線形代数I/要点/2章A-行列 の履歴(No.2)
更新行列†
数字を縦横に並べて 大括弧で 囲んだもの。丸括弧ではないので注意。
行と列†
m行n列の行列、や、(m,n)−行列、と言った場合、縦にm個、横にn個の 行列を指す。
例えば上の例は(3,4)−行列。
横書き文化から来た言葉なので、横に1列に並んだ数字を1行と数える、と考えれば 間違えることは無いはず。
同様に、
- 第3行第2列成分 = (3,2)-成分 =
- 第3行ベクトル、第1列ベクトル
なども普通に使えるように。
行列の成分表示†
のような行列を、省略形で
などと書く。
行列の演算†
高校で習ったのと同じ。行列表示の省略形を使うと簡単に定義できる。
- スカラー乗
- 加算
- 乗算
(m,n)-行列と(n,p)-行列との間に乗算が定義される。
乗算は左右に i,j を置いて、真ん中に加算用の k をはさむ形になることに注意。
同様に、
などとなる。各自確かめてみよ。
乗算の非可換性†
一般に である。
そもそも、(m,n)-行列と(n,p)-行列との乗算は の場合には順序を 変えると定義さえされない。
ゼロ行列†
任意の について、
となるような行列をゼロ行列と呼ぶ。
ゼロ行列はすべての成分がゼロである。
単位行列†
任意の について、
となる行列は、乗算の定義される任意の について
となる。
このような行列を単位行列と呼ぶ。
単位行列は対角成分のみ1で後はすべてゼロであるような正方形の行列、つまり
という形をしている。
ここで、 はクロネッカーのデルタと呼ばれる記法で、定義は
である。
正方行列†
単位行列のように正方形の行列を 正方行列 と呼び、その縦、横の長さを正方行列の 次数 と呼ぶ。
「 をn次の正方行列とする」などという形で使われる。
逆行列†
正方行列 に対して、
となるような行列 を の逆行列と呼び、 と書く。
正則†
逆行列を持つ行列を 正則な行列 と呼ぶ。
「 は正則か?」「正則な行列 について〜」などという使い方をする。
転置行列†
に対して を の転置行列と呼ぶ。
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