線形代数I/要点/2章A-行列 のバックアップ(No.1)

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行列

数字を縦横に並べて 大括弧で 囲んだもの。丸括弧ではないので注意。

\left[ \begin{array}{cccc} 1&2&3&4 \\ 5&6&7&8 \\ 9&10&11&12 \end{array} \right]

行と列

m行n列の行列、や、(m,n)−行列、と言った場合、縦にm個、横にn個の 行列を指す。

例えば上の例は(3,2)−行列。

横書き文化から来た言葉なので、1行は横1列のことである、と考えれば 間違えることは無いはず。

同様に、

  1. 第3行第2列成分 = (3,2)-成分 = a_{32}
  2. 第3行ベクトル、第1列ベクトル

なども普通に使えるように

行列の成分表示

A=\left[ \begin{array}{ccccc} a_{11}&a_{12}&a_{13}&\dots&a_{1n} \\ a_{21}&a_{22}&a_{23}& &a_{2n} \\ \vdots&\vdots& &\ddots&\vdots \\ a_{m1}&a_{m2}&a_{m3}&\dots&a_{mn} \end{array} \right]

のような行列を、省略形で

A=(a_{ij})

などと書く。

行列の演算

高校で習ったのと同じ。行列表示の省略形を使うと簡単に定義できる。

  • スカラー乗
    \lambda A=(\lambda a_{ij})

  • 加算
    A+B=(a_{ij}+b_{ij})

  • 乗算
    (m,n)-行列と(n,p)-行列との間に乗算が定義される。
    AB=\left(\sum_k a_{ik}b_{kj}\right)

乗算は左右に i,j を置いて、真ん中に加算用の k をはさむ形になることに注意。

同様に、

ABC=\left(\sum_k \sum_m a_{ik}b_{km}c_{mj}\right)

などとなる。各自確かめてみよ。

乗算の非可換性

一般に AB\ne BA である。

そもそも、(m,n)-行列と(n,p)-行列との乗算は m \ne p の場合には順序を 変えると定義さえされない。

ゼロ行列

任意の A について、

A+O=A

となるような行列をゼロ行列と呼ぶ。

ゼロ行列はすべての成分がゼロである。

O=(0)

単位行列

任意の A について、

AI=A

となる行列は、乗算の定義される任意の B について

IB=B

となる。

このような行列を単位行列と呼ぶ。

単位行列は対角成分のみ1で後はすべてゼロであるような正方形の行列、つまり

I=\left[ \begin{array}{ccccc} 1&0&0&\dots&0 \\ 0&1&0&\dots&0 \\ 0&0&1& &0 \\ \vdots&\vdots& &\ddots&\vdots \\ 0&0&0&\dots&1 \end{array} \right]=(\delta ij)

という形をしている。

ここで、 \delta_{ij} はクロネッカーのデルタと呼ばれる記法で、定義は

\delta_{ij}=\left\{ \begin{array}{c} 1\ \dots\ (i=j) \\ 0\ \dots\ (i\ne j) \end{array} \right.

である。

正方行列

単位行列のように正方形の行列を正方行列と呼び、その縦、横の長さを正方行列の次数と呼ぶ。

A をn次の正方行列とする」などという形で使われる。

逆行列

正方行列 A に対して、

AB=BA=I

となるような行列 B A の逆行列と呼び、 B=A^{-1} と書く。

正則

逆行列を持つ行列を正則な行列と呼ぶ。

A は正則か?」「正則な行列 A について〜」などという使い方をする。

転置行列

A=(a_{ij}) に対して ^t\!A=(a_{ji}) A の転置行列と呼ぶ。


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