスカラー倍が定義されている集合つまり線形空間が必要で、その要素をベクトルと呼ぶ。

* コメント [#l5139346]

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**一次独立の重要な性質の箇所 [#f8c92f79]
>[[大山]] (&timetag(2024-02-27T02:43:18+09:00, 2024-02-27 (火) 11:43:18);)~
~
> $n$次元ベクトルを$n$本以上集めたら必ず一次従属になる~
とありますが,$n+1$本な気がします.~

//
- ご指摘の通りでした。修正いたしました。 -- [[武内(管理人)]] &new{2024-02-28 (水) 10:57:57};

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**線型写像 f(O)=Oの導出 [#t7ba825b]
>[[筒美 章]] (&timetag(2020-04-10T14:31:05+09:00, 2020-04-10 (金) 23:31:05);)~
~
放送大学の学生です。~
f(O)=Oの導出についてですが、上の線形性の定義から~
f(O)=f(O+O)=2f(O)よりf(O)=Oとなるとしてもよいですか~

//
- はい、問題ないと思います。 -- [[武内(管理人)]] &new{2020-04-11 (土) 00:32:51};

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**無題 [#t9096213]
>[[てっしー]] (&timetag(2018-07-15T14:11:32+09:00, 2018-07-15 (日) 23:11:32);)~
~
慶応の学生です。わかりやすくてとても試験対策に役立ちました!~

//

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**線形写像の例 [#xa8a2fa2]
>[[濱口数馬]] (&timetag(2015-10-13T21:57:23+09:00, 2015-10-14 (水) 06:57:23);)~
~
逆行列を求めた後さらに逆行列表示となっています。~

//
- ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。 -- [[武内(管理人)]] &new{2015-10-18 (日) 01:32:45};

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