スピントロニクス理論の基礎/3 の履歴(No.1)
更新3 スピントロニクスの現象論†
3-1 電流による磁化反転†
3d 強磁性体では伝導電子もかなり強いスピン分極を受けている。
これは、アップスピンとダウンスピンの電子状態密度がエネルギー方向にずれており、 その結果フェルミレベルでの状態密度に差があることから生じる。
伝導電子のフェルミレベルでの状態密度をアップ およびダウン と表し、それらの寿命(平均自由行程を決める散乱寿命)をそれぞれ とする。
するとスピン依存の電気伝導度は、
であり、電流密度は
と表せる。
ここから電流のスピン分極率は、(3.1)
で与えられる。 の値は完全に分極しているとき を取り、 分極のない時 ( ) には となる。
実験的に、 が に近い値を取りうることが確認されている。
したがって、強磁性金属に電流を流すと、
のスピン流が流れることになる。( に注意)
スピン流のスピン空間での対称性†
「ただしこのスピン流はスピン空間での対称性を持っておらず、 一様磁化の下で磁化方向へ射影したスピン流、つまり断熱成分である」 の意味はよく分からない。文脈からすると、これと対極にあるのが 「SU(2)対称なスピン流」であり、こちらは断熱成分ではないという事になるけれど・・・
ここで見るスピン流が角運動量を運ぶことは明らかに思える。 実際にアップまたはダウンのスピンが流れているから。
文脈からすると、「SU(2)対称なスピン流」では角運動量は運ばれないということになるのだろうか?
薄膜磁化の反転†
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