線形代数I/連立一次方程式 のバックアップ(No.1)

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線形代数I

連立一次方程式

連立一次方程式とは

  • 一次方程式:最大で一次の項からなる方程式
  • 連立:複数ある

一次の項?

  • 0次: 0, 3, \sqrt{5}, a, b, \cdots
  • 一次: x, y, z, w, \cdots
  • 二次: x^2, y^2, xy, \cdots
  • 三次: x^3, xy^2, xyz, \cdots
  • ・・・

そして

  • 項:+やーで繋がれたもの
    x+a+(c+d) なら x a の他、 (c+d) を項と呼ぶことも
  • 因子:積や商で繋がれたもの
    ax なら a x

「最大で一次の項からなる方程式が複数ある」

一次方程式の例

\left\{\begin{array}{l} x+2y=-1 \\ 3x+y=2 \end{array}\right . \left\{\begin{array}{l} x=1 \\ y=-1 \end{array}\right .

必ずしも解けるわけではない

  • 解がたくさん出てくる
  • 解が1つもない

解がたくさん出てくる

\left\{\begin{array}{l} x+2y=-1 \\ 2x+4y=-2 \end{array}\right . \left\{\begin{array}{l} x=-2k-1 \\ y=k \end{array}\right .
任意の k について解になる。

解が1つもない

\left\{\begin{array}{l} x+2y=-1 \\ 2x+4y=-3 \end{array}\right .

下の式から上の式の2倍を引くと、

0=-1

どんな x,y を持ってきてもこの式を満たすことはできない。

したがって、「解無し」

連立方程式の一般系

\left\{\begin{array}{c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c} a_{11}x_1&+&a_{12}x_2&+\cdots+&a_{1n}x_n&=&b_1 \\ a_{21}x_1&+&a_{22}x_2&+\cdots+&a_{2n}x_n&=&b_2 \\ \vdots&&\vdots&&\vdots&&\vdots\\ a_{m1}x_1&+&a_{m2}x_2&+\cdots+&a_{mn}x_n&=&b_m \\ \end{array}\right .

&maht(x_1,x_2,\cdots,x_n); が変数
&maht(a_{11},\cdots,a_{mn}); が定数(係数)
&maht(b_1,b_2,\cdots,b_m); も定数

変数に使う文字:
変数が3つまでであれば、 x,y,z が使われるし、
変数が4つまでであれば、 x,y,z,w が使われる事が多い。

それ以上の時は、 x_i の形で表すとよい。

連立方程式とベクトル方程式

A=\begin{bmatrix}a_{11}&a_{12}&\cdots&a_{1n}\\a_{21}&a_{22}&\cdots&a_{2n}\\\vdots&\vdots&\ddots&\vdots\\a_{m1}&a_{m2}&\cdots&a_{mn}\end{bmatrix} \bm x = \begin{bmatrix}x_1\\x_2\\\vdots\\x_n\end{bmatrix} 、 &maty(\bm b = \begin{bmatrix}b_1\\b_2\\\vdots\\b_m\end{bmatrix});
係数行列、変数ベクトル、定数ベクトル

と置くと、連立一次方程式は次の形のベクトル方程式に書ける。

A\bm x=\bm b

方程式の解

先の例と同様に、

  • 1つだけに決まる
  • たくさんある
  • 1つもない

のいずれにもなりうる。

A\bm x=\bm b なら \bm x=A^{-1}\bm b だから、かならず解は1つだけ求まるんじゃないの?
というのはちょっと甘い。

  • A が正則でない場合もあるし
  • そもそも A が正方行列にならない場合も考えないと

実際の問題では

物理学やその他のシミュレーションでは、 何万、何十万の変数を持つ連立一次方程式を 計算機を使って解かなければならない問題がたくさんある。

  • 大きな次数の計算では「行き当たりばったり」の計算方法では困る
  • 方程式の性質自体を行列を使って理解したい

というのが、以降で行う内容。

連立一次方程式の例

\left\{\!\begin{array}{r@{\,}c@{\,}r@{\,}c@{\,}r@{\,}c@{\,}r@{\ \ \ \ \ \ \ }c}x&-&2y&+&3z&=&1&\MARU{1}\\3x&+&y&-&5z&=&-4&\MARU{2} \\-2x&+&6y&-&9z&=&-2&\MARU{3}\end{array}\right .

を解こう。

\begin{array}{r@{\,}c@{\,}r@{\,}c@{\,}r@{\,}c@{\,}r@{\ \ \ \ \ \ \ }ll}\phantom{-2x}&\phantom{-}&7y&-&14z&=&-7&\MARU{2}-3\times\MARU{1}&=\MARU{4}\\&&2y&-&3z&=&0&\MARU{3}+2\times\MARU{1}&=\MARU{5} \\&&y&-&2z&=&-1&\MARU{4}/7&=\MARU{6}\\x&&&-&z&=&-1&\MARU{1}+2\times\MARU{6}&=\MARU{7}\\&&&&z&=&2&\MARU{5}-2\times\MARU{6}&=\MARU{8}\\x&&&&&=&1&\MARU{7}+\MARU{8}&=\MARU{9}\\&&y&&&=&3&\MARU{6}+2\times\MARU{8}&=\MARU{10}\\\end{array}

\MARU{9}\MARU{10}\MARU{8} より x=1,\ y=3,\ z=2

あるいは、

\begin{bmatrix}x\\y\\z\end{bmatrix}=\begin{bmatrix}1\\3\\2\end{bmatrix}

どうやったか?

連立方程式の解を変化させずに以下の式変形が可能:

  • ある式を定数倍( \neq 0 )する
  • ある式を定数倍して別の式に加える
  • (ある式を別の式を入れ替える) ←必要なら

与えられた式に上記の操作を繰り返して、最終的に

\left\{\begin{array}{c@{\ }c@{\ }c@{\ }c@{\ }c}x&&&=&?\\&y&&=&?\\&&z&=&?\end{array}\right .

の形にした。

係数だけ取り出して考える

\left\{\!\begin{array}{r@{\,}c@{\,}r@{\,}c@{\,}r@{\,}c@{\,}r@{\ \ \ \ \ \ \ }c}x&-&2y&+&3z&=&1&\MARU{1}\\3x&+&y&-&5z&=&-4&\MARU{2} \\-2x&+&6y&-&9z&=&-2&\MARU{3}\end{array}\right .

のような連立一次方程式に対して、係数行列と定数ベクトルを並べてできる次のような行列を「拡大係数行列」と呼ぶ。

A^*=[\,A\ \bm b\,]=\begin{bmatrix}1&-2&3&1\\3&1&-5&-4\\-2&6&-9&-2\end{bmatrix}

この行列に対して、

  • ある行を定数倍( \neq 0 )する
  • ある行を定数倍して別の行に加える
  • ある行を別の式を入れ替える

を行っても、対応する方程式の解は変わらない。

これら3つの変形は「(行に対する)基本変形」と呼ばれる。

行列が解けて、解が1つだけ定まる場合には、上記の拡大係数行列に変形を繰り返すことで、

&maht(\left[\begin{array}{ccccl}1&0&\cdots&0&b_1^\prime\\ 0&1&&\vdots&\vdots\\\vdots&&\ddots&0&b_{m-1}^\prime\\0&\cdots&0&1&b_m^\prime\end{array}\right]=[\,I\ \bm b^\prime\,]);

のように、単位行列の右側に(はじめとは異なる)定数ベクトルが並ぶ形にできる。

この式は、

\left\{\begin{array}{c@{\ }c@{\ }c@{\ }c@{\ }c}x&&&=&b_1^\prime\\&y&&=&b_2^\prime\\&&z&=&b_3^\prime\end{array}\right .

のような式に対応していることから、

\bm x=\bm b^\prime

が解となる。

ガウスの消去法(掃出し法)

先の問題を、拡大係数行列を変形する方法で解いてみる。

ここで採用する方法は「ガウスの消去法」あるいは「掃出し法」と呼ばれる。


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