球形の箱の中の粒子†
&math(
V(r)=\begin{cases}
0&(r<=a)\\
V_0&(r>a)\\
\end{cases}
);
の場合には、
を考えるよりも
をそのまま扱った方が都合がよい。
と置くことにより、箱の内部の方程式は
&math(
\frac{d^2R}{d\rho^2}+\frac{2}{\rho}\frac{dR}{d\rho}+\left\{1-\frac{l(l+1)}{\rho^2}\right\}R=0
);
となる。
この解は球ベッセル関数
と呼ばれる。
...
詳しい導出はこちら
- 原点で発散することはない
-
では
-
の大きいところでは、
-
なら
-
なら
-
なら
-
なら
-
や
の周期性を反映して
を満たす根を無限個持つ
-
の小さいところでは、
が大きいほどゆっくり振動する
-
は
に比べて振動回数が1回少ない
の代わりに
をプロットすると下のようになる。
の大きいところでは
に漸近する。
境界条件†
1次元の箱形ポテンシャルのところで学んだのと同様に、
の場合には
において
が要求されるから、
により
が決定される。
の根は無数にあるが、
番目の根を
とすれば、
より、
エネルギーの大きさは根の位置
で決まるから、
となる。
と
との大小関係に制約はないから、任意の
に対して
任意の
が対応する。
グラフ†
見やすいように最大値で規格化した。
箱の外のポテンシャルが有限の場合†
箱の外のポテンシャルが有限の場合にも、
における位相が少しずれるものの、
外部の解となめらかに接続する条件から
が決定される。
閉じ込めが弱くなると、同じ
に対するエネルギーは低下する。
このときポテンシャルエネルギーの期待値はむしろ増加するから、
エネルギーの低下は運動エネルギーの低下によるものである。
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