線形独立、基底及び次元/次元の一意性 の履歴(No.1)
更新次元の一意性を証明する†
基底を構成するベクトルの数を線形空間の「次元」と呼ぶ。
ある空間 について、基底の取り方には任意性があるが、「次元」は一意に決まる。
これは、
- 個のベクトルにより張られる空間から、 個以上の線形独立なベクトルを取り出すことはできない。
ことからの帰結である。ここから、
- 次元空間を 個以下のベクトルで張ることはできない。
- 次元空間に 個以上の線形独立なベクトルの組を見つけることはできない。
が導けて、これがすなわち次元の一意性を表わす。
$n$ 個のベクトルにより張られる空間から、$n$ 個以上の線形独立なベクトルを取り出すことはできない†
として、 がすべて の線形結合で表せるとする。
すなわち、
である。
に上式を代入すると、
&math( \sum_{i=1}^m d_i \sum_{j=1}^n c_{ij}\bm b_j=\bm 0\\ \sum_{j=1}^n\left(\sum_{i=1}^m d_i c_{ij}\right)\bm b_j=\bm 0\\ );
この式は、すべての について、
&math( \sum_{i=1}^m d_i c_{ij}= \begin{pmatrix}c_{1j}&&c_{2j}&&\dots&&c_{mj}\end{pmatrix} \begin{pmatrix}d_1\\d_2\\\vdots\\d_m\end{pmatrix}=0 );
を満たせば必ず成り立つ。それらの条件をまとめて書けば、
&math( \begin{pmatrix} c_{11}&&c_{21}&&\dots&&c_{m1}\\ c_{12}&&c_{22}&& &&\vdots\\ \vdots&& &&\ddots&&\vdots\\ c_{1n}&&\dots&&\dots&&c_{mn}\\ \end{pmatrix} \begin{pmatrix}d_1\\d_2\\\vdots\\d_m\end{pmatrix}= \begin{pmatrix}0\\0\\\vdots\\0\end{pmatrix} );
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