線形代数I/要点/2章A-行列 の変更点

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* 行列 [#l1e88e50]

数字を縦横に並べて ''大括弧で'' 囲んだもの。丸括弧ではないので注意。
数字を縦横に並べて ''大括弧で'' 囲んだもの。(この教科書では 丸括弧 ではないので注意)

&math(\left[ \begin{array}{cccc} 1&2&3&4 \\ 5&6&7&8 \\ 9&10&11&12 \end{array} \right]);

* 行と列 [#cad6bbbb]

m行n列の行列、や、(m,n)−行列、と言った場合、縦にm個、横にn個の
行列を指す。

例えば上の例は(3,4)−行列。

横書き文化から来た言葉なので、横に1列に並んだ数字を1行と数える、と考えれば
間違えることは無いはず。

同様に、
+ 第3行第2列成分 = (3,2)-成分 = &math(a_{32});
+ 第3行ベクトル、第1列ベクトル

なども普通に使えるように。

* 行列の成分表示 [#v93aef94]

&math(A=\left[ \begin{array}{ccccc} a_{11}&a_{12}&a_{13}&\dots&a_{1n} \\ a_{21}&a_{22}&a_{23}& &a_{2n} \\ \vdots&\vdots& &\ddots&\vdots \\ a_{m1}&a_{m2}&a_{m3}&\dots&a_{mn} \end{array} \right]);

のような行列を、省略形で

&math(A=(a_{ij}));

などと書く。

* 行列の演算 [#s47a11d6]

高校で習ったのと同じ。行列表示の省略形を使うと簡単に定義できる。

- スカラー乗~
&math(\lambda A=(\lambda a_{ij}));~
~
- 加算~
&math(A+B=(a_{ij}+b_{ij}));~
~
- 乗算~
(m,''n'')-行列と(''n'',p)-行列との間に乗算が定義され、結果は(m,p)-行列になる。~
&math(AB=\left(\sum_k a_{ik}b_{kj}\right));~
~

乗算は左右に i,j を置いて、真ん中に加算用の k をはさむ形になることに注意。

同様に、

&math(ABC=\left(\sum_k \sum_m a_{ik}b_{km}c_{mj}\right));~

などとなる。各自確かめてみよ。

* 乗算の非可換性 [#d833850d]

一般に &math(AB\ne BA); である。

そもそも、(m,''n'')-行列と(''n'',p)-行列との乗算は&math(m \ne p);の場合には順序を
変えると定義さえされない。

* ゼロ行列 [#vffae7a3]

任意の &math(A); について、

&math(A+O=A);

となるような行列をゼロ行列と呼ぶ。

ゼロ行列はすべての成分がゼロである。

&math(O=(0));

* 単位行列 [#za4c16fb]

任意の &math(A); について、

&math(AI=A);

となる行列は、乗算の定義される任意の &math(B); について

&math(IB=B);

となる。

このような行列を単位行列と呼ぶ。

単位行列は対角成分のみ1で後はすべてゼロであるような正方形の行列、つまり

&math(I=\left[ \begin{array}{ccccc} 1&0&0&\dots&0 \\ 0&1&0&\dots&0 \\ 0&0&1& &0 \\ \vdots&\vdots& &\ddots&\vdots \\ 0&0&0&\dots&1 \end{array} \right]=(\delta_{ij}));

という形をしている。

ここで、&math(\delta_{ij}); はクロネッカーのデルタと呼ばれる記法で、定義は

&math(\delta_{ij}=\left\{ \begin{array}{c} 1\ \dots\ (i=j) \\ 0\ \dots\ (i\ne j) \end{array} \right.);

である。

* 正方行列 [#e9c6e000]

単位行列のように正方形の行列を ''正方行列'' と呼び、その縦、横の長さを正方行列の ''次数'' と呼ぶ。

「&math(A); をn次の正方行列とする」などという形で使われる。

* 逆行列 [#u3580f76]

正方行列 &math(A); に対して、

&math(AB=BA=I); 

となるような行列 &math(B); を &math(A); の逆行列と呼び、&math(B=A^{-1}); と書く。

実は後で学ぶように &math(AB=I); となるような任意の行列 &math(A,B); に対して、
必ず &math(BA=I); となるため、どちらか一方から掛けて単位行列になれば逆行列
である。

* 正則 [#bb1fdec4]

逆行列を持つ行列を ''正則な行列'' と呼ぶ。

「&math(A); は正則か?」「正則な行列 &math(A); について〜」などという使い方をする。

ある正方行列が正則であるかどうか調べるためには後に学ぶように、逆行列を直接求める
以外にも、rank が次数に等しいこと、行列式がゼロでないことなどを示せばよい。

* 転置行列 [#g0883724]

&math(A=(a_{ij})); に対して &math(^t\!A=(a_{ji})); を &math(A); の転置行列と呼ぶ。

例えば、

&math(\begin{array}{c}\ \\\ \\\ \\\ \end{array}^t\!\left[ \begin{array}{ccccc} a&b&c&d&e \\ f&g&h&i&j \\ k&l&m&n&o \\ p&q&r&s&t \end{array} \right]=\left[ \begin{array}{cccc} a&f&k&p \\ b&g&l&q \\ c&h&m&r \\ d&i&n&s \\ e&j&o&t \end{array} \right]);

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