量子力学Ⅰ/水素原子 の履歴(No.2)

水素原子†

動径方向のシュレーディンガー方程式は、

　&math(

• \frac{\hbar^2}{2m}\frac{\PD^2}{dr^2}rR(r)+ \underbrace{\left\{V(r)+\frac{\hbar^2}{2m}\frac{l(l+1)}{r^2}\right\}}_{V'(r)} rR(r)=\varepsilon rR(r) );

と置けば、 に対する方程式は と遠心力とを加えた仮想的なポテンシャル の中を運動する粒子の 一次元シュレーディンガー方程式と一致する。

水素原子の原子核は電荷 を持つが、 ここでは少し一般化して電荷 を持つ原子核との相互作用を考える。

　

長さを無次元化して、 と置く。 ただし はボーア半径と呼ばれ、 つまり水素原子の場合の特性長である。

すると、

　&math( \frac{\PD^2\chi}{\PD\rho^2}+\left\{\frac{2}{\rho}-\frac{l(l+1)}{\rho^2}\right\}\chi+\eta\chi=0 );

のように単純化できる。

ただし、 ここで、 は系の特性エネルギーである。

上の方程式は のとき、

　

となるから、近似的に となっているはずである。 また、ここでは束縛解を考えているため において である。

これらの境界条件を満たす解は、 を の整数として、

　

となるときのみ存在することを示せる。→ 詳しくはこちら

このとき、

　 　ただし

である。具体的な解の形は、