反射率・透過率とエバネッセント波 の履歴(No.10)
更新
目次†
2つの媒質の間の界面における反射率、透過率†
こちらのサイトの内容をほぼそのままたどっています:
http://eman-physics.net/electromag/fresnel.html
http://eman-physics.net/electromag/wave.html
平面 を境に を領域1, を領域2と呼ぶ。
それぞれの領域の誘電率、透磁率が 、 であるとする。
領域 1 から入射波
が入射角 で入射するとすれば、
、
が成り立つ。
以下、反射波、透過波の電場を、
と置き、マクスウェル方程式に立ち戻って計算することにより、反射率、透過率および その他のよく知られた関係式を求めたい。
屈折角を 、反射角を とすれば、
が成り立つ。
波動方程式†
電荷や電流の存在しない媒質中のマクスウェル方程式より、
第2式を変形して、
&math( &(\partial/\partial t)(1/\mu)\bm\nabla\times \bm B =\varepsilon(\partial/\partial t)^2\bm E\\ &=(1/\mu)\bm\nabla\times (\partial/\partial t)\bm B =-(1/\mu)\bm\nabla\times \bm\nabla\times \bm E =-(1/\mu)\bigl[\bm\nabla(\underbrace{\bm\nabla\cdot\bm E}_{=0})-\nabla^2\bm E\bigr] =(1/\mu)\nabla^2\bm E );
したがって、
&math( \mu\varepsilon(\partial/\partial t)^2\bm E=\nabla^2\bm E );
これが電磁波の満たすべき波動方程式である。
波数・振動数の関係†
上記のような平面波を仮定すれば、
が得られ、すなわち、
を満たす限り、上記のような平面波は電磁波の波動方程式の解となることが分かる。
平面波の位相速度†
平面波の位相部分を、
&math( \exp\bigl[i(\bm k\cdot \bm r-\omega t)\bigr]= \exp\bigl[ik\{\bm e_k\cdot \bm r-(\omega/k) t\}\bigr]= \exp\bigl[ik\{\bm e_k\cdot (\bm r-\underbrace{(\omega/k)\bm e_k}_{\displaystyle\bm v} t)\}\bigr] );
のように書き直せば、平面波は 方向に速度 で移動することが分かる。
上記の関係式より、この速度は
と表せる。
ここで、屈折率は真空中と媒質中との速度の比であるから、
と書ける。
電場・磁場・波数の関係†
マクスウェル方程式より、
が導かれ、このとき であることは明らか。
また、
より、 、 である。
境界条件†
での境界条件は、
- より、 の面直成分は連続
- より、 の面直成分は連続
- より、 の面内成分は連続
- より、 の面内成分は連続
である。
\({\mathbf{E}}\) の面内成分連続より、\(k_x,k_y,\omega\) は共通†
3. より、 成分について以下が成り立つ。
これらの式は を満たす限り任意の に対して成り立たなければならない。
ここで、 では が 軸に平行であることになってしまい、 より、 の 成分がゼロとなって の仮定に反する。
つまり、少なくとも のどちらかはゼロではない。
すると、そのゼロでない方の条件式を の関数として見ると次の形をしている。
変形して、
である限り、この条件式は任意の で成り立たたなければならない。 そこで両辺を で微分すると、
この左辺は定数であるが、右辺は あるいは でない限り とともに変化してしまう。
であれば、微分する前の条件式に代入して、
この左辺は非ゼロの定数であるが、右辺がそのような定数となるためには でなければならず、 が得られる。
一方、 であるなら であるが、 では となってしまい条件を満たさないから、 少なくとも あるいは のどちらかが 成り立たなければならない。このとき上と同様にして、 が得られる。
いずれの場合にも となるから、 軸方向の波数成分はすべて等しいことが分かる。
同様の議論から、 、 が得られ、 透過波、反射波とも入射面内を進むこと、角振動数が等しいこと、が分かる。
スネルの法則†
が共通であることと、 などの関係から、
を得る。
の関係式より、 同じ媒質中を進む入射波と反射波の角振動数が同じであればその波数も等しく、 であるから、
すなわち、入射角と反射角とは等しいことが分かる。
一方で、
これはスネルの法則と呼ばれる。
偏波成分†
電場係数を 偏光成分と 偏光成分とに分ける。
すると、
&math( &\bm B_0=-\frac{1}{\omega}\bm k\times\bm E_0=-\frac{k}{\omega}\bm e_k\times\bm E_0\\ &\bm e_k\times\bm E_0=\begin{pmatrix} \sin\theta\\0\\-\cos\theta \end{pmatrix}\times \begin{pmatrix} E_x\\E_y\\E_z \end{pmatrix}= \begin{pmatrix} E_y\cos\theta\\
- E_x\cos\theta-E_z\sin\theta\\ E_y\sin\theta \end{pmatrix}= \begin{pmatrix} E_s\cos\theta\\
- E_p\\ E_s\sin\theta \end{pmatrix}\\ &\bm B_0=\frac{k}{\omega}\begin{pmatrix}
- E_s\cos\theta\\ E_p\\
- E_s\sin\theta \end{pmatrix} );
ただし、
&math( &\bm e_{k''}\times\bm R_0=\begin{pmatrix} \sin\theta\\0\\\cos\theta \end{pmatrix}\times \begin{pmatrix} R_x\\R_y\\R_z \end{pmatrix}= \begin{pmatrix}
- R_y\cos\theta\\ R_x\cos\theta-R_z\sin\theta\\ R_y\sin\theta \end{pmatrix}= \begin{pmatrix}
- R_s\cos\theta\\ R_p\\ R_s\sin\theta \end{pmatrix}\\ );
境界条件を解く†
1. の面直成分連続より、
&math(
- \frac{k}{\omega}E_s\sin\theta
- \frac{k}{\omega}R_s\sin\theta =
- \frac{k'}{\omega}T_s\sin\theta' );
より、
2. の面直成分連続より、
&math( \varepsilon E_p\sin\theta
- \varepsilon R_p\sin\theta = \varepsilon' T_p\sin\theta' );
3. の面内成分連続より、
&math( E_p\cos\theta
- R_p\cos\theta = T_p\cos\theta' );
4. の面内成分連続より、
&math(
- \frac{k}{\mu\omega}E_s\cos\theta
- \frac{k}{\mu\omega}R_s\cos\theta =
- \frac{k'}{\mu'\omega}T_s\cos\theta' );
&math( \frac{k}{\mu\omega}E_p
- \frac{k}{\mu\omega}R_p = \frac{k'}{\mu'\omega}T_p );
全て合わせると、
&math( \begin{cases} \varepsilon \sin\theta(E_p-R_p)=\varepsilon' T_p\sin\theta'\\ \cos\theta(E_p+R_p)=T_p\cos\theta'\\ \frac{k}{\mu}(E_p-R_p)=\frac{k'}{\mu'}T_p\\ E_s+R_s=T_s\\ \frac{k}{\mu}\cos\theta(-E_s+R_s)=-\frac{k'}{\mu'}T_s\cos\theta'\\ \end{cases} );
より、 を使うと1番目の式は、
&math( \sqrt{\frac{\varepsilon}{\mu}}(E_p-R_p)=\sqrt{\frac{\varepsilon'}{\mu'}}T_p );
より、 を使うと3番目の式は、
&math( \sqrt{\frac{\varepsilon}{\mu}}(E_p-R_p)=\sqrt{\frac{\varepsilon'}{\mu'}}T_p );
で同じ式になる。
などを使うと、
これと3番目の式を連立させて、
3番目の式へ代入して、
&math( &\frac{k}{\mu}\left(1-\frac{-\mu k'^2k_z+\mu'k^2k_z'}{\mu k'^2k_z+\mu'k^2k_z'}\right)E_p=\frac{k'}{\mu'}T_p\\ &T_p=\frac{\mu'k}{\cancel\mu\cancel{k'}}\frac{2\cancel\mu k'^{\cancel{2}}k_z}{\mu k'^2k_z+\mu'k^2k_z'}E_p\\ &T_p=\frac{2\mu'kk'k_z}{\mu k'^2k_z+\mu'k^2k_z'}E_p\\ );
同様に、5番目の式から
&math( \frac{\cancel k}{\mu}\frac{k_z}{\cancel k}(-E_s+R_s)=-\frac{\cancel k'}{\mu'}\frac{k_z'}{\cancel k'}T_s\\ );
4番目の式と連立させて、
4番目の式へ代入して、
&math( &\left(1+\frac{\mu'k_z-\mu k_z'}{\mu'k_z+\mu k_z'}\right)E_s=T_s\\ &T_s=\frac{2\mu'k_z}{\mu'k_z+\mu k_z'}E_s\\ );
まとめると、
&math( &R_p=\frac{\mu'k^2k_z'-\mu k'^2k_z}{\mu'k^2k_z'+\mu k'^2k_z}E_p\\ &T_p=\frac{2\mu'kk'k_z}{\mu'k^2k_z'+\mu k'^2k_z}E_p\\ &R_s=\frac{\mu'k_z-\mu k_z'}{\mu'k_z+\mu k_z'}E_s\\ &T_s=\frac{2\mu'k_z}{\mu'k_z+\mu k_z'}E_s\\ );
さらに を使えば、
&math( &R_p=\frac{\varepsilon k_z'-\varepsilon'k_z}{\varepsilon k_z'+\varepsilon'k_z}E_p\\ &T_p=\frac{k'}{k}\frac{2\varepsilon k_z}{\varepsilon k_z'+\varepsilon'k_z}E_p\\ &R_s=\frac{\mu'k_z-\mu k_z'}{\mu'k_z+\mu k_z'}E_s\\ &T_s=\frac{2\mu'k_z}{\mu'k_z+\mu k_z'}E_s\\ );
を得る。ああ、こうしておいた方がキレイかな。
&math( &R_p=\frac{k_z'/\varepsilon'-k_z/\varepsilon}{k_z'/\varepsilon'+k_z/\varepsilon}E_p\\ &T_p=\frac{k'/\varepsilon'}{k/\varepsilon}\frac{2k_z/\varepsilon}{k_z'/\varepsilon'+k_z/\varepsilon}E_p\\ &R_s=\frac{k_z/\mu-k_z'/\mu'}{k_z/\mu+k_z'/\mu'}E_s\\ &T_s=\frac{2k_z/\mu}{k_z/\mu+k_z'/\mu'}E_s\\ );
エネルギーおよび運動量の保存†
振幅反射率
振幅透過率
などと置くと、
となっている。
これは、電磁波により単位時間に運ばれるエネルギーや運動量が ではなく、 ポインティングベクトル と断面積との積に比例するためである。
&math( |\bm E\times\bm H|= \left|-\frac{k}{\mu\omega}\begin{pmatrix} E_p \cos\theta\\E_s\\E_p\sin\theta \end{pmatrix}\times\begin{pmatrix} E_s \cos\theta\\-E_p\\E_s\sin\theta \end{pmatrix}\right|= \sqrt\frac{\varepsilon}{\mu}\begin{vmatrix} (E_s^2+E_p^2)\sin\theta\\ \cancel{E_pE_s\cos\theta\sin\theta}-\cancel{E_pE_s\cos\theta\sin\theta}\\
- (E_s^2+E_p^2)\cos\theta\\ \end{vmatrix}= \sqrt\frac{\varepsilon}{\mu}(E_s^2+E_p^2) );
であり、界面上の単位面積に相当する、 だけ傾いたビームの断面積は となるから、
が、正しいエネルギー&運動量保存の式となる。
そこで、
&math( &\cos\theta\sqrt\frac{\varepsilon}{\mu}\left(\frac{\varepsilon k_z'-\varepsilon'k_z}{\varepsilon k_z'+\varepsilon'k_z}\right)^2+ \cos\theta'\sqrt\frac{\varepsilon'}{\mu'}\left(\frac{k'}{k}\frac{2\varepsilon k_z}{\varepsilon k_z'+\varepsilon'k_z}\right)^2 =\cos\theta\sqrt\frac{\varepsilon}{\mu}\\ &\left(\frac{\varepsilon k_z'-\varepsilon'k_z}{\varepsilon k_z'+\varepsilon'k_z}\right)^2+ \frac{\cos\theta'}{\cos\theta}\sqrt\frac{\mu\varepsilon'}{\mu'\varepsilon}\frac{k'^2}{k^2}\frac{\varepsilon k_z}{\varepsilon'k_z'} \frac{4\varepsilon k_z\varepsilon' k_z'}{\left(\varepsilon k_z'+\varepsilon'k_z\right)^2} =1\\ &\left(\frac{\varepsilon k_z'-\varepsilon'k_z}{\varepsilon k_z'+\varepsilon'k_z}\right)^2+ \frac{4\varepsilon k_z\varepsilon' k_z'}{\left(\varepsilon k_z'+\varepsilon'k_z\right)^2} =1\\ );
および、
&math( &\cos\theta\sqrt\frac{\varepsilon}{\mu}\left(\frac{\mu'k_z-\mu k_z'}{\mu'k_z+\mu k_z'}\right)^2+ \cos\theta'\sqrt\frac{\varepsilon'}{\mu'}\left(\frac{2\mu'k_z}{\mu'k_z+\mu k_z'}\right)^2 =\cos\theta\sqrt\frac{\varepsilon}{\mu}\\ &\left(\frac{\mu'k_z-\mu k_z'}{\mu'k_z+\mu k_z'}\right)^2+ \frac{\cos\theta'}{\cos\theta}\sqrt\frac{\mu\varepsilon'}{\mu'\varepsilon} \frac{\mu'k_z}{\mu k_z'} \frac{4\mu\mu'k_zk_z'}{\left(\mu'k_z+\mu k_z'\right)^2} =1\\ &\left(\frac{\mu'k_z-\mu k_z'}{\mu'k_z+\mu k_z'}\right)^2+ \frac{4\mu\mu'k_zk_z'}{\left(\mu'k_z+\mu k_z'\right)^2} =1\\ );
として、保存則が成立していることを確かめられる。
反射率と透過率†
同じ境界面へ同じ光路を通って反対向きに入射する場合の透過率を 、 反射率を とすると、
ちょうどうまく
を満たすという関係がある。
透磁率が共通の場合†
&math( &r_p=\frac{k_z'-\varepsilon^*k_z}{k_z'+\varepsilon^*k_z}\\ &t_p=\frac{k'}{k}\frac{2k_z}{k_z'+\varepsilon^*k_z}\\ &r_s=\frac{k_z-k_z'}{k_z+k_z'}\\ &t_s=\frac{2k_z}{k_z+k_z'}\\ );
ただし、
下では、 として、 に対して
をプロットした。
右上はよく知られる 偏光と 偏光の反射強度のグラフになっている。
左上を見ると、 偏光の反射強度になぜディップが現れ、 偏光の反射強度になぜディップが現れないかが分かる。 偏光のカーブがゼロをまたぐのがディップの原因になっている。
LANG:mathematica Module[{rp, tp, rs, ts, n12, k2, kz, kz2}, n12 = 1.5; k2 = n12; kz = Cos[\[Theta] Pi/180]; kz2 = Sqrt[k2^2 - Sin[\[Theta] Pi/180]^2]; rp = (kz2 - n12^2 kz)/(kz2 + n12^2 kz); tp = k2 2 kz/(kz2 + n12^2 kz); rs = (kz - kz2)/(kz + kz2); ts = 2 kz/(kz + kz2); GraphicsGrid[{{ Plot[{rp, rs}, {\[Theta], 0, 90}, PlotRange -> {{0, 90}, {-1, 1}}], Plot[{Abs[rp]^2, Abs[rs]^2}, {\[Theta], 0, 90}, PlotRange -> {0, 1}] }, { Plot[{tp, ts}, {\[Theta], 0, 90}], Plot[{Abs[tp]^2, Abs[ts]^2}, {\[Theta], 0, 90}, PlotRange -> {0, 1}] }}] ]
全反射条件†
上での計算から、界面を挟んで であることが分かったが、 であるから、 が小さくなる条件では となってしまう場合がある。
波数ベクトル の 成分 がベクトルのノルムよりも大きくなる???
そう、ちょっと考えると不思議だけれど、本当にそういうことが起きる。
であるから、 の条件は、
あるいは同じ事であるが、
である。
すなわち、屈折率の大きな媒質から、屈折率の小さな媒質へ出る際に 入射角 が十分大きい場合にこの条件が満たされる。
このとき、
は純虚数になる。
そこで と置けば、
&math( &r_p=\frac{i\varepsilon \eta'-\varepsilon'k_z}{i\varepsilon \eta'+\varepsilon'k_z}\\ &t_p=\frac{k'}{k}\frac{2\varepsilon k_z}{i\varepsilon \eta'+\varepsilon'k_z}\\ &r_s=\frac{\mu'k_z-i\mu \eta'}{\mu'k_z+i\mu \eta'}\\ &t_s=\frac{2\mu'k_z}{\mu'k_z+i\mu \eta'}\\ );
すると、
&math( &|r_p|=\frac{\sqrt{\varepsilon^2 \eta'^2+\varepsilon'^2k_z^2}}{\sqrt{\varepsilon^2 \eta'^2+\varepsilon'^2k_z^2}}=1\\ &|t_p|=\left|\frac{k'}{k}\right|\frac{2\varepsilon |k_z|}{\sqrt{\varepsilon^2 \eta'^2+\varepsilon'^2k_z^2}}\\ &|r_s|=\frac{\sqrt{\mu'^2k_z^2+\mu^2 \eta'^2}}{\sqrt{\mu'^2k_z^2+\mu^2 \eta'^2}}=1\\ &|t_s|=\frac{2|\mu'k_z|}{\sqrt{\mu'^2k_z^2+\mu^2 \eta'^2}}\\ );
であり、反射率の絶対値は1になる。
これが「全反射」と呼ばれる現象である。
以下では の状況をプロットした。
上から、 の振幅&位相(左)、振幅の二乗(右)である。
64度くらいより大きい部分が全反射条件で、 とも振幅が1になっている。
それ以前の角度では 以外、位相はゼロのまま変化しない。
はゼロをまたぐところで負号が変わるため 0 から 180 度まで一気に値が飛んでいる。
全反射領域ではぐんぐん位相が変わる。
全反射領域に入る前に反射率と透過率が両方とも1よりもずいぶん大きくなっているが、 これは傾いた分だけ実効的な断面積が減ったためで、エネルギーや運動量の保存は上で見たとおり問題ない。
LANG:mathematica (* http://reference.wolfram.com/language/howto/GeneratePlotsWithTwoVerticalScales.html *) TwoAxisPlot[{f_, g_}, {x_, x1_, x2_}] := Module[{fgraph, ggraph, frange, grange, fticks, gticks}, {fgraph, ggraph} = MapIndexed[ Plot[#, {x, x1, x2}, Axes -> True, PlotRange -> Full, PlotStyle -> ColorData[1][#2[[1]]]] &, {f, g}]; {frange, grange} = (PlotRange /. AbsoluteOptions[#, PlotRange])[[ 2]] & /@ {fgraph, ggraph}; fticks = N@FindDivisions[frange, 5]; gticks = Quiet@Transpose@{fticks, ToString[NumberForm[#, 2], StandardForm] & /@ Rescale[fticks, frange, grange]}; Show[fgraph, ggraph /. Graphics[graph_, s___] :> Graphics[ GeometricTransformation[graph, RescalingTransform[{{0, 1}, grange}, {{0, 1}, frange}]], s], Axes -> False, Frame -> True, FrameStyle -> {ColorData[1] /@ {1, 2}, {Automatic, Automatic}}, FrameTicks -> {{fticks, gticks}, {Automatic, Automatic}}]] Manipulate[ Module[{rp, tp, rs, ts, n12, k2, kz, kz2}, n12 = nn; k2 = n12; kz = Cos[\[Theta] Pi/180]; kz2 = Sqrt[k2^2 - Sin[\[Theta] Pi/180]^2]; rp = (kz2 - n12^2 kz)/(kz2 + n12^2 kz); tp = k2 2 kz/(kz2 + n12^2 kz); rs = (kz - kz2)/(kz + kz2); ts = 2 kz/(kz + kz2); GraphicsGrid[{ { TwoAxisPlot[{Abs[rs], Arg[rs]}, {\[Theta], 0, 90}], Plot[Abs[rs]^2, {\[Theta], 0, 90}, PlotRange -> {0, Full}, PlotPoints -> 500, MaxRecursion -> 10] }, { TwoAxisPlot[{Abs[rp], Arg[rp]}, {\[Theta], 0, 90}], Plot[Abs[rp]^2, {\[Theta], 0, 90}, PlotRange -> {0, Full}, PlotPoints -> 500, MaxRecursion -> 10] }, { TwoAxisPlot[{Abs[ts], Arg[ts]}, {\[Theta], 0, 90}], Plot[Abs[ts]^2, {\[Theta], 0, 90}, PlotRange -> Full, PlotPoints -> 500, MaxRecursion -> 10] }, { TwoAxisPlot[{Abs[tp], Arg[tp]}, {\[Theta], 0, 90}], Plot[Abs[tp]^2, {\[Theta], 0, 90}, PlotRange -> Full, PlotPoints -> 500, MaxRecursion -> 10] } }] ], {{nn,0.8}, 0, 5} ]
エバネッセント波†
全反射条件では反射率が1にもかかわらず透過率が0にならないように見える。
透過波の振幅がゼロでない理由は、透過波が平面波ではなくなっているためである。
のように書けば、 が虚数になったために が大きくなるに従い 振幅が指数関数的に減衰する様子が見て取れる。
すなわちこの「透過波」は実際に界面を透過して伝播していく波ではなく、 境界面を越えてほんの少しだけ「染み出した波」であり、このような波はエバネッセント波と呼ばれる。
このエバネッセント波の染み出し長は であるが、
&math( \frac{1}{\eta'}=\frac{1}{\sqrt{k_x^2-k'^2}} =\frac{1}{\sqrt{k_x^2-k^2(\mu'\varepsilon')/(\mu\varepsilon)}} =\frac{1}{k}\frac{1}{\sqrt{\sin^2\theta-(\mu'\varepsilon')/(\mu\varepsilon)}} =\frac{\lambda}{2\pi}\frac{1}{\sqrt{\sin^2\theta-(\mu'\varepsilon')/(\mu\varepsilon)}} );
のように染み出し長は の値に大きく依存し、特に臨界角付近では波長に比べてずっと長い距離に渡って「染み出す」ことがあり得る。エバネッセント波の染み出し長が「波長程度」と説明されていることも多いが、そうとは限らない、というのが本当のところ・・・なのではないか・・・な?
えーと、臨界角付近で波長に比べてずっと長い距離まで染み出すためには、界面が十分に広い必要があるのかも。
臨界角付近では屈折波はほとんど界面に平行に進むから、界面から離れた場所へ飛んでくる屈折波は観測しているところからかなり遠いところで界面を越えて、ほぼ界面に垂直に進んでそこまで到達した波になる。ビーム径が小さければそのような場所に入射波は当たっていないから、あまり界面から遠いところには波は到達しないことになる。
臨界角付近で界面から遠いところまで十分な振幅があるような結果が得られるのは、無限遠までの界面を仮定しているためなのかもしれない。
計算例†
に対して、電場の実数部分をプロットした。
上半分が屈折率 媒質、下半分が屈折率 の媒質で、 左上から右下に向かって入射光。上半分には入射光と反射光が、下半分には透過光が存在する。
屈折角が 90 度になるところが臨界角。
臨界角を越えたところからエバネッセント波の減衰長が無限大から急激に短くなって行く様子が見られる。
反射率が1になるため、入射光と強く干渉して、上半分に定在波が観測される。
LANG:mathematica Table[ Module[{rp, tp, rs, ts, n12, k2, kx, kz, kz2}, n12 = 0.8; k2 = n12; kx = Sin[\[Theta] Pi/180]; kz = Cos[\[Theta] Pi/180]; kz2 = Sqrt[k2^2 - kx^2]; rp = (kz2 - n12^2 kz)/(kz2 + n12^2 kz); tp = k2 2 kz/(kz2 + n12^2 kz); rs = (kz - kz2)/(kz + kz2); ts = 2 kz/(kz + kz2); DensityPlot[ If[z >= 0, Re[Exp[-I kz z + I kx x] - rp Exp[I kz z + I kx x]] kx, Re[tp Exp[-I kz2 z + I kx x] Sqrt[1 - kz2^2]] ], {x, -30, 30}, {z, -30, 30}, PlotPoints -> 40 ]], {\[Theta], 30, 65, 1} ]; Export["evanescent-s.gif", %%, Dithering -> "FloydSteinberg", "DisplayDurations" -> 0.2] Table[ Module[{rp, tp, rs, ts, n12, k2, kx, kz, kz2}, n12 = 0.8; k2 = n12; kx = Sin[\[Theta] Pi/180]; kz = Cos[\[Theta] Pi/180]; kz2 = Sqrt[k2^2 - kx^2]; rp = (kz2 - n12^2 kz)/(kz2 + n12^2 kz); tp = k2 2 kz/(kz2 + n12^2 kz); rs = (kz - kz2)/(kz + kz2); ts = 2 kz/(kz + kz2); DensityPlot[ If[z >= 0, Re[Exp[-I kz z + I kx x] - rp Exp[I kz z + I kx x]], Re[tp Exp[-I kz2 z + I kx x]] ], {x, -30, 30}, {z, -30, 30}, PlotPoints -> 40 ]], {\[Theta], 30, 65, 1} ]; Export["evanescent-p.gif", %%, Dithering -> "FloydSteinberg", "DisplayDurations" -> 0.2]