スピントロニクス理論の基礎/X-1

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X-1 フェルミオンの交換関係

数演算子

\hat n=c^\dagger c なる演算子の固有値 k に対応する固有関数を \ket{k} とする。

\hat n\ket{k}=c^\dagger c\ket{k}=k\ket{k}

\braket{k|c^\dagger c|k}=\|c\ket{k}\|^2=k より、

固有値は必ず k\ge 0 であり、さらに \|c\ket{k}\|=\sqrt k を得る。

反交換関係

フェルミオンでは、

  • \{c^\dagger,c\}=c^\dagger c+cc^\dagger=1
  • \{c^\dagger,c^\dagger\}=2c^\dagger c^\dagger=0
  • \{c,c\}=2cc=0

なる反交換関係が成り立つ。

これを用いると、

&c^\dagger cc^\dagger c\ket{k}=\hat n\hat n\ket{k}=k^2\ket{k}\\ &=c^\dagger(1-c^\dagger c) c\ket{k}=(c^\dagger c-c^\dagger c^\dagger cc)\ket{k}=(c^\dagger c - 0\cdot 0)\ket{k} = \hat n\ket{k}=k\ket{k}

すなわち、 k(k-1)\ket{k}=0 より \hat n の固有値 k は 0 または 1 である。

つぎに、

cc^\dagger c\ket{k}=c\hat n\ket{k}=c k \ket{k} = k c\ket{k}

一方で、

cc^\dagger c\ket{k}=(1-\hat n)c\ket{k}

したがって、

(1-\hat n)c\ket{k}=k c\ket{k}

\hat n c\ket{k}=(1-k)c\ket{k}

これと、 \|c\ket{k}\|=\sqrt k より

c\ket{k}=\sqrt k \ket{1-k}

同様に、

c^\dagger c c^\dagger\ket{k}=\hat n c^\dagger \ket{k}=(1-k)c^\dagger\ket{k}

また、 \braket{k|cc^\dagger|k}=\braket{k|1-\hat n|k}=\|c^\dagger\ket{k}\|^2=1-k より \|c^\dagger\ket{k}\|=\sqrt{1-k} を使うと、

c^\dagger\ket{k}=\sqrt{1-k}\ket{1-k}

したがって、

  1. k=0,1
  2. c\ket{k}=\sqrt k \ket{1-k}
  3. c^\dagger\ket{k}=\sqrt{1-k}\ket{1-k}

が得られた。

これらを用いて具体的に書き下すと、

  • c\ket{0}=0
  • c\ket{1}=\ket{0}
  • c^\dagger\ket{0}=\ket{1}
  • c^\dagger\ket{1}=0

が得られ、 c が消滅演算子、 c^\dagger が生成演算子として働くことが分かる。

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