ModelSim で $messagelog を使う のバックアップ(No.4)

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$messagelog が便利

verilog のテストベンチで画面にテキストを表示するには、 通常 $display を使うのですが、

ModelSim では $display の代わりに $messagelog を使うと便利です。

例えばテストベンチに

LANG:verilog
always @(posedge iclk_int)
    if (full & we)
        $messagelog("%:S Write strobe was asserted while fifo is full.", "Error")

と書いておけば、$display のように出力ウィンドウにメッセージを表示すると共に、 下図のように wave ウィンドウの message 欄にメッセージが表示された時刻を示す ▼ が表示されます(青丸)。

message_log.png

▼ の上にカーソルを持って行けば表示されたメッセージを見ることができますので、 $display に表示された時刻を目で追うような苦労から解放されます。

また、message 欄のタイトル部分(赤丸)をクリックすることで、 アクティブなカーソルを次の ▼ まで飛ばすことができます。

したがって、通常 ▼ を目で探す必要もありません。

メニューの [View] - [Messsage Viewer] にチェックを入れておくと、 wave ウィンドウの隣に Message Viewer タブが出ます(紫丸)。 ここでは次のように、表示されたメッセージを条件別に並べ替えて表示するようなことが可能です。

message_viewer.png

(ちょっとメッセージ内容が違っているのは下記のルーチンを使っているためです)

$messagelog では %:S にメッセージの種類を指定できて、 表示されるメッセージはこれを使って分類されます。

よく使われるのは "Note" と "Error" だと思いますが、

  • "Note" ("Info", "Message" も同義)
  • "Warning"
  • "Error"
  • "Fatal"

の4つが使えるそうです。

この %:S の内容で ▼ の色が変わるので、 重要なメッセージとそうでない物を一目で見分けられます。

その他の使い方については ModelSim の User's Manual を参照して下さい。

$messagelog を利用するマクロ

上記の通り $messagelog はとても便利なのですが、 そのままソースコードに書き込んでしまうと、 ModelSim 以外でテストするのが難しくなってしまいます。

そこで、$messagelog を直接呼ぶのではなくマクロを使って記述することにしました。

simulation.inc

LANG:verilog(linenumber)
`ifndef VERBOSE
    `define VERBOSE 0
`endif

`define INFO(msg) \
    if(`VERBOSE) \
        $messagelog(`"%:S msg.`", "Note")

`define ERROR(msg) \
    $messagelog(`"%:S msg.`", "Error")

`define DONE \
    $messagelog(`"%:S Done.`", "Note")

`define ASSERT(variable,value) \
    if((variable)!=(value)) \
        $messagelog(`"%:S Assertion [ variable == value ] was not met.`", "Error")

`define ASSERT_ALWAYS(variable,value) \
    always @(variable) \
        if((variable)!=(value)) \
            $messagelog(`"%:S Assertion [ variable == value ] was not met.`", "Error")

`define ASSERT_AT_CLK(clk,variable,value) \
    always @(clk) \
        if((variable)!=(value)) \
           $messagelog(`"%:S Assertion [ variable == value @ clk ] was not met.`", "Error")

上記コードを `include して使うことで、 ModelSim 以外でシミュレーションする必要が生じたときにも このマクロ定義だけを書き換えれば済みますので、 便利な機能を安心して使えます。

ASSERT マクロ群

本来ならこういったことをするのには OVL のような、 標準的な検証ライブラリを使うべきなのでしょうけれど、 使い方を覚えるのが面倒なのに加えて、 記述量を減らしたいという欲求もあって、 上記のようなマクロを書いて使ってしまっています。

ASSERT や ASSERT_ALWAYS を書くのには SystemVerilog の構文を使っています。 従って、vlog のオプションに -sv を加えておかないと、コンパイルエラーが生じます。 注意して下さい。

やり方は、

  1. ISE Project Navigator の Processes ペインで Simulate Behavioral Model を右クリック
  2. Process Properties
  3. Category で Simulation Properties が選択されているはず
  4. Other VLOG Command Line Options に -sv を追加

です。

同じ所に "+define+VERBOSE=1" を書くことで、 VERBOSE マクロを書き換えて `INFO マクロによる出力を無効化することもできます。

上記のようにわざわざ SystemVerilog の構文を使っているのは、 与えた条件からエラーメッセージを自動生成するためです。 この自動生成のおかげでアサーションを記述するのがとても楽になっています。

上記 FIFO の例であれば、

LANG:verilog
always @(posedge iclk_int)
    if (full & we)
        $messagelog("%:S Write strobe was asserted while fifo is full.", "Error")

の代わりに

LANG:verilog
`ASSERT_AT_CLK(posedge iclk_int, full && we, 0);

とするだけで、

# ** Error: Assertion [ full && we == 0 @ posedge iclk_int ] was not met.

という分かりやすいメッセージが出力されます。

※ 本当はメッセージ中の full && we を括弧でくくらないと間違いなのですが、 それはそれで見難いので、そのままになっています。 条件式の方は括弧で括ってあるので大丈夫です。 (full && we == 0 だと full && (we == 0) の意味になってしまいます )

メッセージにはエラーの発生箇所が含まれていませんが、 上記の通り発生時刻は Wave Window で分かりますし、 コード中での位置は Message Viewer を使えば調べられます。

エラーメッセージはあまり長くない方が見やすいようです。

検証コードをソースに埋め込む

上記のような検証コードはテストベンチに記述しても良いのですが、 ロジックを記述したソースコードに直接埋め込んでおくのも便利です。

FIFO のソースコード中に

LANG:verilog
`include "simulation.inc"
...

module fifo (
  ...

);

   ...

   // synthesis translate_off
   `ASSERT_AT_CLK(posedge iclk_int, full  && we, 0);
   `ASSERT_AT_CLK(posedge oclk_int, empty && re, 0);
   // synthesis translate_on

endmodule

のように、synthesis translate_off / synthesis translate_on で挟んで検証コードを埋め込んでおくと、 インプリメント時にはこの部分が無視されるので、 ソースコードを変更することなく検証と合成のどちらも行えます。

注意

恐らく、上記のようにソースに埋め込んだの検証コードは Behavior レベルのテストでしか効果がありませんので、 合成結果に対するテストでは別途テストベンチに検証コードを記述する必要があるのだと思います。

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